3人目のサンタクロース
1人目は、日本など世界で良く知られているフィンランド出身の赤いサンタクロース。名前の由来はモデルとなった聖ニコラウスのオランダ語読み。
2人目は、ロシアで一般的なジェド・マロース(Дед Мороз=ロシア語でマロース爺さん)。
モスクワから北西へ700kmの地点にある、ヴェリーキー・ウースチェクという街に住んでいる。
隣に連れて歩いているのはトナカイではなく、スネグーラチカ(Снегурочка=雪娘)と呼ばれる雪で作られた孫娘である。『雪娘』はロシアで最も人気のあるオペラの演目にもなっている。
3人目が、シベリア・ヤクーツク出身の“青い“サンタクロース『チスハーン』。残念ながらプレゼントはくれません。
名前の意味
彼の名前チスハーン(Чисхаан)はロシア語で『冬将軍』を意味している。
言い伝え
容姿
地元サハ共和国の青い伝統衣装を身に纏い、頭に雄牛の立派な角を生やしているなど、なかなか厳つい見た目をしている。
ジェド・マロースも青い衣装だが、これはロシア帝国時代にサンタクロースとの差別化を図るために統一されたものだという。
『冬の雄牛』
サハ共和国には『冬の雄牛』と呼ばれる言い伝えがあり、冬に生まれて寒くなるほど角が伸び、春が近づくと角が抜け落ちる雄牛は『冬の神』のような存在だとされていた。それを人間の姿で表現したのがチスハーンとされている。
民話によると、チスハーンは秋になると北極海から現れて、彼の息が冷たい風になると云われている。彼の角が長ければ長いほど冬の寒さは厳しくなるという。