ソルシエール(プリキュア)
そるしえーる
CV:新妻聖子
概要
プリキュア映画の第20作品目である『映画プリキュアオールスターズみんなで歌う♪奇跡の魔法!』のオリジナル敵キャラクター。18歳。
プリキュアの涙を用いて「究極の魔法」を完成させようとしている魔法使いの少女。
特徴的な形をした紫色のロングヘアをしており、赤色の瞳と色白の肌が特徴。
服装は黒色のゴシックロリータのドレスと黒色のロングブーツを着用し、頭部には半分に割れた大きなハートを飾ったカチューシャをつけているほか、魔法のステッキを保有している。
名前の由来はそのキャラクターのごとくフランス語で“魔女”を意味する「sorcière」(ソルシエール)という言葉がその一つである(命名者は本映画脚本担当の村山功)。
人物
表向きはクールかつ強気に振る舞い、悪事を行う際にも平然さを保っているが、本来は優しい性格であるため悪に徹し切れていない節もあり、たまに不器用な一面も見せる。
また、子守唄を聞くと動揺して魔力が弱体化するという弱点がある。
魔法の伝道師であるトラウーマを従者にしており、基本的には彼を配下として接しているが、たまにトラウーマのことを大切に扱う一面もある。
ネタバレになるが、自分を利用して騙していた元凶がトラウーマであることを知ってからはプリキュア側について敵対していたが、プリキュアによってトラウーマが倒されたあとは彼のシルクハットを拾うなど、彼への温情は少しだけ残っている。
過去
元々ソルシエールは孤児の少女であったが、ある日魔法の先生の女性に拾われ、そのあとは彼女によって育てられた経緯をもつ。
ソルシエールは自身を救ってくれた魔法の先生を慕うようになり、彼女と同じ魔法つかいになる決意をして弟子となり、魔法の先生が保有する「究極の魔法」を教えてもらうために努力の日々をおくるようになる。
しかし、肝心の魔法の先生はソルシエールに子守唄ばかりを聞かせるだけで、いつまで経っても究極の魔法を教えない日々が続き、当の本人の回想によると、先生と衝突した日もあったらしい。
そして結局、究極の魔法をソルシエールに教えないまま先生は死去する。
残されたソルシエールは、究極の魔法を教えなかった魔法の先生に対して深い憎悪の感情を抱くようになり、次第に「自身のことを見捨てたから究極の魔法を教えなかった」と思い込み、閉鎖的な性格に変貌していく(なお、頭のハートの部分は先生が亡くなって絶望した際に「先生はあなたの才能に嫉妬した上に、あなたを嫌っていたかも」とトラウーマの一言にショックを受けた時に割れた事が判明)。
そして、ある日ソルシエールは「魔法の伝道師」と名乗るトラウーマと出会い、彼からプリキュアの涙を入手すれば究極の魔法が完成すると教えられ、その究極の魔法で魔法の先生を蘇らせて自分の想いをぶつけるという目的を見出す。
結果としてソルシエールはトラウーマを従者にし、彼とともにプリキュアたちの涙を入手するために悪の道へと進んでしまう。
トラウーマの正体が、この世を去った先生に力を封じられた闇の世界に住まう黒き獣とも知らずに......
