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TwelveDoors

とぅえるぶどあーず

『Twelve Doors』とは、Sanetomo Works制作の2002年に発表されたフリーゲーム。ジャンルはホラーアドベンチャー。
目次 [非表示]

ふと気が付いた時には、何も覚えていなかった。

ここが何処なのか、ここで何をしているのか、そして…自分が誰なのか。

右手には懐中電灯、左手にはジュラルミンケース。

全身を包み込む防護服は重く、視界を遮るマスクはカビ臭い。

そして、ここはとても薄暗い…。


概要編集

制作は「Sanetomo Works」。他の呼称は「12doors」、「12扉」など。

グロテスクなシーンが含まれているため、R-13指定。

難解ながらも練りこまれた舞台設定・物語となっており人気が高く、続編も制作されている。


防護服を着て鍵のかかったジュラルミンケースを持った記憶喪失の主人公を操作し、視点を変えたりアイテムを使ったりしながら、怪物が徘徊する謎の研究施設を探索する謎解き脱出ゲーム

エンディングは主人公の行動や選択肢によって変わり、全部で5種類。結末に応じて主人公の正体も変わる。


クリア後の物語を描いた「Missing Link」や、続編にあたる「Messiah From Darkness」も公開されている(後者は現在制作途中で更新が止まっている)。

docomoのi-アプリ専用で「Twelve Doors THE EVIL SLAYERS」というオンラインゲームも存在したが、2014年にサービスを終了している。


マルチエンディングを採用しており、採った選択により、「VERY GOOD」「GOOD」「BAD」「VERY BAD」「???」の5種類の結末がある。




登場人物編集

  • 主人公

謎の施設内で倒れていた、記憶喪失の男。脱出と同時に彼の素性を明らかにするのがこのゲームの目的である。オレンジの防護服に身を包み、目覚めたときに持っていた懐中電灯とジュラルミンケースを携えて脱出のため徘徊する。常に冷静な口調だが、プレイヤーの選択次第ではいきなり踊り始めたりヌードポスターに興奮するなどコミカルな一面も。

「Missing Link」ではエロ本を拾うと、所持している限り状況に関係なく時たましゃがみ込んで見入ってしまう。


その正体はどのエンディングを迎えたかによって異なる。

(スタート直後は記憶を失っていたのは全て共通)


●VERY GOODエンディング … 途中でジャックがリバースウォーカーに襲われるシーンで救出に成功し最後まで同行しており、終盤で自分とジャックのどちらがワクチンを使うかの場面でジャックにワクチンを譲った場合に到達できる。

施設内で研究されてきた、未知の細菌型生物「胞子」の根絶を目指すために人為的に作られた人造人間。遺伝子に急成長と言語能力の本能化が組み込まれており、劇中の僅か10時間前に生まれたばかりの人間であるため、「何も覚えていない」のではなく「そもそも何も知らない」。名前も当然無い。

施設内の記録および自ら幽閉され最期の時を待っている研究者によるとこの人造人間計画は失敗したとされているが、実際は最後の1人が成功しており、出産の最中にバイオハザード事故が起こったため成功例の存在を認識されていないだけである。

現代人類は手放してしまった、「胞子」への免疫を備えており、本来は防護服など着なくても施設に蔓延する「胞子」に感染する事は一切ないのだが、ゲーム中でそれを知る事は無いので防護服は脱がない。

なお、続編である「Missing Link」および「メサイア・フロム・ダークネス」のストーリーはこのエンディングから続いている。

「Missing Link」でも引き続き主人公。脱出直後はジャックの世話になりながら胞子の化け物を退治する仕事をしているが、しばらくの間は他に着る服が無いのか防護服姿のまま。しかし途中で拾った本に影響を受け、中世のファンタジー物語の暗殺者みたいな恰好をし出す。口調も変わる。

「メサイア・フロム・ダークネス」では主人公ではないが、(公開されていた範囲の中での)終盤にNPCとして登場。主人公とは別に化け物退治の目的で乗り込んできたが、目的がとりあえず合致するという事で同行。ただし敵対の意思を見て取ると即座に攻撃してくる。具体的には銃を向けると即座にエクスカリバーの銃口を向け返し、一発でも発砲しようものなら即座に回避・反撃されて殺される。


