逆襲のイヤミ
ぎゃくしゅうのいやみ
※当然ながら、第18話のネタバレ注意
概要
アニメ『おそ松さん』の第18話Bパートの話。
第18話の3分の2をこの話が占めている(残り3分の1は「じょし松さん」)という、レンタル彼女回程ではないにしろ、少し長めの話になっている。
タイトルからすると「イヤミメイン回」と思うかもしれないが、内容的には「イヤミが優遇されたオールキャスト出演回」という方がしっくりくる話である。
さらに「ただでさえ濃いメンバーが大集合」「その連中が主役を奪う戦いという生々しい状況」「死ネタ→復活のオンパレード」等々、通常時より過激なギャグとカオスっぷりが半端ないことになっている。
ストーリー(ネタバレ注意)
しかし、時代の流れ(&六つ子の個性が強まった)からか、「おそ松さん」ではめっきり出番が減ったため、彼はそのことを不満に思っていた。
これはそんなイヤミが主役に返り咲くための話である。
※そもそも「おそ松さん(おそ松くん)」だから、おそ松(&六つ子)が主役であるべきでは?とツッコんではいけない。
六つ子から主役の座を取り返すため、イヤミは主役争奪レース『イヤミカート』を開催する。
参加条件は特になし。「人気・性格・性癖・学歴・離婚歴これ関係無し。勝てば即座に来週から主役」という内容であるため、当然他の主役の座を狙っているキャラも大勢集まる(一部例外あり)。
六つ子やチビ太、トト子等のメインキャラクターの他に、橋本にゃーちゃんや、トド松のバイト先の女の子二人、松野夫妻、実松さんまでもが参加している。
ルール(もどき)&コース&それぞれのマシーンの紹介が終わったところで、レース開始。
肝心のイヤミはあえてスタートを遅らせ、超高速機能で最後方から全車を吹き飛ばしゴボウ抜きにする目論見だったが、なぜかマシーンは自爆する。
実は、レース開始前にダヨーン&デカパンに細工をされていたのである。
実況アナ「おやぁ爆発しました、ウケますねぇ」
しかし、マシーンが爆発してもイヤミは諦めることがなく、自力で走り出した。
一方その頃、イヤミ以外の参加メンバーは各々熾烈な争いを繰り広げていた。
現主役のおそ松はチビ太と競り合っており、チビ太の方も「残りの話数を使ってほっぺたの三本線の謎を解く」ことを賭けて挑んでいるため、優勝を譲らない。
キリがないと判断した彼は他の六つ子カラ松、チョロ松、一松、十四松、トド松を集め、チビ太に赤い甲羅の一斉攻撃を仕掛けるよう命じるが、日頃の長男の傍若無人な振る舞いに不満を持っていた5人は、おそ松目がけて赤甲羅を投げたのであった。おそ松のマシーンはスピンして大破。
「なんということでしょうか、真っ先に長男をジェノサイド。松野クソブラザース」
その後、おそ松は後続車に轢かれまくり、しまいにはイヤミが置いて行ったダイナマイトで爆死。最初の脱落者となった。
おそ松がいなくなったことで、「自動的に次男である俺が主役か」とカラ松は「カラ松 OF LOVE 回り出した恋の歯車」という謎アニメ開始宣言をするが、一松からツッコミ代わりのアタックをされて、マシーンごと崖から転落死する。
「上2人のクズ」を始末した一行は、トド松と一松がチョロ松のことを褒めるという、つかの間の平穏な時間を過ごす。
一松「大変だったよな、上2人のクソのせいで」
チョロ松「いいかなぁ?俺、もう主役やってもいいかなぁ?」
トド松「この先何があってもチョロ松兄さんを守る。絶対優勝させるよ」
(このタイミングで、飽きたのか十四松だけコースから外れる)
しかし、その後ろからトト子がものすごい勢いで追い上げてきて、悪鬼の形相でピー音連発の罵詈雑言を吐き散らしながら兄弟に襲い掛かる。
