概要
「ネットワーク上のエチケット」という意味で、略称は「ネチケ」など。
要はインターネット上での掲示板やチャット、SNS等のコミュニティを利用する上で守った方がいいマナーのことであるが、ネット上のルールについては法令に反する行為を除けば厳密なルールが定められていない事が多く、狭義的な部分は個人の定義や時代の流れによって曖昧である。
例えば複数の場所に同じ書き込みをする「マルチポスト」行為は、かつてはサーバーに負荷がかかることからネチケット違反とされてきたが、現在ではそのような問題もない(ただし、満足のいく返答がもらえなかったから同じ内容を書き込む行為は、回答者側からすれば不愉快に感じる事もある)。
近年ではネットの低年齢化やSNSの登場、スマホといったネット接続デバイスが爆発的に増加し、2000年代に言われていたネチケットがあまり守られていないのが現状であり、現在は死語として扱われる場合も少なくなく、これらは最近では「ネットマナー」という名称で使われることが多くなった。
広義的なネチケットの一例
広義的なネチケットとして挙げられるものに、
- 法律や利用規約を守った上で書き込む
- 荒らしはスルー(無視する)
- 荒らし行為や誹謗中傷・ネットイナゴをしない
- 不確かな情報(デマ)を無闇に拡散しない
- 画面の向こうに人がいることを自覚して思いやりを持って行動する
といったものが代表的であろうか。
ネチケットを守らなくとも罰則となることは基本的にないが、相手に不利益や不愉快な思いをさせてしまい、これらの度も過ぎてしまえば犯罪行為として警察にお世話になるケースも過去に事例がいくつもあるので、一定のモラルや一般常識はネット・SNSの世界でも求められるだろう。
炎上などのトラブルにつながった場合は「ネットマナー」「ネットイナゴ」の記事を参照。
なお上述の通り、狭義的なネチケットは曖昧な部分も多く、挙げるとキリが無いため、ここではpixiv、ピクシブ百科事典を利用する上で求められるネチケットについて簡潔に説明する。
Pixiv・ピクシブ百科事典におけるネチケットの一例
著作権を守る
他者のイラストを投稿し、あたかも自分の作品のように公開することは(作者が許可している場合を除いて)無断転載となり、著作権違反になる。詳細については無断転載の記事を参照の事。
また、トレースや模写も場合によっては著作権違反行為であり、そもそも二次創作自体も著作権上グレー(もしくは黒に近いグレー)な存在なので、これらも頭に入れておきたい。
ピクシブ百科事典でも、Wikipediaやニコニコ大百科、wikiをそのまま貼り付けたような記事が散見されるが、これも違反行為にあたるので、あくまでも参考に留め、自分で考えた文章で執筆するのが望ましい。
性的描写、グロテスク、同性愛などのニッチなジャンルにはきちんと指定する
R-18やR-18Gのタグは単純にイラストに付けただけでは意味が無く、性的描写やグロテスクな描写がある場合は、「閲覧注意」やそれを示すワードなどをタイトルに記載したり、1枚目に規制をかけるなどの配慮をする必要があり、同性愛(BLやGLなど)の他にも擬人化や性転換・女体化といったニッチなジャンルにも同様の配慮が必要になる。
閲覧者の中には、こういった作品に嫌悪感を抱く人も居ることを忘れてはならない。
記事の執筆・編集について
ピクシブ百科事典はアカウントがあれば誰でも書き込め、Wikipediaとは違い、記載に対する議論を重ねて方向性を判断する必要性は低く、比較的執筆の敷居が低いのが特徴である。
裏を返せば、書いた記事は大なり小なり加筆修正される頻度が非常に多いという事を知る必要があり、中には執筆した文章・手法を書き換えられてしまい、該当執筆者にDMなどで直接批判を行うユーザーがいるが、余計なトラブルの原因となるために慎しんだ方が良い。
望み通りの文章にしたければ、ここではなく自身のホームページやブログで書く方が精神衛生上好ましく、文章の書き方、読みやすさの価値観を相手に押し付けてはならないし、書いた文章が、相手にも読みやすいとは100%限らない事をしっかり理解することが大切である。
ただし、記事の差し戻しや白紙化などをする場合は、記事のコメント欄やスタックフィードで相談することが望ましく、編集合戦はアカウントの凍結に繋がるので避けるべきである。
誤記や表記揺れの原因となる記事の乱立や、立て逃げをしない
記事の乱立や立て逃げといった質の低い行為は運営側に迷惑をかけるだけではなく、検索で調べに来た閲覧者側にも迷惑がかかるので、一定の質を保つ必要があり、場合によっては運営側から乱立荒らしに認定されてしまう可能性がある。
ピクシブ百科事典ではタグひとつひとつに記事が存在し、各記事で作品数の集計を行っており、表記揺れが無駄に増えると投稿数の正確な把握が出来なくなってしまう。
誹謗中傷などのタグやコメント、キャプションを書かない
特に自虐系のタグなどは閲覧者が付けるべきタグではない。投稿者自身が付けているならまだしも、他者にそのようなタグを付けるのは失礼にあたる。
また投稿作品を貶めたり、作者を人格否定するかのようなコメントも、ネチケットどころか社会的マナーとして相応しくない行為である。
いくら自分が納得いかない作品であっても、根拠のない批難や中傷をすべきでは無い。
pixivに限らず他人を逆撫でするような発言や、煽り・悪口等を平然と書けば、それに対する批難や暴言が集中するのは当然のことであり、書いた本人に悪気が全くなかったとしても、ある人にとっては不快に受け取られる可能性も十分ある。
批判と批難は別物です。その点を十分に考えてコメントやキャプション等を書きましょう。
無意味な感想タグ・自分タグで埋めない
新規タグの追加が不可能な状況は作品検索の支障に繋がるので、特に投稿者の付けたタグは閲覧者側での削除が出来ないので注意。投稿作品は日記帳ではありません。
誤ったネチケット
余談としてツイッターでは、
- 無言フォローは失礼なので挨拶は入れる。
- フォローしていない相手にリプライする場合は「FF外から失礼します」と入れる。
という暗黙のルールがあり、一種のネチケットとして扱われる場合があるが、これは一部のユーザーがやり始めたローカルルールにすぎず一般的ではないため、ネチケットの定義からは外れる。
というよりも、このような過剰な礼儀が使われているのは日本だけであり、海外では結構不思議がられているらしい。
また漫画『魁!!クロマティ高校』の登場人物である藤本貴一が、自分のネット掲示板に荒らしが出た際、「あなたはネチケットをご存知ですか?」などといった、荒らしを相手に売り言葉買い言葉で言葉の応酬をしていたが、これも誤ったネチケットによるネチケット違反である(ネチケットでは荒らしはスルーするのが得策とされる)。
ネチケットは確かに大切だが、あくまでも自分を戒めたり、相手への配慮を求める際の注意喚起のみに留め、他者に非常識だと称して、無理やり強要して押し付けるものではないことを心に命じよう。