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幻想殺しの編集履歴

2018-08-25 11:24:44 バージョン

幻想殺し

いまじんぶれいかー

幻想殺しは、『とある魔術の禁書目録』の主人公『上条当麻』の能力。

「その幻想をぶち殺す!」


概要

上条当麻に宿る正体不明の力。自らの右手に触れたあらゆる異能の力を全て無効化してしまう能力であり、作中でも屈指のブラックボックスたる存在。


『異能』の定義は超能力魔術の他、の奇跡なども含まれ、それが有益なものであろうが有害なものであろうが問答無用で打ち消してしまう。

学園都市230万人の頂点に君臨する「レベル5」の超能力だろうと、致死級の魔術であろうと関係なく、上条が「レベル0」と判定されている原因にもなっている。

つまり上条は見かけ上「レベル0」ではあるものの、実質的には完全な無能力者ではない(学園都市の計測システムが完全な無能力者とみなしているだけ)。


劇中において「原石」と言われるタイプで、上条自身にもオンオフを切り換える事は出来ない常時発動型の能力である。その為、触れた存在にかけられていた魔術を意図せずに打ち消してしまった事も度々あり、本当に消したくない異能には右手を近づけないよう心掛けている。


その性質上、全身に作用することで効果を生むタイプの異能(テレポートなど)も上条には全く効かず、『御使堕し』のような超広大な範囲が対象の魔術にも発動するが、右手の範囲にしか影響しないため、無効化の効果は持ち主にしか反映されない。

また、記憶操作など脳に影響している類の異能は、右手で頭に強く触れれば解除できる。



欠点として、効果範囲は右手首から上(要は右手だけ)であり、さらに「異能」に分類されない力を無効化することはできない(銃撃、スタンガンでの電撃など)。

そのため超能力や魔術に依存した攻撃手段しか持たない相手には大抵有利となれるが、異能を必要としない肉弾戦や近代兵器を用いて戦う敵に対しては、何の効果も発揮しないため勝ち目は一気に薄くなる。


加えて、異能を使って起こされた二次的な物理現象も無効化できない。

例えば、御坂美琴が発生させた、磁力の宿っている砂鉄の鞭は右手で触れれば『異能』である磁力が解除されるため粉状の砂鉄に戻せるが、一方通行がベクトル操作で発射した砂利の散弾は、既に発射された後である為運動エネルギーしか宿っておらず『異能』ではないために無効化できない。


また無効化できてもその処理能力には限界があり、一度に多量の現象を処理しようとすると消去に時間がかかり、右手で受け止めることになってしまう。

上条はこの弱点を「干渉」の性質として利用し、異能の力を掴み取ったり、向かって来る光線を殴って軌道を変えたり、沢山の異能の力の一つに作用させ現象の連鎖崩壊を起こしたりしている。


インデックス曰く、上条が今に至るまで辿っている不幸極まりない人生も、この右手が自分に来る幸運を消していることで訪れているらしい。

ただし何故か父親譲りの女性運や、悪運だけはとてつもなく恵まれている。言葉を借りるなら前者は女性から酷い目に合わされる前兆、後者は死んで楽になれず苦しみ続ける、というタイプの不幸なのかもしれない。



一応"魂"や"生命力"といった、オカルトではあるものの自然のままに存在する力だけは消さず、出力がほぼゼロにまで低下する性質がある事も後に判明。そのため真っ当な生命にとっての死神となってしまう心配はない。


そして例え右腕が切断破壊されても、断面から竜王の顎または目に見えない「謎の力」が発生して効果は継続され、それらの現象が収まると共に右腕は再生する。

右手だけを奪っても「幻想殺し」の力は急激に失われて行くため、上条からこの力を失わせる事は絶対に不可能となっている。


また、新約7巻にで恋査(#028)が自身の機能を使用して幻想殺しを使用しようとした際、解析不能な作用でボディの大部分が破損するという現象が起きていた事や、中の人アレイスター=クロウリーのプランに必要不可欠なものである事、そして何かを目撃したフィアンマがクロウリーに口封じの為に襲撃されるなどの描写から、ただの異能の力であれば全て無効化してしまう能力という訳ではないらしい。


