人類の歴史は拷問の歴史である
概要
月刊アクションに連載中の漫画乙女戦争の作者である大西港一により『WEBコミックヒストリア』で2010年に連載され好評につき後に角川メディアファクトリーより2011年にコミック化され2015年には復刻版が発売。全2巻。
ストーリー
中世ヨーロッパの闇の歴史である拷問と処刑が描かれるホラーオムニバスでストーリーや年代はそれぞれ異なるが同一の世界観である。なお、内容は史実に基づいている為キャラクターの末路は史実通りである。
第1巻
登場人物
第1.2話「ジャンヌ・ダルク処刑裁判 前編・後編」
シャルル七世の裏切りにより捕えられたジャンヌはコーションの罠に嵌められ男達の見張る牢獄へと送られる・・・。
ご存じ聖女の美少女。神の声を聞き百年戦争を終わらせフランスを救った英雄。ちょっと電波系だが可愛い。史実通り牢番の男達により輪姦され最後は火あぶりにされ死亡する。 あなたを神様の前で告発します 。
- コーション司教
わけのわからないことを言う司教。ジャンヌを救う気は最初からなかった。
- ベドフォード公
異端審問にかけようとするコーションの進言を無視しジャンヌの身代金を渋る。
第3.4話「残虐皇帝カリグラ 前編・後編」
若くして皇帝へと即位したカリグラだったが、熱病に倒れる。復活したカリグラは温厚な人物から凶暴な人物へと変わっていた。
温和な人柄だったが皇帝に即位してすぐに熱病にかかりそれからは豹変する。実は幼少から異常者だった。最後は思う所があっあのか自らカエレアに暗殺される。
- カエレア隊長
カリグラを慕う親衛隊。最後までカリグラに殉じ死刑となる。
- ゲルメス殿下
養子。
- ドルシラ
カリグラの妹。兄とは恋愛関係である。
- アグリッピナ
カリグラの妹。
- ユリア・リウィア
カリグラの妹。
第5.6話「スペイン異端審問 前後編」
異端審問と称される拷問に精を出すトルケマダと新人のミゲルら。そこに囚人として美しい人妻エルヴィラが送られてくる。
- トマス・デ・トルケマダ総長
自身の行為を「正義」と疑わない総長。キラキラお目目。海のリハクに似ている。
- ミゲル
新任の拷問官。総長の狂気に飲まれていく。
- エルヴィラ
商人の若く美しい人妻で実は妊婦。本作で拷問を受け唯一生還した女性。実在の人物であり過酷な拷問により流産した上に精神に異常をきたし廃人と化す。
第7.8話「鮮血の貴婦人 前編・後編」
美しい少女エルジケはエルジェーベト・バートリの城に侍女としてやって来る。美しいエルジェーベトに見惚れるがそこでは毎日、残虐行為が行われていた。エルジケは他の下女達、そして連れてこられた娘達をなんとか救おうと奔走するが・・・。
- マヨロヴァ・エルジケ
容姿も性格も美しい美少女。エルジェーベトの蛮行を知り犠牲となる少女らを救おうとする。レズビアンだったエルジェーベトに好かれ粗相をしても許されていたが、その狂おしい愛により両腕を切断される。両腕を失いながらも役人らに救出されるがエルジェーベトの没落を望む陰謀により恐らく火あぶりにより処刑される。因みに作者は特に意識していないがサラ・ブラウンや乙女戦争のシャールカのモデルである。 みんな生きてるんです一生懸命生きてるんです。殺さないでください 。
本作ではエルジェーベト表記。数々の残虐行為により幽閉され衰弱死する。
- アンナ
貴族の娘の侍女で冷めた性格。レズビアンでエルジケを愛する。
- イロナ
侍女の一人。ページの都合上1コマで死亡する。
- ドルガ
侍女。1コマで死亡する。
- フイッコ
ドイツの処刑人の下男。名前を出すのは忘れられていたらしい。
第9.10話「十字架のイエス 前後編」
「救世主」と崇められるイエス・キリストだったが、罠により処刑されることとなる。しかしキリストにはなぜか余裕があった。
民衆から「先生」と慕われている。本作では人間味溢れる人物として描かれている。
