鉛筆で描かれたイラストに付けられるタグ。
タグではなくツール一覧から指定する事も可能。
鉛筆以外の道具を用いて描かれたイラストもあるが、やはり鉛筆を使っているので手書きスキャンのものが多い。
概要
天然黒鉛と粘土を混ぜて焼成した芯を木製の軸ではさんだもの。描画色は黒のみ。
一般に軸は六角形の断面を持ち、芯は全部で17の硬度がある。消しゴムやパンくずで消す事ができる。
使い続けると芯先が丸くなるので、その都度鉛筆削り器またはナイフなどで軸と芯を削り、芯を出す。
一般的に、美術分野や製図の分野では鉛筆削り器を使わずナイフで削る。
これは鉛筆削りだとある決まった角度で円錐状にしか芯を削れないためで、鋭くしたり平坦な芯先にするといった使い方をするにはナイフで削るしかないためである。
表面にざらつきがあり、芯先との摩擦に強い紙面への筆記描画に適し、光沢紙などへの筆記描画には向かない。
ケント紙は理想的な鉛筆用紙である。
日本製の鉛筆の大半は、軸にはアメリカ産の木材を使用している。低価格で、十分な強度を持ちながら非常に削りやすいため、理想的な軸の材料とされる。
軸に正目材の木ではなく、紙、集成材、圧縮木粉、圧縮古紙、中には木粉入り樹脂や古いジーンズの繊維をほぐしたものを使っているもの(環境配慮型鉛筆、エコ鉛筆)もある。
鉛筆の起源は、1795年にフランスのコンテ社により発明された、純黒鉛の代わりに粘土を混ぜて焼成した代用筆記具「コンテパステル」である。
これは当時イギリスとの戦争で海上封鎖により黒鉛が輸入できなくなったために、黒鉛の節約手段として開発されたものである。
現在でも製造されているが一般的にパステルの一種と分類される。
なお、これを木軸で包んで現在の鉛筆の形を作り上げたのはドイツのステッドラー社といわれるが、これは現在見つかっている鉛筆製造の資料で最も古いものが同社のものであるという事であり、実際の鉛筆の発明者は今もよくわかっていない。
硬度表記
鉛筆には芯の硬度が示してある。日本では一般的にJIS(日本工業規格)で定められた表記が使用される。
←硬 9H~2H、H、F、HB、B、2B~6B 軟→
一般に柔らかい芯ほど太く作られている。硬い芯は黒鉛分が少なく粘土の比率が多いため、筆跡は薄く、より細く見える。
ぼやけにくいため製図では硬い芯が多用される。
柔らかい芯は黒鉛分が多く、弱い筆圧でも濃い筆跡が出る。紙目が出やすく、定着性は悪い。減りも柔らかいほど早い。デッサンなどで筆圧表現を出しやすく、硬筆書写にも用いられる。
なお、これはシャープペンシルの芯も同様であるが、シャープペンシルの芯は同じ表記の鉛筆芯より硬く作られている。
事務用などに使用されるのは2H~4Bくらいまでであり、事務用グレードの鉛筆にはそれ以外の硬度の設定はない事が多く、極端に硬い・または柔らかい芯の鉛筆は絵画・製図用の高級品にしかない。
なお、10Hおよび7~10Bは三菱鉛筆が販売する高級鉛筆Hi-uniにのみ存在する硬さである。
この他日本の画材店では主にドイツ・イギリス・フランス製鉛筆が販売されている。
これら輸入鉛筆は日本と同様の硬度表記がなされているが、同じ硬度記号でも日本の鉛筆とは実際の硬さが異なる。
メーカーとブランド
鉛筆は芯に不純物が少なく、書き味がなめらかで、軸が削りやすいほど上等とされる。
ある程度高級な鉛筆は湿気の影響を防ぐため、削らない側の鉛筆の断面に樹脂が盛り上げられている。
国内メーカー
- 三菱鉛筆
- ハイユニ(最高級製図絵画用鉛筆)
- ユニ(高級製図絵画用鉛筆)
- ユニ・スター(高級事務用鉛筆)
- No.9000(製図・絵画用鉛筆)
- No.9800(事務用鉛筆)
- No.9850・No.9852(消しゴム付き事務用鉛筆)
- トンボ鉛筆
- モノ100(最高級製図絵画用鉛筆)
- モノ(高級製図絵画用鉛筆)
- モノR(高級事務用鉛筆)
- モノJ(事務用鉛筆)
- No.8900(事務用鉛筆)
- 木物語(事務用鉛筆、環境配慮型)
- No.2558(事消しゴム付き務用鉛筆)
その他、北星鉛筆、太陽鉛筆、キリン鉛筆、キャメル鉛筆、ウェルビー鉛筆、コーリン色鉛筆など。
pentelやセーラー万年筆もかつて鉛筆の製造を行っていたが現在では製造中止になっている。コーリン色鉛筆は1997年に倒産した旧コーリン鉛筆を元に2009年にタイで設立された。
海外メーカー
高級輸入鉛筆は根強い人気がある。
- ステッドラー(ドイツ)
- マルス ルモグラフ(最高級製図絵画用鉛筆)
- トラディション(高級製図絵画用鉛筆)
- マルス エルゴソフト(高級事務用鉛筆)
- ウォペックス(事務用鉛筆、環境配慮型)
- ファーバーカステル(ドイツ)
- カステル9000番(最高級製図絵画用鉛筆)
その他、リラ(ドイツ)、スタビロ(ドイツ)、クレタカラー(オーストリア)、コンテ(フランス)、コヒノール(チェコ)、ダーウェント(イギリス)、カランダッシュ(スイス)、ターレンス(オランダ)などが知られる。
特殊鉛筆
さまざまな色で描画可能。芯が顔料とワックスでできている。一般的に消しゴム等で消すことは難しいが、消す事の出来る色鉛筆も開発されている。ワックスの代わりに水性メディウムを用いた水彩色鉛筆は描画後に水筆でなぞる事で水彩絵の具の風合いを出すことができる。
- ダーマトグラフ
三菱鉛筆が製造している色鉛筆の一種で、ワックス分の多い太い芯を紙で巻いたもの。もともと医療用(手術の際に患者の皮膚に直接印をつけられる)として開発されたが、ガラスやフィルムなどにも描けることからむしろ芸術や工業の分野で普及した。色の種類は少なく、多くの画材店では赤と白以外は扱っていない。
- オムニクローム
ステッドラーが製造している色鉛筆。やはりガラスなどに描ける。こちらは普通の木軸である。やはり色の種類は少ない。
- パステルペンシル
ソフトパステルを圧力で成型して芯とした色鉛筆。割れやすいソフトパステルを使いやすくするために開発されたが、ソフトパステルより硬いため仕上がりは異なる。
黒鉛芯の代わりに圧縮した木炭を芯にしたもの。木炭の折れやすさや汚れやすさといった欠点を改善しているが、木炭より硬いため木炭とは異なる仕上がりになる。
- グラファイトペンシル
軸を使わず、全体が芯になっているもの。手が汚れないように表面にフィルムが巻いてある。
- インクペンシル
筆記後しばらくすると化学変化で筆跡がインクのような物質に変化して消えなくなるもの。
関連動画
鉛筆のできるまで