一方、上記の出力限界からか、世界全部を丸々作り変えるような"出力∞"の力に対しては全く敵わず、自身の存在を維持する位にしかその効果を発揮できない。

その為コンビニ感覚でそれを成してしまう魔神達が登場してからは、精神・能力両方の意味で"切り札"的要素は失われていった。


正体

先代の幻想殺し

幻想殺し、あるいは幻想殺しと類似した力は過去にも武器や洞窟などの形で存在していた。


どの時代に生まれ誰がどんな理由で創ったのかは兎も角、19世紀~20世紀の『黄金』全盛時代に「ブライスロードの秘宝」と呼ばれ、矢の形をした究極の追儺霊装として機能した。


突き刺さっていたのはたった一本の矢であった。

ただし素材は鉄でも木でもない。濁った色のワックスを固めたような何か。先端が歪な五つ又に分かれた、何かを掴もうとする掌のような……。

『鏃は骨、矢羽は革、本体の矢柄は蝋……それもまた、血肉が蝋と化した屍蝋』

つまり。

それこそが。

『幻想殺し。とある聖者の右手を素材に製造された究極の追儺霊装。元は召喚失敗の際に退却せぬ者を魔法陣の向こうへ追い返すために用意されていた秘中の秘となる兵器です』

  ~新約とある魔術の禁書目録18巻~


ミナ=メイザース曰く「異世界から召喚された者を元の世界に追い返す力」。

「火花(位相の接触から発生する不幸の運命)」を払う力も持っているらしく、まさに追儺のための霊装だったようだ。

図らずも旧約禁書でのガブリエル(ミーシャ)を『位相』へ追い返したりしたのは正しい使い方の一つだったことになる。


秘宝は『黄金』側が保管していたが『黄金』に所属する魔術師同士の内乱(ブライスロードの戦い)でアレイスターが持ち出して使用し、メイザースやウェストコットを始末した。しかしメイザースとの戦闘で破壊されてしまい、力は時代を超えて「別の器」に宿る事になる。


幻想殺しという一つの伝説が『この時代』から消えていく。

どこに?決まっている、のちに上条当麻へ辿り着くための、別の道へだ。

  ~新約とある魔術の禁書目録18巻~


世界の基準点

半分魔神のオッレルスや真正の『魔神』によると、その正体は全ての魔術師達の怯えと願いが集約したもの

歪められた世界を正す為に存在する『世界の基準点』とでもいうべき力が幻想殺しの本質とされている。


魔術を極めて神となった『魔神』は、あまりにも強すぎて魔術業界の99.9%を占める存在だという。

魔神に宿る「無限」の力は、ちっぽけな地球だけでなく「世界」単位で影響しており、宇宙全体を思いのままに歪める。

例えば世界を構成する素粒子、あるいは生死の概念、温度や質量、層が異なる重なった世界(位相)…このような根幹部分にさえ作用し、世界の在り方を変えてしまう。

それこそ旧約1巻での魔神の説明のように1+1=3となり、リンゴは下から上に落下し、死んだ者が生き返る、既存の法則では考えられない歪な世界が誕生する。


同時に魔術師達は、歪んだ世界をあるべき形に戻す力を無意識下で願った。

もし「元の世界」への足掛かりとなる不変的な基準点があれば、リセット地点・バックアップのような力があればと。

そんな魔術師達の夢・願い・怯えが凝縮した力が『幻想殺し』として顕れたのである。


魔神やアレイスター曰く、どうやら事象の中心は上条当麻の方にあるらしい。

幻想殺しは「神浄の討魔」という真名の持ち主、その魂の輝きに惹かれて吸い寄せられたとのこと。


同質の『理想送り』が魔術師の99.9%を占める『魔神』の自殺願望が反映されていた事は、幻想殺しの「世界の基準点」説を後押ししていると言える。

ではそのような力はなぜ存在する?何が幻想殺しを本当の意味で形創った?というか魔神とアレイスターが何を知っている?など、根幹に関わる不明な部分もまだまだ多い。


テレマとの関係

「……たかが十字教程度で、あの右手や幻想殺し……そして『神浄(かみじょう)』を説明しようと考えた事。それ自体が、君の失敗だ」

「私の持論は、『法の書』の完成と共に十字教術式の時代は終わった、というものでね。実際、君は良い所まで行っていたと思うよ。『神上(かみじょう)』という着眼点も含めてね。オシリスの時代……つまり十字教単一支配下の法則ではなく、その先のホルスの時代をフォーマットに定めていれば、私と似たような地点を目指していたかもしれないな」


