概要
日本の仏教において、神仏習合における天部の神で、薬師如来の垂迹であるとともに、須佐之男の本地とされており、現在の八坂神社にあたる感神院祇園社から勧請されて全国の祇園社、天王社で祀られている。
京都東山祇園や播磨国広峰山に鎮座する神であり、蘇民将来説話の武塔天神と同一視され、更に釈迦の生誕地に因む祇園精舎の守護神とされており、祇園神という祇園信仰の神でもある。
陰陽道では天道神と同一視された。
『神道集』によると、彼の従神には道教において男女の仙人の長とされる東王父と西王母が含まれるが、午頭天王は中国の文献には登場しない。
家族関係
- 妻:頗梨采女
陰大女ともいい、八大龍王の一人「娑伽羅(サーガラ)」の娘の一人。『神道集』では次女、『祇園牛頭天王縁起』では三女とされる。法華経で女人成仏したとも解釈される龍女は妹(五女)にあたる。牛頭天王がスサノオと習合すると、スサノオの妻クシナダヒメと同一視された。本地は十一面観音とされる。
- 息子:八王子
八人の王子。メンバーは相光天王、魔王天王、倶魔良天王、徳達天王、良侍天王、達尼漢天王、侍信相天王、宅相神天王。
陰陽道における8人の方位神で天体神でもある太歳神、大将軍、太陰神、歳刑神、歳破神、歳殺神、黄幡神、豹尾神と同一視される。
このほか眷属神が眷属八万四千六百五十四柱いる。
創作での扱い
女神転生シリーズ
『女神異聞録ペルソナ』では「チャリオット」のペルソナとして、牛骨の仮面をかぶったストライプスーツに赤マントの姿で登場した。呼び出した当初は単体攻撃しかできないが、ランクが上がりメギドを覚えると主力として活躍する。稲葉正男専用のスサノオ(ペルソナ)とは共通の意匠がみられる。
『真・女神転生Ⅲ』では池袋に本拠地を置くマントラ軍の長で、強大な力を秘めた赤鬼の様な石像である。自身は「ヨスガ(縁)」のコトワリを得ることはできなかったが、「シジマ(静寂)」との抗争の末にある人物にボルテクス界の王「魔丞」の地位を譲ることになる。
Fateシリーズ
『Fate/GrandOrder』では源頼光の宝具「牛王招来・天網恢々」として、彼女が借り受けた牛頭天王の力を解放する必殺技という形で実装されている。