概要
週刊少年ジャンプで連載されたシリーズ最後の作品。以降ヤングジャンプに移籍。
不評から連載途中での打ち切りが決まり、終盤はものすごい駆け足で終わる。
物語
全作のジュニアユース大会から3年後。
中学卒業後にブラジルに渡りプロサッカー選手となった翼が日本に帰国し、翼を目標としイタリアに渡った新キャラクター葵新伍を加え、全日本ユースのキャプテンとして再びワールドユース選手権に挑む。
伝説の凋落の始まり
不朽の名作「キャプテン翼」の人気の失墜と評価の凋落は、本作から始まった。
同じく不朽の名作であるテクモのゲーム版が、先がけて旧作の続きを描いており、この内容がファンの間でも高い評価を受けていたことから、原作者としてゲームとはあえて違うストーリー展開を狙っていったのだろうが、これが尽く裏目に出てしまった。
多くの読者を落胆させた理由は多々あるが、代表的なのはこのあたり。
旧作キャラの扱いが酷い
新キャラの葵新伍らを活躍させるために、多数の旧作人気キャラが犠牲となり、かませ犬化したり空気と化したり、活躍の場を奪われることになった。
特に心臓病を克服した三杉淳は、かつての天才の片鱗もなくなる。
旧作のラスボスであったカール・ハインツ・シュナイダー率いるドイツは何の見せ場もなく敗退。エル・シド・ピエール率いるフランスも然り。
翼のチート化が急激に加速
岬を交通事故で退場させたことで、大空翼のフォロー担当がいなくなる。一人で全てをこなして勝ち進まなければならなくなった翼の超人化が加速。連動して旧作キャラの扱いがさらに悪化。
試合の描写がつまらない
「レヴィンシュート」「スカイダイブシュート」「トルネードアロースカイウィングシュート」など旧作を凌ぐトンデモ必殺技が多数登場するが、肝心の試合の描写が大味すぎて全く熱くなれない。
交通事故多すぎ
不自然な交通事故で途中からチームを離脱させられた岬太郎を筆頭に、日向小次郎の父親の死因が交通事故であったことが発覚。
さらにスウェーデン代表のステファン・レヴィンがサッカーサイボーグ化した原因が、婚約者が交通事故で亡くなったトラウマによるものだった。
さらにその呪縛を解いたのは、松山光の恋人の美子が交通事故で危篤に陥りながらも回復したことであったり、とにかく交通事故が不自然に多すぎた。
上述のような理由から黒歴史化している「ワールドユース編」なのだが、これを正史としてさらに物語は続いていくのである…。
さらなる続編が発表されている現在になってこのエピソードを読み返すと、絵柄が無印に近いし、試合の展開も何だか熱いような気がしてくるので恐ろしい。