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ヅダの編集履歴

2016-06-07 21:25:10 バージョン

ヅダ

づだ

ヅダ(ZUDAH、型式番号EMS-04 or EMS-10)は、ガンダムシリーズのアニメ作品『機動戦士ガンダム MS IGLOO』に登場する架空の兵器。 ジオン公国軍のモビルスーツ(MS)である。

機体説明

宇宙世紀0071年、ミノフスキー粒子散布下の戦場での有視界での近接戦闘の有効性が明らかになったことを受けて、ジオン軍当局は連邦軍との物量差を打破しうる新兵器の開発をジオニック社、ツィマッド社、MIP社に委託した。

これに応えてツィマッド社が得意の推進装置分野の技術を活かし宇宙空間での機動性と推力を重視して設計・開発したのが「EMS-04 ヅダ」である。


宇宙世紀0075年初頭、本機はジオニック社の提出した「YMS-05 ザク」と共にジオン軍での制式採用を賭けたコンペティションに臨んだ。

格闘性能試験・飛行性能試験それぞれにおいてザクを凌駕し、軍上層部の一部からも「ヅダ勝利」の声が上がっていたが、飛行性能試験の場で空中分解事故を起こし機体を喪失、テストパイロットが死亡してしまう。

大推力、高加速、AMBACシステムを併用した急激な方向転換で機体構造に大きな負荷がかかったのが原因であり、これにより機体の強度がエンジンの加速に耐えきれないという思わぬ欠陥が露呈してしまう。

また、1機あたりの生産コストがザクの1.8倍近くに上り、国力・資源に限界のあるジオンにとってこの高コストは軽視できない問題であった。

選考の結果、コストも安く信頼性・汎用性が高いザクが正式採用・量産化が決定された。

なお、このコンペ並びに選考結果については、ジオニック社と政権の癒着や裏工作があったという説もあるが真相は定かではない。


だが、ザクの量産開始後も本機の開発中止命令は出ず、一年戦争が勃発し戦場が地上に移ってからも開発は続けられた。

オデッサ作戦の直前の10月、すでに制式採用が決定していた新型エンジンに換装し、新世代の素材、制御システムを採用した「EMS-10 ヅダ」が完成した。

この新型エンジンは通称「土星エンジン」と呼ばれ、ドム及びリック・ドムにも採用されたものである。


しかしこれは、戦況が逼迫しつつあるジオン公国が自軍や国民に対する戦意高揚および地球連邦軍に対する欺瞞、すなわちプロパガンダの為に流した情報であり、実際のEMS-10はEMS-04の外装を交換しただけで基本設計は全く変わっておらず、エンジン出力を限界まで上げると空中分解を起こす欠陥もそのまま引き継がれていた。(一説では「最大加速状態でエンジンを稼働させ続けると、エンジンが加速状態でロックされて止められなくなり、そのまま機体耐久限界を超えて空中分解してしまう」とも言われている。)

そもそも「土星エンジン」自体がかつてEMS-04の為に開発されたエンジンであり、新型エンジンという触れ込みそのものがプロパガンダになっている。


エンジンは背部に露出しており、バーニアノズルの向きを変えるだけで失速する事なく急激な方向転換が行えた。

また、隊長機と2・3番機、予備機は、モノアイスリットの形状などそれぞれ頭部パーツに若干違いがある。


武装はザクと共通で、ザクマシンガンバズーカの他、ヒートホークやシュツルムファウストなどを装備することができる。また、シールドには打突用のピックが付いている。

このほか、ほぼ専用の武装として135ミリ対艦ライフルがあり、バズーカよりもさらに銃身を長くして破壊力を高めた対艦船用の装備である。


主なパイロットはジャン・リュック・デュバル(1番機)、ヒデト・ワシヤ(2番機)、オッチナン・シェル(3番機)、モニク・キャディラック(予備機)、ウォルフガング少佐。


劇中での活躍

「一年戦争秘録」第3話で初登場。専属のジャン・リュック・デュバル少佐ら数人のテストパイロットと共にヨーツンヘイムに4機が配備され、試験が行われることとなったが、テスト中に一機が空中分解を起こし、これにより試験は中止される。

しかし、その直後、ジオンの陸上部隊が宇宙へ脱出。この回収・救援を命じられた603試験隊は、予備機も含めた3機のヅダを出撃させる。作戦は成功し、戦力の回収には成功したが、この戦闘で隊長機は連邦のジムを救援エリアから引き離すため敵機を挑発して陽動、フル加速での機動戦闘を行い、最終的に空中分解を起こしてパイロットのデュバル少佐とともに失われた。最後までその加速力をいかんなく発揮し、連邦の兵士をして「化け物か」と言わしめる程であった。

