トルネコは、スクウェア・エニックス(旧エニックス)のビデオゲーム『ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち』(ドラクエ4、DQ4)ならびにチュンソフトのビデオゲーム『トルネコの大冒険』シリーズに登場するキャラクター。
そのほかにもいくつかのゲームでゲスト出演する(後述)。
本職は武器屋。低い背丈、でっぷりした体型、大きな髭という個性的で愛嬌溢れた容姿を持つ。
おもな登場作品
プレイヤーキャラとして
ドラゴンクエストⅣ (FC, PS, DSのいずれも)
トルネコの大冒険2 (PS)
トルネコの大冒険3 (PS2)
少年ヤンガスと不思議のダンジョン (PS2) - ヤンガスの指導者という形式で登場。
ドラゴンクエストヒーローズ2(PS4・PS3・Vita・Switch)
ドラゴンクエストライバルズ(iOS・Android)
ゲストキャラとして
ドラゴンクエストⅣにおける概要
DQ4第3章の「武器屋トルネコ」で初めて登場する。ボンモールという国の北方にあるレイクナバという小さな町で武器屋の店員として働いていたが、世界一の武器商人を夢見て旅に出る。
一人称は「わたし」。CDシアター(ドラマCD)では声を玄田哲章氏が担当した。
第3章では、キツネに騙されて女に入れあげていた建築家のドン・ガアデを現実に引き戻したり(この結果、ボンモールと隣国エンドールとの間の橋が修復され、ボンモール王国の軍隊がエンドールに攻め入ることが可能になった)、ボンモールの王子リックとエンドールの姫モニカとの結婚の橋渡し役になったり(この結果両国間の戦争は行われないことになった)、エンドールと東の国ブランカとを結ぶ海底トンネルの開通に私財をなげうったりと、いち商人とは思えないほどの国際関係に介入した活躍ぶりを見せる。
やがてエンドールに念願の自分の店を構えるも、それを妻のネネに任せて、トルネコ自身は東の国へと旅に出るのであった。
第5章で再度登場するのは、港町コナンベリーの近くにある大灯台でのことである。灯台に巣くう魔物を退治しようとやってきた勇者一行に魔物退治を押しつk…もとい任せて、自分はコナンベリーの町に戻るのである。というのも、トルネコはこの町で自分の船を建造中だからである。全財産をつぎ込んだ船を壊されるなど話にならないのは当然である。
灯台の魔物が退治されると、一行はこのトルネコの船で大海へと乗り出すことになる。
戦闘時は商人呼び、駄洒落、指回しなどの多彩な行動で敵を攻撃・牽制する。呪文は使えない。
商人専用の武具(正義のソロバン、鉄の前掛け)を装備できる。
また、武器や道具の知識も豊富で、フィールドでアイテムを鑑定してもらうことが出来る。
攻撃力としては、勇者やライアン、アリーナといった生え抜きの戦闘家には及ばないものの、この3人に次ぐ高い攻撃力を有し、一般民としてはかなり強力だといえよう。武器をきちんと調達すれば、アリーナ以上の攻撃のかなめになってくれることもある。
家族
妻のネネと息子のポポロがいる。以降の「トルネコの大冒険」シリーズでもこの3人家族の設定は変わらないままであり、ポポロに弟妹ができたりということはない。
トルネコの特殊行動
トルネコのキャラクターを特徴づける行動パターンとして、多様な特殊行動が挙げられる。
DQ4のパーティ参加キャラクター(NPC含む)で呪文を使えないものには、トルネコのほかにライアン、アリーナ、ホフマン、パノン、ドランがいるが、多様な特殊行動を履行できるのはトルネコだけである。彼の特権ともいえよう。
トルネコの戦闘時の行動は以下のとおり。
- 通常攻撃:ほかのキャラクターと同様に、持っている武器で攻撃する。4回に3回はこの行動パターンである。
- 商人呼び:旅の商人の大軍勢を呼び、複数回攻撃する。かなり強力なダメージを与える。DQ6以降の「軍隊呼び」「おっさん呼び」「バックダンサー呼び」に引き継がれている。
- 駄洒落:戦闘中につまらないダジャレを言い、モンスターたちを笑い転げさせる。一ターン休みの効果がある。DQ4コマではかなりの頻度でネタに挙げられており、ある意味トルネコの看板ともなっている。
- 子守歌:戦闘中に歌い、モンスターを眠らせる。
- 足払い:モンスターに足払いをかけ転ばせる。一ターン休みの効果がある。足がないモンスターや宙に浮いているモンスターにもなぜだか効果がある。
- 砂をつかんで投げる:足元にある砂をつかんで投げ、モンスターに目くらましを食らわせる(マヌーサの効果)。足元に砂がないはずの船の上でも実践可能。
- つまずいて転ぶ:文字通りつまずいて転ぶ。その拍子に持っている武器が敵に当たり、会心の一撃を食らわせる。ちなみに素手の状態であっても生じる。
- 不思議な踊りを踊る:モンスターのMPを減らす。
- 指回し:指をくるくる回してモンスターの目を回させる。マヌーサの効果。
