herm は、hermaphrodite の略で、この単語は、英語では、ハーマフロダイトというような発音である。従って、「ハーム」と読むのが妥当である。
サブカルチャーでは、herm は、ふたなり(futanari)の意味で使われるのが通常である。
ハーマフロダイトの意味は、両性具有、雌雄同体で、生物学などで、雌雄同体の生物を指す場合に、ハーマフロダイトが使われる。また、アンドロギュノスと似たような用法で、人間の両性具有を指すのに使われる。
語源
ギリシア語において、ヘルメース神(Hermes)とアプロディーテー女神(Aphrodite)の合成として、「ヘルマプロディーテー」が造られる。両神のあいだには、息子が生まれており、ヘルマプロディートスという名であるが、これは、ヘルマプロディーテーの男性形である。
furry(獣人、ケモノ)との親和性
Pixiv に投稿されているイラストを見ると、herm のタグがついているイラストはほとんどが、furry(獣人、ケモノ)のイラストで、普通の人間の姿のものは少ない。この傾向は、英語の画像集積サイトなどで、herm のタグが使われている場合にも見られる。herm のタグと同時に、hermaphrodite や futanari のタグが付いている場合も珍しくない。
furry(ファーリー)というのは、獣人と通常日本語で呼ばれるが、頭部や身体全体が、毛で覆われ、虎、狐などの動物(獣)の姿をしたキャラクター像である。毛に覆われた動物の特徴を持つ一方で、直立して人間のような姿でもある。人間がぴったりした動物の着ぐるみを着て、頭部は特殊メーキャップで熊や狸などの姿にした像である。
日本のまんがのイラストなどでは、こういうキャラクター像は通常見ないが、欧米のイラストでは、結構人気があるようで、目にすることが多い。このファーリー(獣人)がふたなりである場合、herm のタグが付いている場合が多いのである。
あくまで想定であるが、hermaphrodite, futanari, androgynos などは人間を指示している傾向があるため、獣人(furry)には、herm が使われているのかも知れない。
柱を意味するハーム
herm は英語の発音は「ハーム」であるが、ギリシア語起源のヘルムを意味する。ヘルムとは、ギリシア語では、ヘルマ herma、ヘルマイ hermai(複数)で、石、テラコッタ、青銅などで造られた、正方形または長方形の柱を意味する。
島を意味するハーム
Herm というのは、固有名詞で、イギリスのチャンネル諸島にある小島、ハーム島のことを指す。
補足
Hermes(ヘルメース)はギリシア語での発音で、英語では「ハーミーズ」のような発音となる。またフランス語では「エルメス」という発音になり、これはバッグ、時計、ジュエリー製造・販売などで有名なブランド名である。