概要
第一次世界大戦のヨーロッパを舞台に、立場の違う3人の男と1人の女、そして彼らを紡ぐ1匹の犬が活躍するゲームである。このゲームは毒ガスや銃撃などが飛び交う戦場、捕虜の収容所などで進行を阻む障害物を取り除き、困っている人たちを助けながら進む。キャラクターは銃撃や毒ガスなどが1発でも当たれば即死するので、最後まで油断は禁物。
UBISOFTからの依頼で本作を作るにあたり、開戦100周年を記念して建立されたフランスの組織との協力で製作された。製作スタッフの家族や先祖が大戦に関わっていたこともあり、事実に合っているかを徹底的に調査するなど、本格的な仕上がりとなっている。
ストーリー
1914年。オーストリア=ハンガリー帝国のフランツ・フェルディナント皇太子が暗殺されたサラエボ事件を引き金に第一次世界大戦が開戦。フランス国内に移住するドイツ人は国外退去を命じられた。
エミール
サン=ミエルで農場を営むエミール・その娘マリア・娘婿であるドイツ人カールは平和に暮らしていたが、国外退去によってカールはドイツに退去され、数日後にはエミールは兵士として農場を離れてしまう。娘とまた幼い孫のヴィクトルを残して。
フレディ
第一次世界大戦の開戦を切っ掛けにアメリカからフランスにやってきたフレディ。彼は2年前、フランスで新婚旅行中にドイツ軍の爆撃によって妻のマーガレットを失った。自分から幸せを奪ったドイツ軍に復讐するためにフランス外人部隊に入隊したのである。
アンナ
戦争勃発時に獣医を勉強していたアンナは、父から"戦争終結までベルギーに戻るな"という手紙をもらった。この手紙が届く頃にはすでにドイツ軍がパリまで迫ってきていたのである。彼女は居ても立ってもいられず、故障したタクシーを直し、兵士たちと共にマルヌまで直行した。
メインキャラクター
※公式のキャラ紹介を載せています。
エミール・シャイヨン
1872年3月12日、ロレーヌ地域のソルジー=シュル=マールトの鉱山労働者の家に生まれた。
1894年、ロッテルダムにて敬虔なカトリック信者のオランダ人、洗濯屋のポーリーンと恋に落ちた。二人は1895年に結婚し、フランスのサン=ミエルの静かな酪農に家を構えた。3年後、ポーリーンは双子を出産する際に命を落とし、双子のほうも娘のマリーだけが生き延びた。
自らの生活をひたむきに仕事と信仰と娘の成長に捧げていたエミールだったが、宣戦が布告された直後の1914年8月13日に軍隊に召集される。そして西部戦線に派遣され、最初の戦いで敵に拘束されて捕虜となる。
フレディ
1882年2月27日、ルイジアナ州のラ・プレイスのクレオール家に生まれた。
1912年、蒸気船王の白人の娘マーガレットと密かに交際を始める。1年後マーガレットに結婚を申し込み、1914年の春に二人は結婚ができるフランスのラロシェルへ貨物船で向かった。その後二人はパリを訪れ、続いてフランスの田舎を旅行していたところで戦争が勃発した。
戦争によって大きな影響を受けたフレディは、自分から幸せな時間を奪ったドイツ軍に復讐するため、フランス外人部隊に入隊する。
カール
1896年5月6日、ストラスブールに近いドイツの小さな村のルター派の牧師の家に生まれた。
カールの家は非常に保守的で厳しかった。カールは通常の若者と同様に教育を受けたが、大学に行く金も意欲もなかったため、16歳で家を離れ、ベルギーとフランスの工場や農場で働くようになった。
1年後、カールはフランスのサン=ミエルにあるエミールの農場で働き、エミールの娘マリーと恋に落ちる。マリーとの間に子供が生まれるが、すぐに戦争が勃発し、カールはフランスを強制退去させられてしまう。
アンナ
1891年12月26日、ベルギーのイーペルにて貴族の家に生まれた。
父親のポールは工学技術の先駆者として尊敬を集める人物であり、アンナは父によって1914年の春に学問のためにパリへ送られる。その年の夏に戦争が始まると、アンナは戦いを支援するために学校をやめて軍需品工場で働き始めた。しかしイーペルが占領され、父がドイツ軍に強制的に協力させられているという知らせが届くと、パリを離れることを決意する。
1914年9月6日、戦争による不幸な人々を助けるために、恵まれた自らの境遇を捨てアンナはパリを発った。それは第一次世界大戦を象徴する戦い「マルヌ会戦」が行われている最中のことであった。
ウォルト
ドイツ軍でドーベルマンの衛生犬として、訓練を受けて育てられた。
第一次世界大戦では、手紙の運び手、警戒犬として約3万匹の忠実で有能な犬が働いた。ウォルトも同じく働いたうちの一匹である。
戦争が始まってすぐにドイツ人の飼い主とはぐれたウォルトは「Valiant Hearts」の登場人物たちを紡ぐ重要な役割を担うこととなる。