●GOODエンディング … 途中でジャックがリバースウォーカーに襲われるシーンで救出できず、かつ終盤で倒れているジェシカを発見した際に「自分より先に」ジェシカにワクチンを投与してやると到達できる。

バイオハザード事故の前から発生していた「逆エントロピー現象」を解明すべく、新型防護服を着て調査を行っていた施設内調査チームの一員「ハインリヒ・ベルガー」。

記憶を失っていたのはマックス・フロストと争いになった際に殴られて昏倒していたため。

事故が起こった事で調査どころではなくなり、外部から封鎖されてしまった施設からの脱出方法を探すと共に行方不明になった恋人であり調査チームの同僚のジェシカを探すが、同僚に潜り込んでいた敵対組織スパイ(BADエンディング参照)のマックス・フロストに妨害を受ける。妨害を退け、瀕死の状態だったジェシカを助け、無事に二人で脱出を遂げる。

ただしハインリヒは胞子に汚染されており発症の危険があるため、脱出後に冷凍睡眠に入り、ジェシカが治療法を開発してくれるのを待つ事に。


●BADエンディング … 途中でジャックがリバースウォーカーに襲われるシーンで救出に成功し最後まで同行しており、終盤で自分とジャックのどちらがワクチンを使うかの場面で自分にワクチンを使った場合に到達できる。

上記と同じ、逆エントロピー現象調査チームの一員「マックス・フロスト」。ただし正式なチーム員ではなく、この施設を運営する組織とは敵対している組織から送り込まれたスパイであり、事故を起こして施設を潰し、関係者を殺害して脱出するのが目的だった。

記憶を失っていたのは、唯一マックスがスパイだと勘づいた同僚ハインリヒと争いになった際に殴られて昏倒したため(GOODエンディングとちょうど逆)。

ハインリヒの妨害を退け、任務を達成して脱出を果たす。


●VERY BADエンディング … 途中でジャックがリバースウォーカーに襲われるシーンで救出できず、かつ終盤で倒れているジェシカを発見した際に自分でワクチンを使ってしまうと到達できる。

GOODと同じく「ハインリヒ・ベルガー」。

ただしこちらのエンディングに至る道の途中で恋人だったジェシカは死亡してしまい、ハインリヒも既に胞子に寄生されている。またこのルートではマックス・フロストはスパイではなく、ハインリヒが既に胞子寄生体になっている事に気づいて被害を生む前に処分を試みる正規の施設員である。

マックスの攻撃はハインリヒの意思に呼応するかのように動くギガハンドによって退けられ、一人脱出ポッドで脱出するもポッド内で本格的な孵化が始まってしまい、教祖と同じ「脳寄生型」の胞子寄生体となり、外部に脱出してしまう。

記憶を失っていた理由は不明だが、脳寄生型胞子に寄生されて大脳皮質を食われる前後で一時的に昏倒したのだと思われる。


???エンディング … BADエンディングルートに入り、エンディングで脱出ポッドの中で通信機の呼び出し音が鳴った際、「画面の主人公の視界の中にあるジュラルミンケース」と「アイテム欄のジュラルミンケース」のうち、アイテム欄の方をクリックすると分岐できる。

それまでの激動を全てぶん投げて派生するトンデモエンディング。

主人公の正体は施設内にも設置されているハンバーガー自販機に冷凍バーガーを供給している食品会社「メタルバーガー」の従業員であり、バーガーの補充に来ていた所、たまたま事故に出くわして閉じ込められただけの人。

脱出ポッドの中で電話の着信音がするジュラルミンケースを開けると、その中には電話と補充用の冷凍バーガーが入っている。

来ている服は防護服でも何でもなく、会社の制服が奇跡的な偶然で施設の新型防護服にソックリだっただけ。電話で自分がメタルバーガーの従業員だったことを思い出し、服を脱いで背中を見てみるとそこにはデカデカとメタルバーガーのロゴが…。

