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概要

『ZIPANG』(ジパング)は1990年公開の日本映画。監督は林海象。また、後に小説『悼む人』で直木賞を受賞する作家の天童荒太が本名の栗田教行名義で林海象と共に脚本を担当している。

伝説の黄金の国・ジパングをめぐる奇想天外な冒険を描いた映画。

内容

時は江戸時代初期。お尋ね者の盗賊・地獄極楽丸の首には賞金が掛けられており、多くの賞金稼ぎが狙っていた。

百名以上の賞金稼ぎが、地獄極楽丸を狙うが、彼は所持していた七本の剣を次々振るって返り討ちに。

しかし、その賞金稼ぎの中の一人、鉄砲お百合は、地獄極楽丸を狙い、彼を追っていた。

極楽丸は四人の仲間たちと、ある古墳に忍び込み、隠されていたお宝……石室の地面に突き刺してあった『黄金の七支刀』を引き抜いて盗み出す。それは伝説の黄金の国・ジパングの扉を開くための『鍵』であると同時に、ジパング王の姉の恋人『刺青の男』を封印している物であった。

一方、徳川家康の命を受けた、服部半蔵率いる忍者軍団も黄金の七支刀を狙い、極楽丸一味を追う。

さらに極楽丸が七支刀を抜いたことで目覚めた刺青の男を恐れたジパング王は、ジパングの番人である四天王を放ち、極楽丸一行へと差し向けた。

こうして地獄極楽丸一行と刺青の男、忍者軍団、さらにはジパング王や四天王が入り乱れての、奇想天外な物語が繰り広げられる。

登場人物

主人公一行

お尋ね者の盗賊一行のリーダー。9種類の得物を使い分ける剣術の達人。豪快な性格で美人に弱い。お百合だけでなく、ジパングにてマワラメに対しても「別嬪だな」と言って攻撃を途中で止めていた。

盗賊なだけあり、最初はお宝目当てで七支刀を狙っていたが、次第に刺青の男の恋路を応援するようになり、彼に協力する。

右に『極楽』、左に『地獄』と、自身の衣に記している。

極楽丸の首を狙う女賞金稼ぎ。女性であっても非常に気が強く、下心で近づいた男を投げ飛ばすほど。その名に違わず、鉄砲(短筒)を得物に用いている。

極楽丸を当初は賞金目当てで狙っていたが、刺青の男とジパングに巻き込まれるうちに、極楽丸と同行。その美貌で極楽丸に気に入られ、最後には彼に魅かれ寄り添っていた。

また、マワラメに女王の元に連れて来られた際、彼女から刺青の男に言伝を頼まれている。その時にも「女同士の約束だ」と、果たそうとしていた。

極楽丸一味の一員。極楽丸が使用する9種類の得物を管理役。刀を研ぎ、自身の背中に背負っている。

また、極楽丸が使用する時にはタイミングよく刀を手渡す役目も請け負っている。

極楽丸一味の一員。頭が切れ、地図を読んだり文書を解読する。肩には文楽人形を付けており、様々なお宝の地図や情報などを一手に受け持っている。劇中の発端となる七支刀の在処も、この文七が見つけ、極楽丸に提言していた。

極楽丸一味の一員。お調子者で、金属製の付け鼻を付けている。これは過去に火薬の調合を誤り、その際に鼻を吹き飛ばし失ったため。花火を大砲のように武器としたり、景気づけに打ち上げたりする。

極楽丸一味の一員。小人病で言葉もしゃべれないが、一味の中では怪力で頼りになる男。人間が背負う事で、ハングライダーのように飛行できる凧を作る事ができる。また、一行の連れている小象『カステラ』の世話係でもある。

鉄砲お百合の弟分。お百合を姉御と慕い、常につき従っている。また、結構ないたずら者。

ジパング人

左半身が刺青に覆われた男。現代の言葉は話せない。女王と時を越えて愛し合っているが、ジパング王によって長い間封印されていた。かつてはジパングに訪れた異邦人だったらしく、女王と出会い恋に落ちたらしい。

