概要
1967年4月9日放送。
監督 円谷一
脚本 金城哲夫
特技監督 高野宏一
・テーマ 地球の平和は、我々人類の手で守る!
・舞台 科学特捜隊本部
・ウルトラ怪獣初。ウルトラマンを倒した最強怪獣として名高い 宇宙恐竜ゼットン。
最終回予告
宇宙恐竜ゼットン登場。いつもウルトラマンをご覧くださいまして、ありがとうございます。
さて来週は、ウルトラマンもいよいよ最終回を迎えることになりました。
最後にお送りするウルトラマンの集大成「さらばウルトラマン」にご期待ください。<某本より引用>
STORY
ウルトラマン最後の物語は突如、謎の円盤群が地球へ接近することから始まる。
「果てしなき大宇宙の彼方から、空飛ぶ円盤の群れが地球を目指して飛んできた。
各国の人工衛星はいち早くその異変をキャッチして、地球上にSOSの電波を発信した。
科学特捜隊パリ総合本部でも、ニューヨーク支部でも、ロンドン、モスクワ両支部でも、わが国科学特捜隊本部でも、その恐るべきニュースをキャッチしていた。
そして地球全体が恐怖のどん底にたたきこまれたのである。」(ナレーター)
科学特捜隊本部作戦室
円盤群が地球到着まで後、グリニッジ0時24分(日本時間40分)。
岩本博士の推測で、謎の円盤群は1930年代から40年間地球侵略を企んでいたことをムラマツに話す。
次第に地球へ接近する円盤群は、各国の人口衛星を次々と破壊し、遂に大気圏へと突入。
日本へ向かう円盤群に、航空自衛隊の精鋭達が迎え撃つが、返り討ちにあい壊滅してしまった。
パリ本部からの報告で、円盤群の目的は最大の障害となる科特隊とウルトラマンを撃滅した後、世界各国を総攻撃すると判明。
科特隊は世界を・・いや、地球の平和のため出動した。岩本博士は昨日完成した新兵器を隊員達に渡すため、それを取りに一旦作戦室を出るが、不気味な腕が博士を襲った。
ジェットビートル2機の活躍により、円盤群は全滅。だが、一機の大型円盤は取り逃がしてしまう。
その円盤には、恐るべき切り札が隠されていた・・・。
科特隊本部。
作戦室に戻ってきた岩本博士は、通信係のフジを襲って気絶させた後、手に持った光線銃で通信機と動力室を破壊。
その後。本部に帰還したアラシとイデは、煙に包まれる作戦室に倒れていたフジから犯人は岩本博士であることを聞かされる。
逃亡する岩本博士を発見したムラマツ達が後を追う。アラシが取り押さて殴りつけると、奇怪な宇宙人の姿に変わる。
にせ岩本博士の正体はゼットン星人であった。ハヤタがマルス133で星人を撃つ。
「ゼットン・・・・ゼットン・・・・・。」と断末魔をあげ、ゼットン星人は消滅した。
その直後、地底に隠れていた大型円盤が着陸。円盤内部の青い球体が風船のように膨らみ爆発すると、黒い怪獣が出現した。
ゼットン星人の切り札、宇宙恐竜ゼットンである。
『ゼットン・・・・ピポポポポ・・』
科学特捜隊本部に前進するゼットンにマルス133で銃撃するハヤタだったが、ビクともしない。
本物の岩本博士の救助を求める通信が入り、本部へ急行するハヤタとアラシ。
キャッチリングでゼットンの動きを止めるが分散。八つ裂き光輪を放つも電磁バリヤーで粉々に粉砕されてしまう。
格闘戦を挑むも、ゼットンの圧倒的な力の前にウルトラマンのカラータイマーが赤く点滅する
「ウルトラマンの体は、地球上では急激に消耗する。エネルギーがなくなると胸のカラータイマー鳴る。ウルトラマン立て!」(ナレーター)
振り払ったウルトラマンはスペシウム光線を発射。
が、ゼットンは光線を吸収。波状光線に変えて撃ち返し、胸のカラータイマーを破壊。
ウルトラマンの目の光は消え、ゆっくりと大地に倒れる。
ウルトラマンは敗れ去った・・・。
これまでの怪獣達との戦いが走馬灯として蘇る。その絶望的な光景に、呆然と立ち尽くす科学特捜隊の隊員達。
フジ アラシ イデ は、倒れているウルトラマンに向かって叫ぶ。しかし、その声は届かなかった。
ウルトラマンの死を確認したゼットンは、再び科学特捜隊本部へ進撃する。
本部の防衛とウルトラマンの仇を討つため、ゼットンに立ち向かおうとするアラシとイデに、岩本博士はある物を渡す。
それは、昨日科学センターで完成したばかりの兵器、ペンシル爆弾(通称 無重力弾)である。
本部を破壊するゼットンに、アラシはイデの肩を借りて無重力弾を発射。見事命中!
