『宇宙刑事シャイダー』とはメタルヒーローシリーズの作品であり、劇中に登場するヒーローの名前でもある。pixivでは「シャイダー」の略称でタグ付けされていることも多い。
概要
メタルヒーローシリーズ第3作目であり、『宇宙刑事ギャバン』より続いた宇宙刑事シリーズの最終作である。前2作は主人公にJACのアクション俳優を起用していたが、本作の主人公は、円谷芸能部所属の円谷浩を起用している。(その代わり、ヒロインのアニー役にはJAC所属の森永奈緒美を起用している)
本作の脚本は、上原正三が第1話から劇場版に至るまで全て執筆している。これは、上原が円谷浩を推薦し、そのついでに自身を脚本家として育ててくれた円谷プロへの恩返しがしたかったとの理由による。
前作がホラー寄りの作風であったのに対し、本作は「不思議界フーマ」に代表されるように、「不思議」を強く意識した作風となっている。また、シャイダーを「訓練を終えて間もない見習い宇宙刑事」とすることで、アクション俳優ではない円谷も、本作の撮影を通して沢村大と共に俳優として大きく成長を遂げていくことになる。
・・・・そして最終回では、1度きりの大イベントが待っていた。
あらすじ
ナスカの地上絵を解析した若者・沢村大はその功績によって銀河連邦警察にスカウトされる。それから二年。宇宙犯罪組織・不思議界フーマの活動が激化したため同じく訓練中の女刑事・アニーとともに地球担当刑事シャイダーとなった。シャイダーはプラズマブルーエネルギーを身にまとい僅か0,001秒でコンバットスーツを「焼結」する!
登場人物
主要人物
元は地球出身の若き考古学者だったが、その洞察力と行動力、肉体の強靭さを認められ、銀河連邦警察にスカウトされて訓練生となった。訓練半ばで着任した為、未熟だった当初は苦戦を強いられたが、そのたびに試練を乗り越えて成長した。地球への出発の際に与えられたコードネーム「シャイダー」は、伝説の勇者・戦士シャイダーに由来する。必殺技はレーザーブレードを真横に振るう「シャイダーブルーフラッシュ」。
シャイダーのパートナーで、彼と同じく訓練生の身だった。故郷のマウント星をフーマに滅ぼされており、フーマへの復讐のためにシャイダーに同行を申し出たことが彼とコンビを組むきっかけとなった。それまでの宇宙刑事のパートナーと違って戦闘にも積極的に参加し、2丁のレーザーセンサーガンを武器に戦い、スカイシャイアンを操縦する。中盤からコスチュームの配色が茶色から黄色に変更された。
銀河連邦警察
銀河連邦警察の最高責任者。未熟な大に対しても厳しく接し、彼の成長を促す。
コム長官の娘で、かつてのギャバンのパートナー。宇宙刑事訓練養成所で後進の育成に携わる。
民間人
前々作と前作から引き続き登場している元UFO専門のルポライター。今作ではペットショップ「モンキー」のオーナーに転職している。古いSF専門雑誌にて大が二年前にナスカ高原で消息を絶った宇宙考古学の研究家だと知ってからは、家を失った彼を家賃タダで自宅の二階に下宿させている。実は、不思議ソングの影響を受けない特異体質でもある。
小村陽子
小次郎の姪で、活発な女子高生。
小村良一
陽子の弟で、小学生。
不思議界フーマ
部下たちから神の如く崇められるフーマの首領。不思議宮殿の広間の壁面から巨大な顔を覗かせている。1万2千年前、戦士シャイダーとの戦いで滅亡したムー帝国の元支配者で、その際に首と胴体を切り離されてしまっている。最後はメカの胴体を装着してシャイダーとの決戦に挑んだ。
クビライの胴体
1万2千年前の戦士シャイダーとの戦いで、斬り落とされた胴体。戦士シャイダーに封じられていたが、独自に復活してシャイダーと闘う。
クビライの側近を務める中性的な外見をした神官。実はクビライの孫娘。作戦立案・不思議獣誕生の儀式・不思議時空の発生を行う。地球を力尽くで奪う手段を好まず、人間の心を悪に染め混乱に陥れる作戦を好む。