黄金の七支刀に刺され、ある石室内に封じられていたが、極楽丸が引き抜いたために復活した。

ジパングの古代語を話していたが、いつしか現代の言葉を口にして、極楽丸と意思疎通するように。その身が砂の一粒になったとしても、女王に会いに行く事を誓っている。

ジパング王の姉。弟によって愛し合っている刺青の男との間を引き裂かれ、石の中に閉じ込もっている。女性同士である事から、マワラメが世話もしている様子。

連れて来られたお百合と会い、刺青の男へ自分の想いを伝えるように頼んでいた。

ジパングを治める王。姉である女王の『恋』という感情が理解できなかったため、刺青の男を七支刀で封印した。当初はジパングに存在する砂金を手に、捕らえたお百合に『恋とは何か」と訊ねたりもした。

戦闘時には、遮光式土偶の形状をした全身鎧を装着。七支刀をその手に握り、極楽丸と戦った。

ジパング王に仕える四天王の一人。獅子のような声をしている。

ジパング王に仕える四天王の一人。

ジパング王に仕える四天王の一人。大男。

ジパング王に仕える四天王の一人。紅一点の女戦士。

※四天王は当初、その全身を覆う鎧を着こんで登場したが、すぐにはがされて素顔が露わになった。武器は古代日本における直剣。また、素手での戦いにも長けている。なお、劇中ではジパング王と女王、四天王の他には、雑兵など他のジパング人は登場しない。これは監督が「四人しかいない方が、滅びゆくジパングの儚さが出るから」という意図から、敢えてそうしたらしい。

徳川勢

家康の忠実な忍びで、黄金の七支刀を持ち帰るために奮闘する。配下に、多数の忍者たちを従えている。その身体には隠し武器を多く持ち、通常は鉤爪を武器に立ちまわっていた。武器をすべて失っても、素手で戦い、肋骨の中にさえも小刀を仕込んでいる。

ジパングから脱出した後、左腕を機械仕掛けの義手として、備えた爪を武器として用いた。

江戸幕府を開いた天下人。登場時には、鯛の天ぷらを口にしていた。

家康の側近。

登場ガジェットなど

本作の重要アイテム。黄金の刃を持ち、封じられた石室に刺さっていた。これをお宝とみなし、極楽丸が引き抜いて自身のものに。

刺青の男を封じるアイテムにして、ジパングへ向かう鍵の役割も果たす

武器としての威力も凄まじく、石室に閉じ込められた極楽丸がやけくそで石壁に振るうと、壁そのものが吹き飛んでしまった。

ジパング王の愛刀でもあるようで、後になり極楽丸を迎撃する際には自身が用いていた。極楽丸の一番刀と切り結び、折ってしまっている。

その力はジパングの土地と密接に関連しているようで、半蔵がジパング国から奪取し、家康の元へ献上した時にはさび付き、ぼろぼろになってしまった。

  • 極楽丸の刀

極楽丸は9種の愛刀を所持しており、冒頭の「賞金狙いたち百人斬り」でそれぞれ披露している。

一番刀:切れ味抜群の大刀。極楽丸自身も一番のお気に入りらしく、「よく切れる、惚れぼれするぜ」と自慢していた。冒頭百人斬りのトリを飾った刀でもあるが、七支刀と切り結んだ際に折られてしまった。

二番刀:大槍。普段は柄の部分を縮めているが、使用時には2mに伸ばす。劇中未登場。

三番刀:フェンシング刀。冒頭に登場した南蛮人のレイピア使い相手に用いた。その刀身もレイピアのように細身でしなるため、レイピアと同じ攻撃ができる。

四番刀:ロケット刀。柄の方が実は鞘で、抜いたら短い刀身が出る。そのまま鞘部分を手にして短槍のように振るう事も可能だが、柄の部分の仕掛けで、刃部分をロケットのように発射。離れた目標へと飛ばし突き刺す攻撃ができる。二丁拳銃使いの賞金稼ぎ相手に披露した。