この戦闘ののち、残った2機のヅダはそのままヨーツンヘイムに護衛機として配備され、実質上の廃棄処分扱いとなった。

時間軸では続編となる「黙示録0079」第3話では、ア・バオア・クー陥落の際、味方の撤退を援護するため2機が出撃する。連邦の物量にもひるむことなくジムとボール軍団相手に奮戦し、片腕を失うなどの損傷を負いながらも帰還・脱出している。


また、「機動戦士ガンダム黒衣の狩人」においては愛機であるザクⅡを撃墜されたウォルフガング少佐の補充機体として充てがわれている。

しかし、大気圏ぎりぎりの宙域をパトロールする同少佐の隊にはろくな補給が回される事が無く、組み立て途中で工場に廃棄されていた機体を流用しているに過ぎない。

なお、当作品に登場した機体はタイトルが示すようにパイロットのパーソナルカラーである黒にペイントされているほか、「IGLOO」劇中とはアンテナの形状が若干異なる。


バリエーション

ヅダ(EMS-04)

ヅダ(EMS-10)の前身となった機体。前述の通り、性能ではザクⅠに優っていたが、空中分解事故を起こした結果コンペンションで敗退した。

頭部や胸部、肩部シールドマウントの仕様が異なるなど、外装こそEMS-10と異なる部分は多いが、内装はほとんど手を加えられておらず、その欠点についてもEMS-10に持ち越されている。

また、MSV-R宇宙世紀英雄伝説にて、エリオット・レムがコンペにおいてこの機体にザクが勝つことができなかったことが高機動型ザクの開発につながったと発言している。



ヅダF

機動戦士ガンダムブレイジングシャドウに登場。型式番号EMS-10F。

制式採用こそされなかったものの少数が生産され、いくつかの部隊で運用されたヅダの改良機。

土星エンジンの欠点こそ改善していないものの、リミッターを強化する事でその問題を解決し、YMS-15ギャンのパーツを組み込むなど様々な改良が行われている。



ゲームなど

ガンダムアサルトサヴァイヴ

作中のオリジナル機体ほぼ全てと共に参戦。このゲームではヅダのみ機体操作に特殊な設定があり、ブーストゲージが無くなってもブースト移動し続けられる代わりに、その間機体耐久力がどんどん減っていくという、原作を再現したものとなっている。機体性能そのものはザクより少し上程度であるが、機動性に関してはザクを大きく上回っている。

SPAも原作再現となっており、敵に対して最大加速状態で連続ヒットする体当たりを敢行、過剰加速によって空中分解していき(分解が進むにつれて与えられるダメージがどんどん増えていく)、最期には敵味方識別が無い大爆発を引き起こすというもの。(そのあと何事もなかったかのように五体満足の状態でヅダは復活する。)


機動戦士ガンダム エクストリームバーサス

プレイアブル機体としてヒルドルブと共に参戦。低コスト機体でありながら機動力に長けているのが特徴。格闘チャージ攻撃を使うと一定時間ブースト性能がかなり上がる。さらにこの状態で再度格闘チャージ攻撃を使うと、敵機に突進して爆発し、自機を撃墜扱いにする代わりに爆風で大ダメージを与える攻撃が出る。さらに、サブ武器には、ヅダを呼び出して相手に特攻させるという攻撃もある。ちなみに呼び出されるヅダは、劇中で性能テスト中に空中分解した機体らしい。

新作のフルブーストにも参戦。基本的なところは変わらないが、対艦ライフルの弾速低下など、若干の調整を受けている。覚醒技(エクストリームバースト)は「土星エンジンの真価」というもので、相手に体当たりし、そのまま拘束して急速上昇、ダメージを与えると共に、最終的に爆散するという大技。


機動戦士ガンダムバトルオペレーション

キャンペーン期間限定で配布されているMSという形で参戦。(ただし、一番機のみ)低コスト機であるためにHPが絶望的に少ないことと、遅いザクⅠより少し多い)が、スラスターを使用するとドム並の加速力を引き出す事が可能。射撃補正も高いのでバズーカ→シュツルムファウスト→バズーカのコンボで連邦のMSを落とせる程の性能を誇る。