能力
相手の記憶にあるものを実体化させるという魔法を得意としており、劇中では歴代のプリキュアたちの記憶を元に彼女たちが戦ってきたラスボスたち(ジャアクキング、ゴーヤーン、館長、メビウス、デューン、ノイズ、ピエーロ、プロトジコチュー、レッド、ディスピア)を複製している。
そのほかにも多彩な魔法を会得しており、頭部にあるカチューシャを駆使して攻撃することも可能なほか、キュアミラクルとキュアマジカルのダイヤスタイルやサファイアスタイルの変身能力を一撃で解くこともできる。
また、歌を歌うことも得意であり、トラウーマといっしょにミュージカルを行うほか、ソルシエールの歌声には魔力が込められており、その魔力はプリキュアたちに力を与えることもできる。
本編での行動
プリキュアの涙を入手するためにソルシエールは春野はるかの記憶にあるディスピアを複製し、彼女を使役してプリンセスプリキュアと魔法つかいプリキュアを襲撃したあと、人間界へと向かわせたトラウーマの能力でプリキュアたちをそれぞれバトルフィールドへと閉じ込めて離れ離れにする。
残りの歴代プリキュアおよび妖精たちも次々と捕らえることに成功し、キュアミラクルたちの前に歴代のラスボスたちを容赦なく次々と送り込ませ、彼女たちの戦意を喪失させる。
しかし、難を逃れていたルルンに助けを求められたキュアミラクルと、救援に駆けつけたキュアエコーに激励されたキュアマジカルが元気を取り戻して奮闘したことで再会し、ついにソルシエールの屋敷に魔法つかいプリキュアがたどりつく。
キュアミラクルとキュアマジカルとの決戦になったソルシエールは、自身の強力な魔法でキュアミラクルたちを圧倒していくが、何度ピンチになっても諦めない彼女たちに少しずつ逆転されていく。
追い詰められたソルシエールは先述の過去を一行に暴露し、「あの女は私の努力を踏み躙った!私は…見捨てられたのだ!」と言い放つが、キュアミラクルたちに「ほんとうに愛していなかったら子守唄は聞かせない」と説得され、ソルシエールは魔法の先生と過ごしてきた日々を振り返り、魔法の先生に愛されて育てられていたことに気づいて涙を流し、自身の認識が誤解であったことを認め、先生に対する憎しみから開放される。
それと同時にソルシエールの過去を知ったキュアミラクルがもらい泣きした事で、最強の魔法を完成させたトラウーマが自身の正体を明かす。
トラウーマの正体とは闇の世界の者にして、かつて魔法の先生が封印していた魔獣そのものであり、力を封印されたトラウーマはその封印を解くためにソルシエールに接近し、彼女に「魔法の先生はソルシエールを見捨てた」という嘘を刷り込んでいた。
ソルシエールはトラウーマの邪悪な正体・目的を目のあたりにしたことで完全にプリキュアの側につき、彼女たちとともに最終形態へと変貌したトラウーマに立ち向かっていく。
その過程の中で、かつて魔法の先生が歌っていた子守唄こそが究極の魔法であることに気づいたソルシエールは、ミュージカル調に歌った歌声の魔力でプリキュアオールスターズを援護し、ついにすべての元凶であるトラウーマを倒すことに成功する。
その際には、服装が優しい感じのドレスに変化し、ハートの飾りも二つに増える。
そして、騒動が終焉したあとプリキュアたちに対して謝罪の言葉を述べて猛省し、これからは子供たちのためになる魔法の仕事をめざす決意を固め、プリキュアたちに別れを告げた。
『魔法つかいプリキュア!』の最終回では、台詞こそないものの魔法学校の背景に彼女の姿が確認でき、リコ先生ともども教鞭をとっているであろう事がうかがえる。
関連イラスト
映画版の悪堕ちヒロイン
プリキュアシリーズの映画版のゲストヒロインが黒幕に脅される、または利用される形で悪事に加担したのは、ソルシエールで4人目である。
- ムシバーンに脅迫されてブンビーとともにプリキュアたちを誘き寄せるための自作自演を行ったデザート王国の王女・チョコラ(お菓子の国のハッピーバースディ♪)
- 魔王に協力を持ちかけられて絵本の主人公たちとともに星空みゆきへの復讐を行った絵本の世界の住人・ニコ(絵本の中はみんなチグハグ!)
- ブラックファングに唆されてジークとともにプリキュアたちを抹殺しようとしたドール王国のバレリーナ人形・つむぎ(人形の国のバレリーナ)
いずれも劇中でプリキュア達の真摯な態度に心を打たれて改心しており、ソルシエール同様プリキュアに謝罪したり協力したりしている。
ちなみにつむぎを演じた堀江由衣は『魔法つかいプリキュア!』のリコ/キュアマジカルとして『奇跡の魔法!』に出演している。