不思議獣やミラクラーを引き連れて戦闘の指揮を執る行動隊長。好戦的かつ直情的で、当初は武力による地球征服にこだわっていた。クビライに対する野心こそは無いものの、己の地位を脅かす者に対しては容赦ない。
ヘスラーの配下である5人の女戦士団。第4話までは「くノ一5人衆」とも呼ばれていた。ギャル1~ギャル5までの各メンバーの数字は「いち」「に」と日本語読みする。全員が変装の名人であり、主にスパイ活動や作戦のサポートを行っている。
宮殿内の大広間にいる不思議な生物達。珍獣語を話し、これを利用した作戦も決行された。作戦にも度々参加し、人間に化けたり、瞬間移動でシャイダー達を翻弄したりする。
珍獣ノッソリ
直立したゾウアザラシのような珍獣。幻影を操る能力を持つ。
一ツ目アイーダ
文字通り一つ目だけの珍獣。「メヒヒン、メヒヒン」と声を発する。
珍獣ヤーダ
黒マントに身を包んだ子供のような珍獣。「ヤーダ、ヤーダ」と声を発するほか、言葉も話す。子供の姿でシャイダーを欺き、焼結を封じたこともあった。
歌うたいのシンギン
大きな花のような珍獣。幻影を操り、体を縮小させる能力を持つ。
上半身のモンク
宮殿の柱から上半身のみが突き出ている外見の珍獣。
腹ペコのガーキ
餓鬼のように大きく膨れ上がった腹が特徴の珍獣。常に骨のようなものを咥えている。
クビライの口から吐き出された卵から神官ポーが執り行う儀式を経て孵化・誕生する。不思議時空では4倍のパワーの持つことができる。
フーマの戦闘兵士。南洋の祭で使われる面のような顔をしている。姿を消し、人間に化けることも可能。
登場メカ
ブルホーク
普段はバビロスの内部に格納されているバイク型の超次元マシン。流線型のボディを持つサイバリアンやモトシャリアンに対し、鋭角的なデザインとなった。不思議時空内を移動可能で、飛行時には車体後部に畳まれている主翼を展開する。シャイダーの同期の訓練生だったウルもブルホークと同型のバイクを使用していた。
主な武装はホークミサイルとホークレーザー。地上での最高速度は790km/hで、飛行時の最高速度はマッハ3。
シャイアン
普段はバビロスの内部に格納されている超次元戦車。これまでの宇宙刑事が駆る戦車と同様に2機のマシンに分離可能で、シャイダーの呼びかけに対しバビロス内部から分離した状態で出撃するシーンもあった。スクーパーやモグリランのような小型地底戦車は搭載していない。
スカイシャイアン
シャイアンの車体上部が分離した戦闘機でアニーが搭乗。武装はシャイアンビームで、最高飛行速度はマッハ4。
バトルシャイアン
シャイアンの車体下部が分離したドリルタンクでシャイダーが搭乗。武装はシャイアンロケットで、最高飛行速度はマッハ3、地中での最高速度は40km/h。
バビロス
シャイダーらの活動拠点となる超次元戦闘母艦で、超次元波動砲「ビッグマグナム」を放つ銃形態のシューティングフォーメーションと、人型形態のバトルフォーメーションに3段変形が可能。戦闘母艦形態の主武装は翼端部のバビロスビーム。
シューティングフォーメーション変形時には巨大なシャイダーのフレーム映像が投影され、艦底部の引き金を引く動作に連動してビッグマグナムが発射される。
バトルフォーメーションでは指先から放つバビロスレーザーや胸部発射口から撃ち出されるバビロスミサイル、そして胸の放熱板からはバビロスファイヤーを発射してフーマ戦闘機やフーマ戦闘母艦と戦う。また、敵が放ったミサイルに対してはそれを掴んで投げ返すといった芸当も披露している。初期の回では専用の着ぐるみを使ってのアクションシーンが展開されたが、後に使用されなくなった。
その他
関連タグ
宇宙刑事シャリバン→宇宙刑事シャイダー→巨獣特捜ジャスピオン