概要
ゆり江とはわたしの幸せな結婚の登場人物である。小説版1巻にて初登場。
プロフィール
人物
清霞が幼い頃から、彼の身の回りの世話をしている使用人の老女。
原作者のX(旧Twitter)によると「ごく普通の女中さんで、代々仕えてるというわけでもない」とのこと。
物腰が柔らかく温厚な性格の老婦人で、昔の名残からか清霞を「坊ちゃん」と呼ぶ。
清霞曰く「実質育てたのはゆり江」というほど、彼女とは付き合いが長い。
清霞の性格をよく理解しており、久堂家を訪れた美世には「本当は優しい方」と伝える。
嫁いできたばかりの美世の境遇を薄々察していたようで、清霞に「(美世の過去を問いただすのは)おそらく難しい」と答えている。
清霞と美世の距離が縮まっていくのを側で見守っており、時に二人に助言をすることもある。
一方で見守るだけではなく、美世のやせ我慢に対して威圧を掛けて苦言を呈するなど、締めるところはきっちり締めることのできる人物。
漫画版5巻の書き下ろし小説にて、ゆり江の過去や、久堂家で働くことになった経緯が明かされている。
小説版1巻
美世が街中で再会した香耶が「どうせ美世が清霞と釣り合う訳が無い」と美世をなじっていたところ、見計らったように二人の前に登場して「(ゆり江を指して)貴女はおねえさまの同僚の方かしら」と問う香耶に対して、ゆり江はそっと美世の背中に手を当て落ち着かせると
「わたくしのような者が美世さまの同僚などと、とんでもないことでございます。美世さまは(清霞を指して)わたくしの主の奥方になられる大切なお方ですもの」
とやんわり否定し、美世を庇う。ゆり江の発言に驚く香耶に対し
「はい。美世さまは、わたくしがお仕えする久堂清霞さまの未来の奥さまでございますから」
と答えた。
その声はいつもより凛として揺るぎなく、誇り高さすら感じられ、香耶をわずかに怯ませたほどだった。
後日、自分の不注意が原因で、斎森家と辰石家の手の者に美世を拐かされたことで狼狽するが、(実際は美世が実からの魔の手から守る術式が込められたお守りを忘れてしまった。)騒動が収束した後、傷を負いながらも生還した美世が目覚めた時には涙を流して喜んだ。
余談
アニメ版でゆり江役に起用された桑島は、自分が主催する朗読劇で度々老婆を演じているものの、アニメのレギュラーでの高齢女性役は今回が初めてのようで、本作で新しいチャレンジをしてみたいという想いで今回の役を引き受けたという。
主役の二人を立てる立ち回りと感情豊かな振る舞いから、元々人気の高いキャラクターであったが、アニメでは氏の表現力でそれらがより引き立ったことでハートを撃ち抜かれた視聴者が続出しており、「かわいいおばあちゃん」のポジションを確固たるものとしている。
数々のアニメ・ゲームや吹き替えでヒロインを始め、時として少年役など、作品によっては全く違う方向性のキャラクターを演じ分け、多くのファンを魅了してきた桑島の挑戦を見届けたい。