右方のフィアンマの計画は基幹となっていたフォーマットそのものが古い=オシリスの時代の法則という点以外はアレイスター=クロウリーの計画(プラン)と似通っていたらしい。


現実のクロウリーは20世紀に人が生きる時代をエジプト神話の神の名を借りて3つに区分しているのだが、これは彼が創立した宗教「テレマ教」において重要な意味を持つ。

  • イシスの時代

キリスト教(禁書では十字教)より前の原始宗教の時代。

  • オシリスの時代

キリスト教が支配する時代。

  • ホルスの時代

神に隷属する時代が終わり、人間一人ひとりが真の意志に目覚めて神となる時代。


クロウリーは禁書でもテレマの法を持論として掲げており、エイワスを召喚して「法の書」が完成した1904年に審判が下り、今の時代は「次(ホルス)の時代(アイオーン)」であると主張している。


フィアンマは異形の力で満たされた神殿=ベツレヘムの星を用意し、その中で右腕の力=聖なる右を精練し、その力でもって位相そのものの厚みを再調整し、世界を「天界」に作り変えようとした。

一方、クロウリーは形を変えたテレマ僧院=異能の力で満たされた「学園都市」を創り、その中で上条当麻を活躍させて何かの成長を促していた。

(学園都市の治安が悪かったり、意外と隙だらけなのも上条を活躍させるため)


クロウリーの計画(プラン)で重要になるという設定上、幻想殺しもしくは竜王の顎の正体はテレマ教に関係する何かではないかと予想されている。


ハディート

読者間では、テレマの神格「ハディート」が正体の有力説として挙がっている。


この説の根拠はオシリスの時代とホルスの時代の対比。

ミカエルとハディートが共に「火・南・右方」に対応、フィアンマ(右手)と上条(右手)、クロウリーとフィアンマの計画の着地点、幻想殺しと右手と神浄が十字教の尺度では説明できないことなど。

こうした点を踏まえてハディート説が有力と考えられている。


ハディートは『法の書』で、「我は魔術師にして悪魔祓い師。我は車輪の軸、そして円の中の立方体なり」「我はあらゆる人間の心の内、そしてあらゆる星の中心核にて燃える炎なり。我は生命にして生命の与え手なり。にも関わらず、結果我に精通する事は死に精通する事となる」と述べられている。

この悪魔祓い、世界の中心点という概念も幻想殺しに通じるかもしれない。


コラボでの描写

コラボ企画『とある魔術の電脳戦機』では、電脳戦機バーチャロンの世界からもたらされたV-クリスタルやリバース・コンバートによる情報の物質化および物質の情報化、精神干渉、ひいてはタングラムの因果律操作のような現象も、超絶的テクノロジーや宇宙の法則を超えるような超"科学的原理"で引き起こされた故か、幻想殺しでは無効化することはできなかった。


ただ、上条が愛機となったテムジンでやってのけたように、幻想殺しの―-ひいてはそのうちに宿るナニモノカのチカラを、バーチャロイドの中枢・V-コンバータを介して機体にフィードバックさせることは可能な模様。


セルフコラボ小説『とある魔術のヘヴィーな座敷童が簡単な殺人妃の婚活事情』では、テュール神の因果律操作を無効化している描写もある。

しかし別のセルフコラボ小説『合コンやってみました。ただしオールスターで世界の危機ではあるけども。』では、『未踏召喚://ブラッドサイン』のヒロイン「白き女王」が世界を消し飛ばした際、上条個人に対しても幻想殺しの力が働いている描写がなかった。


因果律の操作や世界の破壊についてはタングラム白き女王など、一定の法則を超越した存在を考慮すると「力の強弱」「法則の上下関係」「対象が個人か世界か」「魔術的な現象」という色んな判定が関わってくるものと思われる。


とある魔術の電脳戦機』枠で『スーパーロボット大戦X-Ω』に参戦した際にはコードギアスシリーズのブリタニア騎士にかけられたギアスを打ち消す場面が存在する。こちらは上述した事情もあって、ある意味で『願い』繋がりのクロスオーバーとも言える。


関連タグ

とある魔術の禁書目録 上条当麻 竜王の顎 アレイスター=クロウリー

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