防護服も着ておらずワクチンも持っていないただの人があれだけ施設内をうろついて無事だった理由は不明。記憶を失っていた理由も不明。

なお、電話相手の何も知らない上司からは、たかがバーガーの補充であまりに時間がかかりすぎている事からクビを言い渡される。


  • ジャック・スパンクマイヤ

施設の運営母体である「ラストホープ財団」の私設軍隊の一員。

今回のバイオハザード事故を受け、処理をするために突入してきたガブリエル隊・C班の班長。隊の唯一の生存者でもある。

施設内で常識を超える事態に遭遇し部隊が全滅したところで主人公と出会い、成り行きで同行する。彼が生存するかどうかがエンディング分岐の大きな条件の一つ。

「スパンクマイヤ」のファミリーネームはエンディングで共に脱出した場合のみ明かされる。

続編でも登場し、「Missing Link」では主人公の当面の滞在場所として隠れ家代わりのガレージを提供し、脱出した施設以外にも「胞子」を用いた研究をしている施設がある事を知り、そこを調査する仕事を主人公に紹介・斡旋してくれる。

長年傭兵をしてきており、緊急用の武器庫にしている建物を所有している。ヌリョーク市ディセンタック街の858番地に「カーソル」と書かれた鍵を持っていくと入れる。「カーソルで選択して入力」の捩りで、858は「12doors」の最終セーブポイントからジャック同行状態で始められる(つまりVERY GOODエンディング手前)パスワード。

「Missing Link」ラストから「メサイア・フロム・ダークネス」にかけて、ラストバタリオンに再入隊している。と言っても「12doors」の件では形式上は任務放棄・脱走の形であるため真っ当な再入隊ではなく、当時の隊員が全滅していること、早期再建のために身元確認をロクにしていないことを利用し、知らん顔で別人として潜入しているもの。敵対組織「ファティマの夜明け」への大規模武力行使作戦を聞きつけ、「胞子」が絡んでいる可能性が高いと断定して主人公(メサイア)と示し合わせて潜入作戦を決行する。

彼のドッグタグによると血液型はAB型のRH+らしい。


  • 謎の防護服の男

施設内で出会う、主人公と同じタイプの防護服を着た男。助言をするような言動をしながら味方とも言いづらい謎の人物。

単独行動をしているようだが施設内を自由に動き回っていると思われる。

その正体は明確にされないが、GOODおよびVERY BADエンディングの場合はマックス・フロスト、BADエンディングの場合はハインリヒ・ベルガーだったと考えられる。VERY GOODエンディングだった場合は完全に謎。


  • ジェシカ

施設の研究者で、逆エントロピー現象の調査チームの一員だった女性。同じく調査チームだったハインリヒ・ベルガーの恋人でもある。

GOODエンディングルートでは事故後に同チーム員のマックス・フロストに襲われた事から単独で逃走し、施設内で行方不明になっている。VERY BADエンディングの場合は彼女は襲われたから逃走したのではなく、ハインリヒが既に胞子寄生体である事をマックスから告げられ、ハインリヒを諦めて脱出するよう説得を受けるが受け入れることができず、ハインリヒを単独で探しに行こうとした事になっている。

突然死型の胞子に寄生されており、支給されたワクチンで凌いでいる。

ある場所で発見されるが、彼女の生死はエンディング分岐の条件の一つ。ただし同様にエンディング条件に関わるジャックが生きている場合は彼女は必ず死んでおり、ジャックが死んでいるルートでのみの第二分岐の位置づけ。


  • ステファニー

施設の研究員だった女性。

機密情報を見てしまったために登録を抹消され、人体に驚異的な耐久力と怪力を与える薬品「ES.E.G.F」を投与され、人体に極めて大きな苦痛を与える手順でのみ抽出可能なエキス「ハングドマンエキス」抽出の実験体に回されていた。

事故により脱走し、恋人だったハセガワ研究員を探して彷徨っている。倒す事は不可能であり、出会った場合に問答を間違えると即座に殺される。


  • サブロー・ハセガワ

施設の研究員だった男性。ステファニーの恋人。

ステファニーと同じく機密情報を見てしまったために登録を抹消され、ハングドマンエキスの抽出材料にされてしまった。ただしこちらは「ES.E.G.F」を投与されていなかったため、主人公たちが発見した時点で既に死亡している。