魚型の兵器で猛攻を仕掛けるトト子からチョロ松らは必死で逃げようとするが、トド松はいつものドライモンスターっぷりを発揮して後方に下がり、兄弟を人身御供にする。早すぎる前言撤回。「この先何があってもチョロ松兄さんを守る」とは何だったのか。
まず、兄弟と一緒に走っていたチビ太がつかまって爆死。追い詰められたチョロ松と一松はF6化するが、イケメンネタに飽きたというトト子には効果がなく、チョロ松も殺られる。
最後の手段として一松は全裸になって仁王立ち。さしものトト子も、鼻血を出して喜びながら崖から落ちて脱落した。
なし崩しに一松がトップに躍り出るが、このまま行けば来週から主役になってしまうと気づいた一松はプレッシャーに耐えきれずに「荷が重ーい!」と叫びながら、自ら崖から転落してリタイヤ。
5(+1)人の悪魔がいなくなったことで最後に残った六男トド松は、「えー、ボクが先頭?ただ走ってただけなのに来週から主役?どうしよう~」と、あざといスマイルを見せる。
実況アナ「クソです、今ここにクソがいます」
が、ダヨーンから発せられた皆さんご存知「ファイナルダヨーン」によって消滅した。
六つ子&トト子が全滅したことで、ダヨーン&デカパンペアがトップに立つ。もはや語尾に「ダヨーン」も「ホエ~」もつけることがなく、ドス黒い顔を全開にした彼等はガトリング砲を用いて後続車に攻撃する。
(一方、途中でコースを逸れた十四松はどこかの街中で信号機に引っかかっていた。)
単独トップとなったデカパンとダヨーンは上機嫌でOPを口ずさみながら走るが、後ろからハタ坊のマシーンを奪ったイヤミが追いかけてくる。
「ミーは気付いたザンス…ミーが主役なら…ミーのアニメになるなら…他の人間は必要ないと…
つまり…皆殺しザンス!シェ~!」
そして、ここからイヤミの快進撃が始まった。
まずはデカパンとダヨーンの目の前に、第11話で出てきたラブホテルのハリボテを出現させ、彼らのハートをキャッチ&崖から転落死させる。
さらにトト子には「F6沼」というパラダイスを、
同じく生き残っていた一松には「巨大な肉球」を、
カラ松には「元彼女(のかたちをした爆弾)」を、
餌としたトラップを仕掛け、次々片付けてゆく。
皆殺しの宣言通り、その後関係ない人たちまでジェノサイドしていき、終いには人工衛星からの「原子分解光線」によってありとあらゆるキャラクターを粉にする。
誰もいなくなった地球。そこにはイヤミ一人。
邪魔者がいなくなったイヤミは喜ぶが、奇跡的に生き残っていたおそ松と出会う。
おそ松「お前ずるいよ、こんなの使ってよ!弟たちまで殺しやがって…」
イヤミ「みんなミーがやったザンスよ」
おそ松「ナイス!だってあとはお前さえ殺れば、俺が主役をキープでしょ」
…やはりおそ松はおそ松だった。
そして、
おそ松「みんな倒すの丁度面倒だと思ってたんだ。てめぇなんかに主役やるかよ、覚悟しろや~!」
この一言で、クズ(おそ松)VSクズ(イヤミ)のリアルファイトが始まるのであった。
最初はおそ松優勢だったが、イヤミは自身の身体を改造しており、サイボーグに変形する。
その後、ロケット噴射や謎の黄色い液体を用いておそ松とほぼ互角の勝負を繰り広げる。
しかし、ここにきてイヤミが原子分解した他のメンツが復活しだす。
様々な執念から復活途中のメンツ…もといゾンビもどきは一切の攻撃が効かず、2人は逃げる。
(一方、十四松はブルペンカーで、ピッチャーをマウンドに送り届けていた)
十四松「今日の主役はあなたです!」
さて、場面はイヤミ&おそ松&ゾンビもどき達の地獄絵図に戻る。
