概要
アトランタ・ブレーブスとともに1871年創設の、長い歴史を持つ球団。
ナショナル・リーグ優勝16回を誇る強豪で、MLB史上初のワールドシリーズ連覇(1907年~1908年)も記録しているが、1945年シーズンを最後にリーグ優勝からは71年、ワールドシリーズ制覇からは1908年以来108年遠ざかり、「ビリー・ゴートの呪い」と揶揄された。
シカゴ・ホワイトソックスとは同じシカゴ市に本拠地を持つ。
1992年からサミー・ソーサが在籍し、シーズン本塁打60本以上を3度記録する強打者として活躍。1998年には新人ケリー・ウッドも1試合20奪三振の快挙を成し遂げる。この年ワイルドカードを獲得したが、ブレーブスに3連敗を喫した。
しかし、2016年にカブスがリーグ優勝をしたことにより、71年ぶりに呪いが解かれ、さらにワールドシリーズも4勝3敗で制し、108年ぶり3回目のワールドチャンピオンに輝いた。なお、翌2017年もリーグチャンピオンシリーズで前年同様ドジャースと当たったが1勝4敗とドジャースにリベンジを許してしまっている。
2008年シーズンに、中日ドラゴンズからFAとなった福留孝介と契約。福留が打席に立つたびに観客が掲げる「偶然だぞ」と日本語で書かれたボードが話題になった。
2013年シーズンからは元阪神タイガースの藤川球児が同球団でプレーした。
2014年シーズンには和田毅、2016年シーズンには川崎宗則、2017年シーズンには上原浩治が在籍していた。
2018年シーズンからはダルビッシュ有が同球団に6年契約で移籍。
長かった負の歴史
ビリー・ゴートの呪い
上述の通り1945年以降、実に71年もの間リーグ優勝から遠ざかっていたが、これにはある出来事が発端と噂されている。
カブスの熱狂的なファンで地元バー「ビリー・ゴート・タヴァーン」の店主であるビリー・サイアニスは可愛がっていた山羊のマーフィーと共にいつも試合観戦に訪れていた。
しかし、1945年のデトロイト・タイガースとのワールドシリーズで2勝1敗とカブスがリードして迎えた第4戦で球団側はこれまで許可していたマーフィーの入場を禁止し、サイアニスとマーフィーは球場から追い出されてしまった。理由はマーフィーが臭いということだったのである。
これに激怒したサイアニスは「2度とリグレー・フィールドでワールドシリーズが開催されることはないだろう」と言い放って球場を後にしたという。そして皮肉にもサイアニスの予言通り、これ以降チームは2016年にワールドチャンピオンになるまで優勝が遠ざかることとなり、長い低迷期を迎えることとなる。
なお、1972年と1983年にはビリーの甥のサムが再び山羊を連れて球場へ観戦しに行ったのだが、ここでも入場を断られ、直後にカブスがリーグ首位から陥落した。
2015年シーズンはリーグチャンピオンシップシリーズでニューヨーク・メッツに0勝4敗のスゥィープで敗退。同シリーズでMVPを獲得したメッツの選手の姓が山羊の名前と同じマーフィーだったため、これも呪いのネタとして取り上げられた。
2016年にカブスがワールドシリーズ制覇を遂げたことで、一応は終焉を迎えたように見られている呪いだが、この年のワールドシリーズはクリーヴランド・インディアンズの本拠地プログレッシブ・フィールドで決着しているため、未だ完全に呪いは解けていないのかも知れない。
スティーブ・バートマン事件
2003年にビリー・ゴートの呪いが起こった1945年以来58年ぶりとなるフロリダ・マーリンズとのリーグ・チャンピオンシップで、リグレー・フィールドでワールドシリーズ出場まであと5アウトというところに来ていながら、ファウルをカブスファンのスティーブ・バートマンが妨害したことで落球。その後マーリンズに逆転を許し、第7戦も落としてワールドシリーズ出場を逃している。
バートマンにはこの後周りのファンからの罵詈雑言や嫌がらせ、挙句の果てにはイリノイ州の公務員にまでボロクソにいわれたのは言うまでもない。自業自得だが。
ただ、彼の名誉のために付け加えると彼はマーリンズファンからは多くの贈り物を贈られたがそれはすべて慈善団体に寄付している。