五番刀:薙刀刀。一見通常の日本刀だが、抜いた刀の柄部分に鞘を接続し、長柄の薙刀のような形状にする事が可能。

六番刀:二振り一対の小柄。ひとつの鞘の両端に収められた短めの二本の剣で、両手に持ち使用する。

七番刀:普通刀。冒頭の百人斬りで最初に用いた刀。刀自体は普通のものだが、その柄部分には隠し刀として八番刀の小柄が収まっている(劇中ではこの八番刀は未登場)。

九番刀:大型ブーメラン刀。半月型の幅広な刃を持ち、ジパングに赴いた時に研造が手渡した。投げつける事でブーメランのように宙を舞い、相手に襲い掛かる。ジパング四天王に用いたが、効果は無かった様子。

  • ジパングの鎧

ジパング王の着用していた鎧。その外観は遮光式土偶のそれで、全身をすっぽりと包み込む、甲冑またはパワードスーツのような形状をしている。

七支刀をその手に握り、極楽丸と切り結んだ。なお、後に城内ではジパング王はこの鎧を着用していない。

  • 四天王の鎧

ジパング四天王の着用していた鎧。胴体部と頭部を完全に覆う兜で構成されている。しかし極楽丸らとの戦いで脱げてしまった。

  • 服部半蔵の武装

劇中で服部半蔵は、様々な武器や装備を用いている。

:鉤爪:半蔵が主に用いていた武器。

:カメラ:情報を記録した、小型手裏剣を装着した小型円盤。そのままカメラ自体を飛ばし、家康と林羅山の待つ天守閣へと届けていた。

:ショットガン:半蔵が四天王と相対した時、用いた銃器。通常の弾丸のみならず、大型のロケット弾(「凶」と書かれている)も発射する。しかし致命傷を負わせることはできなかった。

:髪の縄:武器を失った半蔵が取り出した隠し武器。自身の髪を編み込んでロープとしており、丸腰になった後に頭巾を取られた時に取り出し、四天王の首に巻き付け倒そうとした。

:肋骨の小刀:捕らわれていた半蔵が取り出した隠し武器。自身の肋骨内に仕込んだ超小型の刃であり、自身の腹を破り、体内の肋骨を折り取る事で取り出した。これを用い、牢から脱出している。

:機械式の義手:半蔵の左腕に装着した、からくり仕掛けの義手。脱出の際に左腕のダメージがひどかったためか、半蔵はこの義手にしている。三本指で、指先には鉤爪のような刃が付いている。また、手首自体を発射し、接続された鋼線を手繰る事で一気に高所へと昇る事も可能。

:大型十字手裏剣:背負う程の大きさの手裏剣。劇中ではほとんど出てこない。

別媒体

  • ノベライズ

ジパング(角川文庫、栗田教行・林海象 共著)

上巻:1989年12月01日、ISBN 9784041766019

下巻:1989年12月01日、ISBN 9784041766026

  • コミカライズ

:永井豪とダイナミックプロ - 「ベアーズクラブ」1990年新春2月特大号に掲載、「フルメタルレディ(2001年3月1日発行、ISBN 9784575937305)」に収録。

  • ゲーム

地獄極楽丸(1990年、パック・イン・ビデオ) - ファミコン用ゲームソフト。制作はHAL研究所、ヒューマン。地獄極楽丸を祖先に持つ少年「ボビー矢野」が主人公の、近未来を舞台にしたアクションゲーム。

ZIPANG(1990年、パック・イン・ビデオ) - PCエンジン用ゲームソフト。テクモから発売のソロモンの鍵をベースにした内容のアクションパズルゲーム。制作はアークシステムワークス。

7BLADES(2000年、コナミ) - PlayStation 2用ゲームソフト。林海象原案。ストーリーは映画『ZIPANG』の続編に相当する。地獄極楽丸と鉄砲お百合が主人公として登場する。

別名・表記ゆれ

ジパング ZIPANG

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