徐々に復活して生身を取り戻したゾンビもどきも参戦する。
こうして醜い争いがヒートアップした。
…そしておそ松とイヤミ以外誰もいなくなった(死体処理係として十四松合流)。
とうとうレースもゴール手前、主役への執念で死闘を繰り広げるおそ松とイヤミ。
しかし、ゴール前数センチで力尽きてしまう。
このまま決着がつかないのかと思いきや…いきなりセグウェイに乗ったあの男が現れる。
そして、優勝者は…ヒジリサワ↓ショウノスケ↑ダー!!。
十四松「家宝にすっぺぇ~!!」
ようやく、この地獄のレースにピリオドが打たれたところで第18話Bパート終了。
第18話整理リスト
オールキャストでお送りしているため、それぞれの状況を把握しやすいようにまとめた一覧である。
マシーン一覧
レースに出てきたマシーンを記載。
マシーン名 | 乗車キャラ | 主な特徴 |
---|---|---|
おそカート | おそ松 | ベーシックな赤い四駆。ミニ四駆を意識している? |
カラ松AGOGO | カラ松 | バスタブ型のマシーン。※1 |
チョロシコスキー | チョロ松 | トト子の絵が描いてある痛車。後ろに10円玉風の飾りがついている※2 |
どテラねこ | 一松 | こたつ型のマシーン。先頭にネコの飾りがついている。 |
ザ・ブルペン | 十四松 | 野球ボール型のブルペンカー。 |
トッティワゴン | トド松 | ハート型のマシーン。両脇に女の子を乗せていた。※3 |
デビルシャーク | トト子 | 鮫の形をしたマシーン。魚型の兵器搭載。 |
ベストフレンド | ダヨーン&デカパン | 四駆車の先頭に天狗の頭の飾りがついている。 |
スーパーフラッグ | ハタ坊 | 金色の像の上に三輪車が付いたマシーン。三輪車が本体。※4 |
赤提灯てやんでい | チビ太 | おでん屋台の先頭にバイクがついているマシーン。 |
イヤミ・ジ・エンド | イヤミ | 陸上対人殺戮戦闘車両。時速1000km出すことが出来る…が? |
マシーン補足
※1…名前の元ネタは同局の番組「DRIVE A GO GO」と思われる。
※2…名前の元ネタはお察しください。10円玉の飾りはチョロQの遊び方の一つである、「10円玉を後ろに乗せてウィリーさせる」が元ネタと思われる。
※3…名前の元ネタはあいのりのラブワゴンと思われる。尚、両脇の女の子は後にトト子からのアタックで振り下ろされている。
※4…マシーンの元ネタは「硫黄島の星条旗像」と思われる。
余談
- 第18話では2クール目では2番目のゲスト声優を起用しており、「実況」の声を古川登志夫氏が担当している。
- 本作のパロディ元と思われる「チキチキマシン猛レース」にて、日本語版のマシーンの名付け親は「おそ松くん」の作者(つまりおそ松さんの原作者)、赤塚不二夫氏である。
- 作画スタッフにアクションに定評がある松本憲生氏などを始めとしたメンバーを起用&人数自体もいつもの放送より倍近く多く、ある意味スタッフの本気を感じさせる作りになっている。
- サイボーグイヤミとおそ松の戦闘シーンで、爆発に紛れほんの一瞬だけケムンパスが登場する。しかし本当に一瞬だけである為、恐らく本放送時に気付いた視聴者はほぼ居ないと思われる。
- 原子分解光線で地球上のほとんどの人間が抹殺されてしまうが、おそ松やアナウンサー、十四松など、生き残った人間もそれなりに居る様子。この話のスケールからして、「東京都赤塚区」周辺だけがターゲットだったか?もっとも、ただでさえギャグアニメの壮絶カオスギャグ回なので、真面目に考察するのも野暮というものであろう。