  • シャマラン

「胞子」に免疫を持つ人間を作り出すという「メサイア計画」の主任研究者。

計画自体は最後に成功していたのだが、その成功体を確認する直前に事故が起こったため、メサイア計画成功体の存在を知らない。

事故後は脱出を諦め、胞子が侵食しづらいチタン合金製の牢に自ら入り、読書をして最期の時を待っている。

ちなみに脱出を諦め最期の時を待っているだけのくせしてワクチンは複数個所持している。


  • 教祖

施設の運営母体ラストホープ財団の教祖を務める人物。

かつては第二次世界大戦中の陸軍中将ロナルド・ホッジスとして名を馳せた人物。

どこの国の軍かはイタリアではない事以外明言されていないが、続編「Missing Link」で向かう別の教団施設がアラバマ州にあるため、恐らくアメリカ陸軍。

存命していたら100歳をゆうに超えているはずだがせいぜい60歳程度の外見で現れる。

その実態はとっくに胞子に寄生されて人格を支配されており、それに気づいた信者によって一度殺害されるも胞子と融合する事で蘇った存在。「脳寄生型」胞子の寄生体。


登場する怪物編集

  • レッドマン

開発コード「赤ゴリラ」。メサイア計画の失敗作の一つ。

人間と大差ない体格をしているが、全身の皮膚が無く筋肉組織がむき出しの外見をしている。

極めて高い戦闘力を誇り、基本的にゲーム中では出会ったら如何なる武器を持っていても即アウトである。逃げる猶予がある場合もあるが、応戦しようとしたら問答無用で死ぬ。

途中で強引な自己進化により腕が2本増える。


  • リバースウォーカー

メサイア計画の失敗作の一つ。

「遺伝子を操作した受精卵を通常の人間女性の子宮を使って出産させる」と言う方法により生み出そうとしたものの、胎児の状態で母体を支配し始めたもの。

支配が完了する前に一旦死亡しているが、母体である女性が死亡してもそのまま支配を続け、強靭な回復力によって活動を再開。女性器の部分から胎児の頭を出し、そのまま母体を逆さにして自身の身体として使っている。

自身の身体として使う部分は強靭な回復力により一旦出た死斑も消え、銃弾で打たれてもすぐに回復してしまうが、唯一必要ない「母体の頭部」はリバースウォーカーの股間からぶら下がったまま腐敗している。

登場した時点では復活直後であり、ブリッジのような体勢ではい回る事しかできないが、やがて立ち上がる(母体からすると逆立ち状態)。立ち上がった直後は足(母体で言う腕)の筋力が十分でないため移動スピードは遅いがそれもやがて克服し、高速で走り回るようになる。

はい回っているだけの段階ならばマシンガン程度で一時的に行動不能に追い込むことができるが、進化してしまうとバスターキャノンを持っていても歯が立たない。

続編「Missing Link」にも雑魚エネミーの一種として登場する。「12doors」で言えば立ち上がった直後くらいの状態の個体だが複数登場する。バスターキャノンで攻撃すれば何発か必要ではあるが一応倒せる。


  • 歩く焼死体

メサイア計画の失敗作の一つ。コードネーム「アリス」。

リバースウォーカーと同じく人間女性に出産させる方法で、同じように胎児の内から支配が見られたため、支配が進む前に焼却処分して殺害したもの。

ただし全身が炭化するまで焼却したにもかかわらず完全な処分に至っておらず、休眠から目覚めると襲ってくる。マシンガン程度では全く効果が無い耐久力を誇るが、眼球が再生されておらず外部の認識能力が極めて低いため、タイミング次第では真横を走って通り抜ける事ができる。

アリスが出現する直前、焼却炉に立ち寄るタイミングがあるのだが、この時焼却炉の扉を開けると中から炭化した焼死体が飛び出てくるため、12doors有数のホラーポイントとなっている。(飛び出てくるのは焼却炉の構造のためで、この時点では襲ってこない。開けたか開けないかに関わらず、焼却炉を通り過ぎた後に出現する)


  • 裸の男

メサイア計画の失敗作の一つ。コードネーム「ピノキオ」。

母体から産ませたものかは不明だが、成人男性のような体格と外見をしている。他の失敗作に比べると狂暴性が低く、外見的に派手な能力を備えていたため、財団の視察を誤魔化すのに有用であり、処分されずに飼育されていた。

脳手術を含めた性格穏健化のプログラムを繰り返し受けており凶暴性はかなり低いとされていたが実際の所は不明で、研究員の観察記録によると「まるでこちらの会話を聞いて理解しているかのような目」をしていた事もあったという。