- 敵をなだめる:「まあまあ」とモンスターをなだめる。この結果として、モンスターたちが素直に帰り戦闘が終了する場合と、ますますいきり立つ場合の2パターンがある。前者は経験値は入らないがゴールドの入手は可能であり、後者は通常どおりのバトルが続行する。
- ぼーっと見ている:ただぼーっと様子を見ているだけで何もしない。プレイヤーをいちばんいきり立たせる行動の一つかもしれない。
- 力をためる:次のターンの攻撃に備えて力をためる。実質1ターン休みのようなものである(もちろん次のターンで攻撃するとそれだけ高いダメージを与えることができるが)。
- 宝箱を奪う:相手のすきを見て、モンスターから宝箱を奪う。中身は(当然ながら)そのモンスターのドロップアイテムと同じである。
- 大声をあげる:いきなり大声をあげてモンスターたちを立ち竦ませる。1ターン休みの効果。
- 口塞ぎ:呪文を唱えようとするモンスターの口をとっさに塞ぐ。この結果モンスターは呪文が唱えられなくなり、実質1回休みと同じになる。なお1ターン内に複数回の口塞ぎが可能である。
- 仲間をかばう:HPが低下している仲間が攻撃されそうになったときにとっさにかばい、身代わりとしてトルネコ自身が攻撃を受ける。
※「宝箱を奪う」は、リメイク版によって頻度に差があることで知られる。とくにPS版ではお話にならないほど発生率が低い。
※「口塞ぎ」「仲間をかばう」を行ったターンでは、トルネコはそのターン内に彼自身の行動をとることが可能である。
4コマ漫画劇場での扱い
かなりの頻度で酷い、これに尽きる。
ガーデンブルグで牢屋要員にされたりなどのネタも定番となり、リメイク版では本当に投獄の第一候補にされてしまっている。
プレイステーション版で明かされた設定
両親を流行り病で亡くしている。
酒はあまり飲まない方。
子供の頃は船乗りに憧れた。
ミネア曰く「常識が無い」。
ネコよりもイヌのほうが好きで、飼いたいと思っている。
海外版
海外NES(ファミコン)版Dragon Warrior IVではキャラクターの名前が大幅に変更され、トルネコの名前は「Taloon(タルーン)」になっていた。
しかし、海外PS版トルネコの大冒険2では日本と同じ「Torneko」に戻り、後の海外DSリメイク版DQ4では、
名前を合体させた「Torneko Taloon(トルネコ・タルーン)」がフルネームという事になっている。
なお、ネネとポポロの名前も海外版では違うのだが、こちらはNeta・Nina・Tessie / Paulo・Tipper等毎作変わっている。
DQ4以外の作品での活動・出演
DQ6では、デスコッド(いわゆる裏ダンジョンにある村)に出現する。ただし、SFC版での見た目はDQ6のモブの商人と同じである。
DS版では「近い未来の夢」を選んだ時に他のDQ4メンバーと共に出現。台詞も一新されている。
DQ8ではモンスターバトルロードのSランク1回戦の対戦相手として登場。チームはおどる宝石、キングミミック、ミミックで構成された「アイラブネネさんズ」。
「トルネコの大冒険」シリーズではプレイヤーキャラとして登場する。DQ4のような多彩な行動は取らない。また、「ドラゴンクエスト」のナンバリングタイトルの主人公一般と同様、セリフを持たない(少年ヤンガスなどのゲスト出演作品ではセリフを持つ)。
ちなみに息子の名前が「ポポロ」と設定されたのは、「トルネコの大冒険」が初である。
それまで本家DQ4では名前が無く、ゲームブック版では「ニッフル」、小説版では「リトル」という異なる名前になっていた。
モンスターバトルロードIIレジェンドではレジェンドヒーローとして参戦。
ステータスは平凡だが、商人のレベルが高いと数千ものダメージを与えられる。しかしバトル後は商人の経験値を大量に失ってしまう。
ドラゴンクエストヒーローズ2でプレイアブルキャラクターとして参戦する。声優は茶風林氏が担当。
グリーネ草原にてごろつきの群れに襲われているところでオレンカに向かっていたラゼル達に助けを求めてくる。
歴代のキャラクターとしては最初に仲間になるキャラクターで、「落とし穴に落ちたら魔物だらけの部屋だった」、「ももんじゃに何度か蹴飛ばされた」、「敵に囲まれたら落ち着いて持ち物を確認する」、「牢屋に囚われるのは慣れたもの」など原作に準じた発言も多い。
装備武器は「そろばん」で、特技として「破壊の鉄球」や「クロスボウ」、「賢者の石」や「聖水」などの武器や道具を駆使して戦う。
スーパーハイテンションで発動出来る必殺技は『あらくれ呼び』。
トルネコがラッパを吹き鳴らすとどこからともなくあらくれ達の集団が現れ、合図と共に敵に向かって突進する。よく見ると集まってきたあらくれ達に混じって武器屋の主人やホミロンもいる。
ドラゴンクエストライバルズではプレイヤーキャラクターの1人として参戦。
声はDQH2と同じく茶風林氏が担当。
「商人」という職業に属しており、味方ユニットのバフ戦術が得意である。