概要
長崎市中心部の観光地の有名所をほぼ沿線に網羅しており、観光客の利用も多い。
運賃は長く100円均一を維持していたが、ICカード乗車券の「長崎スマートカード」導入等に伴い現在は120円均一になっている。それでも自動販売機の缶ジュースと同額という安さである。
車両数は多く、廃線となった他社局からの中古車両も積極的に導入している。最新鋭車両は2012年生まれの5000形であるが、最古参となる160形(年間3日、イベント時にしか運行しない)は国内最古の1911年製であり、その年齢差は実に100歳に及ぶ。
1971年にバス部門を長崎バスに譲渡してからは、地方の鉄軌道事業者では珍しく関連会社をふくめてバス部門を保有していない。
路線
- 本線
- 住吉~長崎駅前~大波止~築町~西浜町~正覚寺下
- 赤迫支線
- 赤迫~住吉
- 桜町支線
- 長崎駅前~桜町~公会堂前
- 大浦支線
- 築町~石橋
- 蛍茶屋支線
- 西浜町~公会堂前~蛍茶屋
- 大浦支線の大浦海岸通り~石橋間のみ単線
運行系統
- 1号系統(日中5分間隔)
- 赤迫~長崎駅前~大波止~正覚寺下
- 2号系統(臨時系統扱いで、通常ダイヤでは深夜のみの運転)
- 赤迫~長崎駅前~大波止~公会堂前~蛍茶屋
- 3号系統(日中6分間隔)
- 赤迫~長崎駅前~桜町~公会堂前~蛍茶屋
- 4号系統(日中12分間隔)
- 蛍茶屋~正覚寺下
- 5号系統(日中8分間隔)
- 蛍茶屋~石橋
- この他に出入庫などで番号なしの運行がある。
車両
自社発注車と移籍車がある。かつてはかなりの数の移籍車があったが、現在は全て動態保存的な位置づけとなっており、通常の運用はほぼ全て自社発注車である。また移籍車は現在は160形を除き、移籍前の事業者の塗色となっている。通常の運用では全て冷房車が使用されている。
また車両形式には語呂合わせなどを使う場合が多い。
87形(二代目)
202形204号車を花電車仕様に改造したもの。形式番号は「花」のもじり。
150形
箱根登山鉄道小田原市内線から移籍、元をたどると王子電気軌道(現在の東京都電荒川線)の車両。大正生まれ。当然非冷房車。
160形
西鉄福岡市内線から移籍。元をたどると九州電気軌道(西鉄北九州線)の車両。168号車のみ現存。車籍を持ち営業運転可能な鉄軌道車両では、日本最古(1911年製造)かつ唯一の木造車である。営業運転に付くのは年数日。
201形、202形、211形、300形
製造時期や製造所によって4形式に分かれているが、基本的な仕様はほぼ同じの半鋼製車。
360形、370形
初の全金属車、昭和36年製造が360形、37年製造が370形で基本的な仕様は同じ。
500形
大阪市電の廃車発生品の台車・電装品を使用して車体のみを新製。ただし台車は後に別の発生品に振り替えられている。
600形
熊本市電からの移籍車。非冷房車。
700形
東京都電からの移籍車。もともと都電唯一の1067mm路線だった杉並線用として制作され、杉並線廃止後に1372mm対応に改造され都電他線区に移籍、長崎移籍時に1435mm対応に改造されているが、全て台車そのものの改造で対応されており、3種類の軌間を走行したことのある車両。非冷房車。
1050形
仙台市電からの移籍車(ただし台車はよそから調達)。形式番号は「仙台(千台)から昭和50年に移籍」の語呂合わせ。
1200形、1300形、1500形、1700形
廃車発生品(自社だけでなく他社からのも含む)の台車・電装品を使用して、車体を新造したもの。
1800形
これも車体新造車であるが、車体デザインが大幅に変更されている。
3000形
初の低床車でリトルダンサーUタイプ。ローレル賞受賞車。
5000形
リトルダンサーUaタイプの低床車。
過去の車両たち(主なもの)
(初代)87形
花電車用の電動貨車。
800形
東京都電からの移籍車、5両譲り受けたが実際に営業運転に供されたのは2両だけ。
2000形
1980年に軽快電車として、当時の最新技術を取り入れて制作された車両。