公安・探偵・黒ずくめの組織──────光と闇をまとう彼の一日が、はじまる──────
概要
『名探偵コナン』の主要キャラクターの一人・安室透を主人公とした公式スピンオフ作品。
2018年5月9日発売の「週刊少年サンデー」24号より連載開始。
原案は『コナン』原作者・青山剛昌氏が、漫画は『ダレン・シャン』などで知られる新井隆広氏が担当。
安室透(私立探偵)・バーボン(黒の組織の探り屋)・降谷零(公安警察官)という3つの顔を持つ彼が、『コナン』本編の裏でどのような生活をしているのかが描かれる。
話数は「TIME.○(数字)」で表される。
第1話が掲載された「サンデー」は売り切れが続出し、その後も毎回大きな話題となっているが、同年8月8日についに単行本化されることとなった。
記念すべき第1巻には、原作者・青山氏による秘蔵ネームの一部も掲載されている。
2018年に入って『コナン』の休載が多くなったため、本作は『コナン』の休載週に掲載されることが告知された。
登場キャラクター
- 安室透/バーボン/降谷零
本作の主人公。29歳。
『コナン』本編では未だ謎多き人物だが、本作では表情豊かな一面も描かれている。
喫茶「ポアロ」の看板娘で、「安室透」としての同僚(先輩)。23歳。
彼女特製のカラスミパスタは常連客の刑事たちに大人気。
黒の組織の幹部で、「バーボン」としての同僚。
本作ではなぜか目から上が描かれていない。
警視庁公安部所属の公安警察官で、「降谷零」としての同僚(部下)。30歳。
本作では年下の上司である降谷の右腕として奮闘する姿が描かれる。
TIME.5から登場する野良犬。偶然出会った安室に懐き、TIME.8から彼の行く先々に現れるようになる。
TIME.9にて晴れて安室の飼い犬となった。
各話ネタ
TIME.1「三足の草鞋」
- 安室の住居として「MAISON MOKUBA」なるマンションが登場。由来は安室の元ネタであるこの人が乗っていたあの軍艦であろうが、『コナン』本編でも由来が全く同じ「木馬荘」なるアパートが登場している(この人が住んでいた)。こちらは放火により焼失してしまったが、犯人に対する「建て直してやれ」という台詞があることから、「MAISON MOKUBA」こそが建て直された「木馬荘」なのでは……と推察する声も。
- 終盤、バーボンとして車を走らせる安室が右手薬指にはめていたのは、『コナン』本編「漆黒の特急」シリーズの舞台となったミステリートレイン(ベルツリー急行)のパスリング。
TIME.2「It's a piece of cake」
- 冒頭、安室とベルモットが食事をしているレストランの内装やビルの外見が、『コナン』本編「命がけの復活」シリーズにて新一と蘭が訪れた米花センタービルの展望レストランに酷似している。
TIME.4「特製カラスミパスタ」
- 「刑事さん達に大人気」の梓特製カラスミパスタとは、『コナン』本編「真犯人からの届け物」のラストで言及されていた特製パスタのことと思われる。
- 「買い出し中にセロリを手に取る」「店長にセロリの在庫を尋ねたことがある」など、劇場版第22作の公開記念特番で話題となった「安室の好物はセロリ」ネタが早速登場している。
TIME.6「舌をかまないように」
- 終盤の安室の鬼気迫る表情は、劇場版第22作のクライマックスそのもの。助手席に乗っていた栗山緑も同映画に登場している。
TIME.7「眠れないんですか?」
- 冒頭の安室とベルモットの会話は、『コナン』本編「謎解きするバーボン」ラストにおける2人のやり取り。
- 『コナン』本編では未だ明確には言及されていないこの5人の関係が示されている。
TIME.8「綺麗にしてやる」
- 洗車中の安室が思い浮かべているのは、それぞれ『コナン』本編「探偵たちの夜想曲」と、劇場版第22作でのRX-7酷使場面。笑顔の割にロクな思い出じゃないとか言ってはいけない。
- 安室がリンゴ1個を素手で割る場面が色々な意味で話題に。
TIME.9「いけないよ」
- ハロが安室の行く先々に現れる場面にて、1コマだけ描かれている黒猫は、『剣勇伝説YAIBA』の登場キャラクター・ドクロがモデルと思われる(作者・新井氏が「『YAIBA』の登場キャラ(っぽいもの)を描いた」とコメントしている)。
- 「幼い頃の安室がこの人に会うためにわざと怪我をしていた」というエピソードは、ごく最近の『コナン』本編にて明かされたばかりのもの。
TIME.10「決めた」
- 安室の言う「(ギターを)一緒に演奏したかった友達」とは、紛れもなくこの人。『コナン』本編「仲の悪いガールズバンド」でも描かれていた通り、安室の回想ではベースを演奏している。
- 犬の名前が「ハロ」になることを予想していた読者も多かった模様。理由は言わずもがな。