その能力は超スピードで細胞分裂を繰り返す事で自身の体組織構造を作り替え、他の生物に擬態すること。服装や装備品もかなりの精度で偽装する事ができ、ゲーム中ではマシンガン等を装備しているジャックに擬態しているシーンもある。

この擬態能力の代償として常に猛烈な飢餓感に襲われているため、脱走後は容赦なく捕食しようとしてくる。


  • ギガマウス → ギガフェイス・ギガハンド

物質侵食型胞子が、壁などの無機物に一定以上の侵食をした姿。無機物であるはずの壁や床が有機的に変化し口を形成し、近くにいた生物を捕食する。

向こう側に空間がある薄い壁にもギガマウスは出現する事があり、そこに人間が一人丸ごと捕食されてしまう事もあるが、捕食したものがどこに行くのかは全く不明。何らかの理由で捕食を中断して他に移動した場合、捕食されている途中だったものは壁に融合した形で取り残され、壁から腕や足などが生えたような状態になる。

より捕食が進むと口だけでなく目や鼻と言った顔のパーツを形成する他、腕のようなものを形成して三次元的に干渉可能になる。

ギガマウス・ギガフェイス形態どちらも、マシンガンでは歯が立たないがバスターキャノンなら撃退する事が可能(ギガマウスは話の都合上撃退の機会が無いが)。


  • 狼男

胞子の化け物の一種。

かなり素早く人間を食い殺すだけの力があるが、マシンガンでも当たれば十分に殺傷可能な分、他の化け物に比べたら脅威度は低い。


  • ガーゴイル

胞子の化け物の一種。

厳密には伝承にあるようなガーゴイルの姿そのままではなく、若干人型寄りのコウモリと言った方が正しい。

空中を飛び回る上に暗所でも支障なく活動するため狼男より脅威度が高い。戦闘にもなるが、バスターキャノンの弾ならば当たれば一撃で倒せる。

マシンガンの弾でも倒せるかは不明だったが、「メサイア・フロム・ダークネス」で雑魚として出てきた際はマシンガンでも倒せる。

なお、同じく「メサイア・フロム・ダークネス」では光るものを見つけると口に運ぶ習性があるとされており、ガーゴイルの糞の中から金属製のアイテムを拾わされるシーンがある。



用語編集

  • 胞子

このゲームのキーとなる存在。

細菌サイズの微小生物であり、他の生物に感染・寄生して活動するが、何十年も光も酸素も全くない密閉容器に閉じ込められていても死滅しない。

胞子は様々な種類があり、何に感染したかによって症状が異なる。数百もの型が確認されているらしいが、作中に登場するのは以下。


突然死型 … 最も多い型。単純に発症すると死亡する。この胞子に対してのみワクチンが開発されており、効果時間が限られてはいるものの、ワクチンを投与し続ける限り発症しても無効化できる。

狼男型、ガーゴイル型 … それぞれ伝承にあるような化け物の姿に変異させてしまう。

物質侵食型 … 生命ではなく無機物に侵食を行う型。侵食された物質は生物であるかのように蠢き、侵食が進むと口や顔などを形成したり、手を作り出したりする。逆エントロピー現象の原因でもある。

脳寄生型 … 極めて数が少ない型。対象の脳に寄生し、大脳皮質を喰らいつくして対象の人格を乗っ取り、記憶や知性などを受け継いで以降対象の生物と同じように振る舞って活動する。胞子間の力関係で最上位に位置するらしく、周囲の胞子は全て脳寄生型胞子(に寄生されたもの)に支配される。寄生が最終段階に達すると変異を起こし、伝承上の悪魔のような姿に変わる。


シャマラン博士の考察を交えた解説によると、人間はかつてこの胞子への免疫を標準で持っていたが、進化の過程でそれを失ってしまっており、聖書に「原罪」という表現で記されているのだという。

大昔の伝承などに登場する吸血鬼ハンターやドラゴンスレイヤー等の英雄は実在の怪物を倒した実在の英雄であり、いずれも胞子によって変異した怪物を、まだ免疫を持っていた数少ない人間が打ち倒したものである。そしてその胞子は免疫を持つ人間がまだ残っていた時代に何とか根絶作業が完了し、イタリアの地下墓地に隠されていたのだが、大戦の折にロナルド・ホッジス陸軍中将が発見し私物化して勝手に持ち帰った挙句に開封してしまったため、世に再び胞子が解き放たれてしまった。