ゼットンの体は宙に舞い上がり。大爆発を起こして空中に散った。
科学特捜隊は自分達の手で宇宙恐竜ゼットンを倒し、謎の侵略者から地球の平和を守ったのである。
科学特捜隊本部の消火活動が行われるなか、空から光の国の使者が飛んできた。
M78星雲からウルトラマンを迎えに来たのである。
光の国の使者は高速回転で赤い光の玉をつくり、瀕死のウルトラマンを吸い込む。
その正体は宇宙警備隊員ゾフィーだった。
「ウルトラマン。目を開け!私は、M78星雲の宇宙警備隊員ゾフィ。さあ、私と一緒に光の国へ帰ろうウルトラマン。」(ゾフィー)
「ゾフィ。私の体は、私だけの物ではない。私が帰ったら、一人の地球人が死んでしまう。」(ウルトラマン)
「ウルトラマン。お前はもう十分地球のために尽くしたのだ。地球人が許してくれるだろう。」(ゾフィー)
「ハヤタは立派な人間だ。犠牲にはできない。私は地球に残る。」(ウルトラマン)
「地球の平和は、人間の手で掴みとることに価値があるのだ。ウルトラマン。いつまでも地球にいてはいかん。」(ゾフィー)
「ゾフィ。それならば、私の命をハヤタにあげて地球を去りたい。」(ウルトラマン)
「お前は死んでもいいのか?」(ゾフィー)
「かまわない。私はもう二万年も生きたのだ。地球人の命は非常に短い。
それに、ハヤタはまだ若い。彼を犠牲にできない。」(ウルトラマン)
「ウルトラマン。そんなに地球人が好きになったのか。よし、私は命を二つ持って来た。その一つをハヤタにやろう。」(ゾフィー)
「ありがとう。ゾフィ。」(ウルトラマン)
「じゃあ、ハヤタと君の体を分離するぞ。」(ゾフィー)
ゾフィーの与えた二つの命によって、ウルトラマンとハヤタは復活した。
赤い光の玉から分離し、地球を離れるゾフィー。
「不思議な赤い玉ね。」(フジ)
「仲間が迎えに来たんだ。」(ムラマツ)
「すると、もうウルトラマンは・・・。」(イデ)
「我々の前に、二度と姿を現すことはないんですか?」(アラシ)
「地球の平和は、我々科学特捜隊の手で守り抜いていこう。」(ムラマツ)
見つめる隊員達の元に、駆けつけるハヤタ。
「ハヤタ!どこ行ってたんだ!?ウルトラマンが地球を去るぞ!」(イデ)
「キャップ!あれですよ!あの赤い玉ですよ・・・。僕は竜ヶ森で衝突して・・。衝突して今までどうなってたのかな?」(ハヤタ)
ウルトラマンと分離したハヤタは竜ヶ森の出来事以降の記憶がなかった。
しかし、無事に仲間達のところへ戻ることができた。
「ウルトラマーーーーン!さよーならーーー!」(フジ)
「さようならーーーー。ウルトラマーーン!ウルトラマーーン!」
子供達の声が聞こえるなか、手を振って別れをつける科学特捜隊の一同。
ウルトラマンはゾフィーと共にM78星雲 光の国へ帰還するのであった。
「さようならウルトラマン。人類の平和と正義を守るため、遥かM78星雲からやって来たウルトラマン。
凶暴な怪獣達を倒し、宇宙からの侵略者と戦ってくれた我らのウルトラマンが、とうとう光の国へと帰る日が来たのです。
ウルトラマンも、この地球が平和な光に満ちた星となることを祈ってるにちがいない。
ウルトラマン ありがとう! ウルトラマン さよなら!!」(ナレーター)
ウルトラマン 完
おまけ
・ゾフィーの声を演じたのは、第20話「恐怖のルート87」からナレーターを務めた浦野光。
・当時。ラストシーンを見た子供達は星空を見上げて、ウルトラマンに別れの言葉をかけたのは有名な話の一つ。
・1967年10月1日 ウルトラシリーズ史上最高のSFドラマが放送開始。