本作ではキリストとの関係にも変化が生じ、未来に希望を宿す。
「これは裏切りではない知略だ」。
第2巻
登場人物
第11.12話「聖なる怪物ジル・ド・レ 前編・後編」
第1話の続編。戦友ジャンヌ・ダルクの死によりジル・ド・レは暴走し無償の悪となっていく。
フランスの英雄で男色家。無償の悪として処刑された。
- フランチェスコ・プレラティ
同性愛者の自称錬金術師。
- ポワトー
ジルの小姓。
- アンリエ
ジルの小姓。
- 隊長
ジルの親衛隊隊長。ハゲでいかつい外見だが実はオカマ。キャラが濃い。
第12.14話「暗殺の天使と首切りの天使 前編・中編・後編」
マラーを暗殺したシャルロット・コルデーは死刑判決を受け、刑場に向かう道中馬車の上でサンソンの身の上話を聞く。
- シャルロット・コルデー
現代で言う「美し過ぎる殺人者」でツンデレ。少女に見えるが25歳である。マラーを殺したことに罪悪感を持っていなかったがサンソンとの会話で人の命を奪った重要性に気付きサンソンに感謝しながらギロチンにより処刑される。 あなたもごきげんよう 。
- シャルル=アンリ・サンソン
「人道的な首斬り人」と呼ばれる紳士。本作では彼の処刑人としての苦悩。死刑囚に対する配慮が描かれる。
- ル・グロ
サンソンの助手。ゲスな性格で史実通り最後はクビとなった。
「人民の味方」。シャルロットに暗殺される。
ギロチンの刃を死刑囚に配慮した形にするよう進言するが・・・。
第15話「魔女狩り将軍」
サラ・ブラウンと親友のメアリーは市場での買い出しの帰りに魔女狩り将軍を自称するマシュー・ホプキンスを目撃する。
- サラ・ブラウン
勝ち気な性格の黒髪の美少女。素直ではないが本来は優しく温和。レズビアンと思われる。一度はホプキンスの気まぐれの恩赦により釈放されそうになるが親友のメアリーと知り合いのアビゲイルらが殺害されたことに怒ったことでホプキンスの処刑対象となる。断眠の刑という眠らせない拷問による幻覚と幻聴により魔女認定されてしまい全てを失い絞首刑となるが最後まで屈せずホプキンスに一生消えない恐怖を与え彼を苦しめ、無念を晴らすことに成功する。原作者もブログで認めているが容姿が神代マヤに酷似している。 この町に魔女なんているのかな?ねえメアリー
- メアリー
サラの親友。サラと違い気弱な性格。アビゲイルに告発され水を飲まされる拷問を受けサラを告発しそのことを謝まっていた。高熱を出しながらも生き延びていたが絞首刑によりアビゲイル共々処刑される。 昔いたそうよ
- アビゲイル
薬を売ったり町の人々に慕われる本当の意味での「魔女」。鞭打ちの拷問によりメアリーを告発してしまう。
本作最大の外道。報酬目当てで無実の人々を数百人も処刑する。史実のような髭のある怪物のような姿ではなく小物臭のする男。サラと出会ってから体調を崩しやがて結核により絶命した。
- ジョン
ホプキンスの部下。性欲を晴らす為にも魔女狩りを行う大男。ホプキンスの結核に罹患したと思われる。
- メリー
ホプキンスの部下の女。額にホクロがある。なぜかメアリーと一文字違い。結核に罹患した模様。
- ブラウン夫妻
サラの両親。肥満体系でなぜサラのような美少女が生まれたのか不明。最後まで娘を信じようとするが・・・。
- 市長
ホプキンスに脅され町での魔女狩りを許可する。温厚な性格で彼もホプキンスの被害者である。
- ジョン・ゴール牧師
ジョンと同じ名前である為、名前すらも出てこないがサラを弁護しホプキンスを偽物と見破る。
備考
- コミックが絶版となったのはジャンヌ・ダルクとサラ・ブラウンのエピソード紹介によるエロ漫画のようなバナー広告により注目を集めたことによるものである。
- 売り切れが続出した理由は魔女狩り将軍の回のサラの容姿が世紀末オカルト学院の神代マヤに似ている為、マヤファンが購入したという話もある。
- 本作は成人漫画ではないが一部の残酷性的な描写は成人指定ものであり注意が必要。