これを再根絶するには免疫を持つ人間が必要だが、現代には免疫を持つ人間は一人も残っていない。そのため、この施設では免疫を持つ人間を新たに作り出す研究をしていたのだ、と。


なお続編「Missing Link」以降で明かされる設定によると、日光にとても弱く、十分に日光浴をするだけで衣服表面に付着した胞子はほぼ根絶できるらしい。

伝承で語られてきた「実は胞子寄生体だった化け物」が夜や洞窟内などの暗所にしか出ないのもこれが理由。


  • 逆エントロピー現象

エントロピー現象とは、熱水と冷水を混ぜると中間の温度のぬるま湯になって勝手に熱水と冷水に分かれる事が無いように、世の中の物事は整然とした状態から乱雑な状態に勝手に移り変わっていき、逆方向の変化は勝手には起こらないというもの。

これと同様の原理により、機械装置などが経年劣化を起こす場合は細かく複雑な装置から劣化していくのが当然だが、事故の少し前から施設内ではパソコン等の精密機械よりも先にパイプ椅子やボールペン等の簡単な構造の物から先に劣化していくという逆の現象が発生していた。

これの調査のために専門の調査チームまで設けられていたが、解明に至る前に事故が発生してしまった。

この現象の正体は上記の胞子のうち、物質侵食型の仕業。簡単な構造のものの方が侵食しやすかったというだけであり、初期の侵食は経年劣化と区別がつかなかった。


  • マンドラゴラ

施設内の一室で栽培されている植物。伝承通りに引っこ抜くと地下茎部分が急激に収縮し、致死性の音波を周囲に撒き散らす。地上部分はフェロモンのような物質で「引っこ抜きたい」という強い衝動を誘う作用がある。

極めて発見されづらい対人兵器として秘密裏にいくつもの国から打診があったそうだが、栽培方法に難があり研究が続けられている。栽培にはハングドマンエキスと呼ばれる液体が必須であり、代替物質での栽培には成功していない。ハングドマンエキスは生きた人間に多大な苦痛を与える方法でのみ抽出でき、抽出素材にする人間の調達が難航している。


  • メサイア

メサイア計画の目標である、「胞子に対する免疫を持っている人間」。

現代の人間の遺伝子を元にする事はできないため、シャマラン博士曰く「生命誕生から人間への進化までをまるっと再現するような気の長い計画になってしまった」とのこと。

多数の失敗例を出しながらも最後に1人だけ成功例が生まれており、それが本作主人公となる。主人公以外の失敗作は施設の各所で化け物となって現れる。

胞子に対する免疫以外にも色々と遺伝子に細工がされており、「急速成長」「言語の本能化」「暗所での視力強化」などがある。これにより生まれてから10時間程度で成人同様の体格になり、生まれた瞬間から誰に教えられなくても会話が可能で、完全な暗闇でない限り明所同様に周囲を視認する事ができる。

なお続編「Missing Link」ではメサイア計画を進めていた研究施設は他にもあった事が判明し、そちらで生まれたメサイアに出会う事もある。


  • 施設

「12doors」の舞台となる施設。

宗教団体であるラストホープ財団によって運営されている施設で、廃病院の建物を財団が買い取って流用したもの。地上1階から地下2階まであり、地上階は対外偽装も兼ねて職員の休憩施設として使われている。研究施設は全て地下。科学研究会社・マジカルテクノロジー社が委託されてここで研究をしている。

当初はイタリアより持ち帰られた、胞子が詰まった「棺」の管理を財団から押し付けられた施設だったのだが、財団で教祖と周囲の信者の離反が行われ、財団が「メサイア計画」に舵を切ってからはその研究施設となる。

バイオハザード後は封じ込めのために、建物ごとコンクリートで塗り固められており、地上階にはエントランスや屋上ドア、その他窓などが多数あるがいずれも脱出できない。唯一の脱出経路は最奥部にある上層部用の脱出ロケットのみ。コンクリートの壁をぶち破って外に射出される。


