概要
黄金バットとは昭和5年に制作された紙芝居に登場したヒーローである。
そのデザインは黒いマントを羽織った全身金色の髑髏怪人というインパクト溢れる容貌である。このシンプルながら強烈なデザインは現在でも通用するレベルに達している。
はっきり言って悪役以外の何者でもない容貌なのに正義の味方というギャップのあるキャラクターで、日本全国の子供達に大うけした。現在でも”紙芝居”というジャンルを語る上で外せないモンスタータイトルとなっている。
そして何より、彼は歴史だけなら元祖スーパーヒーローのスーパーマンやバットマンよりも古い存在であり、月光仮面やウルトラマン、仮面ライダー等の和製スーパーヒーローのご先祖様なのである。
キャラクターとしての黄金バット
黄金バットのデザインやキャラクター像は登場作品によってまちまちである。
特に昭和初期の頃は著作権意識が乏しかったこともあり、勝手に黄金バットのグッズや続編が作られたりしたので、様々な黄金バット像が乱立していた。また終戦直後はGHQの検閲により、白人ヒーローにビジュアルが変更された事もあったようだ。
黄金バットの初登場は前身となる紙芝居作品『黒バット』最終回で不死身の黒バットを倒した怪傑としての登場であった。さしずめ現在の言葉を借りるならばエピソード0というところか。
なお、紙芝居版黄金バットのエピソードは資料として取り上げられる際は、話の日本社(原作・作画担当が設立した)から出た『黄金バット 怪タンク出現』が多い。
現在の黄金バット像は戦後に作られた実写映画とアニメでほぼ定着したと言っていい。
シリーズを通しての根幹設定は「一万年の眠りから目覚めた黄金バットが、心優しい少女の声に応えて悪と戦う」というものである。宿敵はナゾーという怪人で、四つ目の覆面に機械の左手を持つ下半身UFO男という、これまたインパクトのある容姿のキャラクターであった。
だが、それ以外の詳しいことは何一つわからない。
黄金バットの正体は謎である。彼がどこから来たのか、どこで生まれたのか、そもそも人間なのかそうでないのか、誰一人知るものはいない。
こうもりだけが知っている。
能力
身も蓋もない言い方になるが、彼は「強い!絶対に強い!」正義の味方である。
空を自在に飛び回り、シルバーバトンという杖で怪ロボットをみじん切りにしたり、ビームや念力のようなパワーを出したり、鉄砲で撃たれようが傷一つ付かない強固な体、体力は何万馬力あるか分からないという桁違いな強さである。理不尽と言っていい。
宿敵ナゾーが良く喋る一方、黄金バットは殆ど台詞をしゃべる事が無いのも、その神秘性と強烈な強さを印象づけている一因であろう。何処からとも無く聞こえる不気味な高笑い**こそ、黄金バットの象徴なのだ。
そのハッキリ言って反則級な能力についてはこちら
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いわゆる『デウス・エクス・マキナ』的存在であり、彼の理不尽さと強さでお話が成立しているようなものである。
和製ヒーローの中でも最強の部類に入るのは間違いないと思われる。
それ故、後年多くの作品でもオマージュされており、有名所ではあさりよしとお氏の『ワッハマン』などがあげられる。