上位機としてケンプファーがいるため、肩身が狭い。


Gジェネレーション

旧ザクから開発可能。

原作では競合したザクに比べ、攻撃力・機動力・移動力がほぼ同コスト帯に比べ秀でており、より軽快な動きを誇る。

が、ある意味原作再現なのか、防御力はザクよりも低く事故が怖い機体となっている。

また小隊長機として登録すると、威力・射程が凄まじい対艦ライフルが使用可能なヅダ1号機となる(のちにオーバーワールドで特定の機体と掛け合わせることで開発可能となった)。

なお、飛ばし過ぎたが為に空中分解、なんて恐ろしい事は無いのでガンガン使って行ける。


戦場の絆

ジオン側の近距離型低コスト機として参戦。かつてはイベントでの先行支給限定機体だったが、現在は他のMS同様に一定の条件を満たせば誰にでも支給されるようになっている。

弾速の早いバズーカや、射程こそ短いが威力と誘導性に優れるシュツルムファウスト等、武装は比較的扱いやすいものが揃う。

特徴的なのは機体セッティングで、装甲重視は存在せず、機動性重視の設定に思いっきり偏っている。セッティングの度合いが強まるにつれて部分的、または全体的に動きが速くなり、代償としてAP(耐久性)が下がっていく。また、最大のセッティングを施すとコストアップだけでなくブーストにも特殊な動きが加わり、通常より長くブーストできる代わりに一度ダッシュペダルを踏むと一定距離を進むまで止まることができなくなる。

また、後に遠距離砲撃型として対艦ライフルを持ったものも実装された。こちらは拠点への攻撃力と長射程を持つが、シュツルムファウストを除けば携行武器は対艦ライフルだけ(ヒート・ホークも持っていない)。対MS戦能力は大幅に下がってしまった(カテゴリがカテゴリだけに仕方ないが)。なお、こちらは装甲重視設定もあり、上記のような特殊な動きはない。

無論、どちらの機体も限界までブーストしても空中分解したりはしないので、その点は心配ない。…オーバーヒートして折角の機動力を活かせなくなる事態は避けるべきだが。

余談だが、頭部の形状などから近距離型は1番機、遠距離型は予備機と思われる。また、他のゲームと違ってどういう訳か地上では出撃できないのが残念なところである。


考察

圧倒的なまでの加速性能は当時のMSの中でも群を抜いており、一説では最大推力58,700kgとされている。これはRX-78 ガンダムおよびジムの55,500kgを大きく凌駕する驚異的な数値である

前述のデュバル少佐のヅダを全速力で追いかけたジムも、結局追いつくことができず最終的に3機が空中分解を起こしていた。このことからも、ヅダのエンジンがかなり高出力であったことがうかがえる。

これを超える推力としてはゲルググの61,500kg、同等のものではリック・ドムの58,000kgがあるが、機体の性能差で考えると、ヅダの場合はやはり機体に対してエンジン性能が過剰であったと考えるのが妥当と思われる。


一部のゲームなどにおいてはザクよりも軽装甲な機体となっていることがあるが、「ゴーストファイター」の名の通り、開発記録については詳しいことは不明であり、「装甲を削って機体軽量化による高加速度を実現した結果、空中分解する欠陥を抱えた」というのも推測の域を出ない。また、劇中ではオリヴァー・マイが『EMS-10が分解する際の加速度曲線の数値はEMS-04のそれとほとんど同じだった』という趣旨の発言をしている描写があり、一部では、ヅダは機体どころかエンジンすら改良されていなかったのではないかという見方もある。


いずれにせよヅダというMSは、その性能そのものは高いながらも、性能に技術力が追い付かず、最後まで時代に翻弄され続け、時代の流れの犠牲となった悲劇の機体であると言える。

もし、この過激なエンジン出力に耐えられ、なおかつ運動性と機動力を犠牲にしないような機体が作れていたら、一年戦争の結末は違うものになっていたのかもしれない。

ある意味早生まれしすぎた機体ともいえる。

一方で、ザクⅠとのトライアルはエリオット・レムをして「勝負に負けて試合に勝った」としてザクの安定性を維持しつつヅダに匹敵する性能を確保するという目標で高機動型ザクⅡを開発するに至っており、加えてウォルフガング少佐が運用した機体はそのエンジンの欠陥が、多くの人命を救う重要な役割を担う事になる。


間違えやすいかも知れないが…


名前の表記は『ヅダ』。『ズダ』ではないので注意。気にする人は気にします。


関連項目

旧ザク ザクⅡ ヨルムンガンド ヒルドルブ ゼーゴック オッゴ ビグ・ラング ゲム・カモフ

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