伝承~中つ国の成立~
遠い昔、豊葦原は輝血(かがち)の大蛇(八岐大蛇)に苦しめられていました。荒ぶる神を鎮めるため、人々は生贄を差し出していましたが、生贄の少女のひとりが大蛇に立ち向かい、仲間を増やして戦いを挑みます。苦しい戦いの末、少女の祈りに応え、龍神が現れて大蛇は姿を消しました。龍を呼んだ少女は天に帰り、豊葦原は平穏になり、中つ国が生まれたと言われています。そのため、中つ国の王が願えば龍が加護を与えると中つ国では信じられています。
しかし実際には、神子が『贄』になることで龍神が現れ、大蛇が去っていたのです。神子を贄とした人々は争いを起こして周辺を平定し、中つ国が建国されました。その後さらに周辺の族(うから)を従え、豊葦原は最大の勢力になっていったのです。
また、神子を贄としたことが許せなかった月読の一族は、中つ国に戦いを挑みましたが、敗れ、中つ国を追われてしまいます。→常世の国
前女王の代(主人公の母親)になると、日向の一族、狗奴の一族などの異民族も、討伐されてしまいます。
気候・文化・服装
四季があり雨も多く、春から秋は温暖な気候です。温暖なため麻や絹、皮を用いた比較的薄手で軽い服が好まれます。
主食は稲作による米。
文字は大陸から伝わった漢字を使用していますが、読み書きのできる人はあまり多くありません。竹簡や木簡に文字を記しています。
中つ国の組織と軍
王
龍神の加護を受けているといわれ、昔は男性の王が立っていましたが、前代は主人公の母が女王となっていました。
都
橿原(現代の奈良県)にあり、7万戸に及ぶ大都市です。王宮は『橿原宮(かしはらのみや)』と呼ばれ、沢山の人々が暮らしています。また数多くの文官・武官がおり、女王の統治を支えています。
審神者(さにわ)
神々が降臨したときに、その神を判定する能力を持っています。中つ国では政治的な地位でもあり、審神者の君と呼ばれる狭井君は宰相クラスの地位にあります。(審神者としての力だけであれば、柊も持っています。)
軍事
四道将軍と呼ばれる四人の将軍が司っています。軍の規模は常世の国より小さく、二千人弱程度。各四道将軍が指揮するのは四~五百人です。中つ国滅亡時の四道将軍は、岩長姫、狗古智、忍人の上官だった人物などがいました。
国造(くにのみやつこ)
中つ国に支配されていた族(うから)のこと。その地方の統治をある程度任されていました。
関連タグ
二ノ姫 日向の一族 月読の一族(土蜘蛛) 星の一族 狗奴の一族 白麒麟 四神
何故常世の国が中つ国を滅ぼしたのか(ネタバレ)
ナーサティヤのルートで、中つ国の前女王(主人公の母親)が、常世の国に対して行った非道ぶりが判明します(常世の国は約束を守ったにもかかわらず)。主人公の故郷で守りたい国だからといって善な国(清廉潔白な国)ではなかったのです。(ゲームをしていると中つ国が本当に守るべき人々なのか疑問に思う民度(主に中つ国に仕える者達が)なので、清廉潔白だと思うプレイヤーはいないと思うが)。常世の国が前女王を殺し中つ国を滅亡させたのは、禍日神のせいだけではなく、前女王の行いにも問題があったのです。
また前女王は、金髪碧眼という初代龍神の神子と同じ姿を持つ者は神に特別に愛された者だが同時に異形だと、迫害されやすい見た目の主人公を嫌い、自分の子とは思えないなど、今でいう毒親でした。
また、風早の真EDで、前女王やその他の王族がついている嘘が判明(主人公だけが『龍神様の声が聞こえない』と真実を話していた)。そもそも龍神の力を使えない(聞こえない)前女王は常世の国との約束を守れるはずがなかったのです。
中つ国の女王や国民が忌み嫌った金髪碧眼で、また巫力が無いと蔑んでいた二ノ姫にのみ、のちに龍神の声を聞く力(白龍の神子に選ばれる資質)が現れ、滅んだ国を再興させるのですから皮肉なものです。