  • ラストホープ財団

財界や政界にも強いパイプを持つ新興宗教団体。

第二次世界大戦中、陸軍中将ロナルド・ホッジスがイタリアの地下墓地にて発見した「棺」を戦利品として私物化し本土に持ち帰り、自身を教祖として興したもの。

かなり早い段階で教祖が「棺」を開封しており、生まれた寄生体の化け物をけしかける事で対立する宗教団体の幹部や圧力をかけようとする政治家等を血祭りにあげるという手荒い方法で急速に勢力を拡大している。

ただしそういった活動、および「棺」そのものを危険視した幹部信者によりクーデターが勃発。胞子で満ちている「棺」の中に教祖を押し込み閉じ込めて蓋をしてしまうという方法で教祖を殺害、以降財団は「棺」の封じ込めのために活動するようになる。

ただし教祖は殺害されようとした時点で既に脳寄生型胞子の寄生体であり、「棺」の中に閉じ込められても他の胞子と融合して消滅していなかった。

なお、寄生体の化け物を戦力として用いていた関係から、回収しきれずに逃亡している個体も当然いる訳で、それらが野生化してしまったものを処理していくのが続編「Missing Link」の大まかな流れになる。


  • ラストバタリオン

ラストホープ財団の私設軍隊。当然非合法の存在だが財団の影響力により堂々と活動している。バタリオンは軍隊における「大隊」の意味。

「12doors」ではバイオハザード事故を受け、施設を丸ごとコンクリートで塗り固めて封鎖した上で、内部の鎮圧等のために投入されている。規模は不明だが、「Missing Link」では「12doors」の一件で「全滅した」と語られている。作中で言及されたのはガブリエル隊のA・B・C班だけだが、他にもいたのか、これで全部なのかは不明。

「メサイア・フロム・ダークネス」では「Missing Link」で語られた通り再建されたようで、敵対している宗教組織「ファティマの夜明け」の本部施設を制圧するために強襲する。

「12doors」当時は不明だが、「メサイア・フロム・ダークネス」の時点では人員確保になりふり構わなかったのか、スラム街の浮浪者から犯罪者まで構わず迎え入れて保護し、その見返りに入隊させている。


  • ES.E.G.F

施設内の研究の過程で副産物として得られた薬品。人体に投与すると異常なまでの耐久力と怪力を発揮するが、知性が失われ暴走する傾向がある。


  • ワクチン

突然死型の胞子に対するワクチン。針を内蔵する台座に半球のカプセルがついた形の容器に封入されている液体で、台座部分を体に押し当てると針が飛び出て投与される。

これを投与している限り突然死を防ぐ事はできるが、胞子の寄生そのものを防ぐものではないので、長時間胞子の影響下にいるならば繰り返し投与する事が必要。また職員全員に十分に行き渡るほどの数は無いため、事故後はワクチンの奪い合いなども起きた模様。


  • マシンガン

主人公の武器の一つ。財団私設部隊の隊員が持っていたものを拝借したもの。

拝借した時点では弾が入っていたがすぐに弾切れになり、弾が無い事の方が多い。あってもマシンガンの弾程度では歯が立たない化け物も多い。

バスターキャノンを入手した時に放棄された模様。


  • バスターキャノン

主人公の武器の一つ。施設内で試作されていたもので、エネルギーを発射する非実弾兵器。

ただし試作ゆえに欠陥もあり、入手直後の状態では短時間に連射しすぎると使用者が感電死する恐れがある。途中で発見するスコープやエネルギーカートリッジなどのパーツを取り付けて改修すると使いやすくなる。

なお、途中で無制限にエネルギーを補充できるポイントがあるが、ここで調子に乗って大量に補充すると莫大な残弾数に比例してその後のシューティングゲームの敵が増えるので注意。

脱出後も主人公が持っており、各地の胞子の化け物退治に使われているが、途中で拾った雑誌の漫画のようなものに影響を受け、エネルギーを刃状にするブレード形態とキャノン形態を使い分けられる「エクスカリバー」なる武器に改造されている。


関連タグ編集

ゲーム フリーゲーム ブラウザゲーム ホラーゲーム 脱出ゲーム メサイア

BIOSHOCKバイオハザードヴィレッジ:主人公についての真実とその明かされ方に関して本作の正史となっているVERY GOODエンディングと通じるところのあるホラーゲーム。


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