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概要

色鉛筆とは筆記具、また画材の一つ。鉛筆の一種だが、筆記用の鉛筆が芯に黒鉛を用いるのに対し、色鉛筆は様々な色の顔料を用いる。
安価で、取り扱いや保存が容易なため、誰もが一度は手にした事がある身近な画材である。


粒状感を活かして軟らかく暖かみのある表現をしたり、筆跡を活かして精緻な表現をしたりと、活用の幅は広い。

トンボ色辞典(色見本)



色鉛筆の種類

油性色鉛筆

一般的に「色鉛筆」と言う場合、油性色鉛筆の事を指す。各種の顔料をワックスで練り上げ、細く固めた物を芯とする。
色鉛筆を塗り重ねすぎると滑って色が乗りづらくなる事があるが、これは芯に含まれるワックスのためである。また、色鉛筆の色が消しゴムで消えづらいのもワックスの影響である。これらの欠点を克服するため現在では成形剤にワックスを用いない色鉛筆も研究されている。

油性色鉛筆は水を弾くため水彩による彩色とも相性が良く、色鉛筆で線を描いた上から水彩で色を塗ると、描線を消すことなく彩色する事ができる。
油性であるため、テレピン油やペトロールなどの揮発性溶剤によって溶かすことで、水彩油彩のような表現が可能である。



水性色鉛筆

界面活性剤などを添加した水溶性の成形剤を用いて芯を製造する。
ワックスを用いないため重ね塗りが比較的容易である。

顔料を多く含む軟質の物は、彩色した後に水を含んだ筆で顔料を伸ばす事で水彩絵具のような効果を得られるため、「水彩色鉛筆」と呼ばれる事もある。
成形剤を多く含む硬質の物は、比較的水に溶けにくいため線が残りやすく、より油性色鉛筆に近い性質を持つ。

pixivの「お絵かきツール」登録では「水彩色鉛筆」として油性の「色鉛筆」とは区別されている。

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芯の硬度

色鉛筆は顔料と成形剤の配合比率により芯の硬さが変わり、硬質、中硬質、軟質の3つの種類がある。


硬質の芯は成形剤が多く含まれ、描き味は硬く、グラフや製図などに向く。
中硬質の芯は硬質と軟質の間の性質で、図画や事務用途に用いる物は主にこの硬度である。
軟質の芯は顔料が多く含まれ、描き味は軟らかく、金属、ガラス、プラスチックなどへの描画に用いる。軸木を使わず紙巻きにした製品もあり、グリースペンシルあるいは三菱の商標であるダーマトグラフの名で呼ばれる。

いずれの硬度も、鉛筆の黒鉛の芯と比べると強度に劣るため、取り扱いの際には曲げや衝撃に気をつける必要がある。

色鉛筆は筆圧の差や塗り重ねで濃淡を容易に表現できる。
一方で混色は、2つ以上の色を塗り重ねる事で可能だが、絵の具などと比べると粒子が粗いため、色を完全に混ぜ合わせる事が難しい。そのため、あらかじめ様々な色がセットで用意されている事も多い。色数が少ない物では12色や24色や36色など、多い物では120色や240色がセットになっている事が一般的である。中には500色もの色数からなるセットもある。

前述の通り混色が困難な色鉛筆では、白色は色の付いた紙の上に描く場合や、重ね塗り、絵のつや出しなどの用途で使用される。
そのほか特殊な色としては蛍光色や、金色や銀色などの光沢色の色鉛筆もある。
色鉛筆に限った事ではないが、現在の技術ではPCモニター上でこういった蛍光色・光沢色を再現する事は困難なため、これらの色をメインに使った作品はWeb上で発表する用途には向かない事に注意する必要がある。

色鉛筆のブランド

  • 三菱鉛筆

国内トップの鉛筆・総合文具メーカー。Uniブランドで知られ、色鉛筆でも古くから参入し、国内ブランドをリードしてきた。「ユニカラー」のほか、高級志向の「ペリシア」シリーズがあったが、こっちは廃盤の憂き目となった。

  • トンボ鉛筆(色辞典)
三菱に次ぐ国内の鉛筆メーカー。MONOブランドで知られ、消しゴムや修正テープのシェアは三菱を上回る。色鉛筆はあまり得意としなかったが、「色辞典」シリーズがヒット。また「カラーペンシルズ」というシリーズもある。
  • Holbein(ホルベイン)
日本の画材専業メーカーで、大阪市に本社を持ち、油彩絵の具で世界的なブランド力を持つ。油彩色鉛筆「アーチスト」で人気を博す。
  • Sanford(サンフォード)
アメリカの文房具ブランド。芯の柔らかさと発色の鮮やかさに特色。現在はヨーロッパ向けは「カリスマカラー」としてブランド化しており、アメリカでは現在も「プリズマカラー」として販売(以前は日本でも「プリズマカラー」として販売されていた)。元はイギリスにあるベロール社のブランドだったが買収によりサンフォード社となる。
  • Darwent(ダーウェント)
イギリスの鉛筆メーカー。古くから絵本用のニーズに応えてきた歴史がある。「プロカラー」「カラーソフト」、水彩色鉛筆の「インクテンス」といったブランドがある。
  • Karandash(カランダッシュ)
スイスの総合文具メーカーで、万年筆やボールペンでも名高い。カランダッシュとはロシア語で鉛筆のこと。スイスらしく赤を基調とした意匠が特徴。「プリズマロ」「パブロ」「ルミナンス6901」といったブランドがあり、発色の良さで評価されている。
  • Faber-Castell(ファーバー・カステル)
ドイツの名門総合文具メーカー。世界で初めて鉛筆を作ったブランドであり、鉛筆業界をリードしてきた。色鉛筆では油性色鉛筆の「ポリクロモス」と水彩色鉛筆の「アルブレヒトデューラー」が知られる。
  • STEADLER(ステッドラー)
ドイツの名門文具メーカー。どちらかというとビジネス文具に強く、色鉛筆は「硬い」ことでそこまで評価されていなかったが、水彩色鉛筆「カラトアクェレル」でその評価を覆すまでに。
  • STABILO(スタビロ)
ドイツの名門鉛筆メーカー。色鉛筆には古くから参入しており、硬めの代わりに折れにくい芯に特徴があった。「カーブオテロ」「アクアカラー」といったブランドがあり、近年の傾向でどんどん柔らかくなっている。
  • Lyra(リラ)
ドイツの名門鉛筆メーカー。知育に注力しており、「ファルビー」など子供向けの極太色鉛筆を販売していることで知られる。一般向けにも「レンブラント・アクェレル」「レンブラント・ポリカラー」といったブランドがある。
  • Royal Talens(ロイヤルターレンス)
オランダの総合画材メーカー。1950年よりオランダ王室の称号を受ける。色鉛筆への参入は2002年からと割と新しいが、「ヴァンゴッホ」シリーズで人口に膾炙している。
  • COLLEEN(コーリン)
元は日本にあった鉛筆メーカーで色鉛筆に強みを持っていた。しかし、日本では倒産し消滅。タイに残っていた工場をもとに、タイ法人だけが鉛筆を作り続け日本の色芯屋の技術を借りて品質を向上させ、近年日本に再上陸することになった。きめ細かい発色に特徴がある。

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