ドラムス(プリキュア)
どらむす
CV:木村昴
概要
ゼニー星にやってきた星奈ひかる達が出会った、星空界一の大富豪・ドラゴン家のドラ息子。名前通りの竜人型宇宙人で、新幹線の様な長いリムジンに乗って登場し、屋敷もゼニー星に構えている。
如何にも宇宙の大富豪らしく気障で尊大な鼻持ちならない性格をしており、欲しい物を手に入れるためには金に糸目はつけず、仮に壊れたとしてもまた新しく買えば良いと思っており、金銭以上の価値をまるで見出せていない。また、オークションで香具矢まどかと競った時も、巧みに口実を作って勝負を降り、自身の面目を保つ等少々ずるい面も持ち合わせている。
上述の屋敷の防犯の為にもドラゴン兵団なる私兵を雇ったり、彼らも恐れる宇宙ケルベロスを番犬に飼ったり、宝物庫の竜人像型ロボットアームを設え、果ては宇宙怪盗ブルーキャットの情報まで調べる等、何事も金に物を言わせて成し遂げる。全くこれだから金持ちは……。
因みに彼の名誉の為に擁護しておくと、彼は(形は褒められないが)経済的教養を相応に兼ね備えた本物の超富裕層であり、金銭抜きの付き合いを今までした事が無いだけで根は決して悪人ではない。
劇中での動向
15話
オークションの会場へリムジンに乗って初登場(この時守衛からは「ドラ息子」とさり気にディスられていた)。余興として宇宙アイドル・マオを呼ぶなどの余裕を見せ付け、いざオークションが始まった時にも出品物を次々と落札。
果ては最後の品としてプリンセススターカラーペンが出品され、12本集めれば何でも願いがかなうという説明を聞いた際も、「ボクは超大金持ちだから望むものは全て手に入る。そんなものに興味はないね」と嘯いて不参加のような素振りを見せていたのに、その価格が8億キランまで上がったのを見るや、「お手洗いの電球が切れていたのを思い出した。代わりのライトにちょうどいい」という嫌がらせのような理由で9億を提示するなど、常人には理解しがたい独占欲と金銭感覚を視聴者に見せ付けた。
だが、オークションに出品されたプリンセススターカラーペンを巡り、香久矢まどかと張り合った末に、彼女の大胆なブラフとポーカーフェイスに屈し、「レディーファーストが家訓である」としてまどか達にペンを譲った。ただし、内心では「ボクのかっこよさを引き立てつつ、自然な降り方。セーフ!」と胸を撫で下ろしており、自身の体面を守ると言う下心の方が強かった。お金持ちってずるい。
ところが直後に怪盗ブルーキャットに(自身が落札した)出品物を根こそぎ奪われ、乱入したアイワーンからもノットリガーの素体にされるなど、踏んだり蹴ったりな目に遭ってしまう。
17話
何とおとめ座のペンが彼の屋敷の宝物庫に保管されている事が判明。
実は先の15話の最終シーンでキュアセレーネが手にしたいて座のペンに興味を示している様子が描かれており、自分もコレクションとして集めてみようと思い立ったようだ。
その事で再びゼニー星を訪れたひかると、同じくペンを狙うブルーキャットが屋敷に侵入したのを受け、自分に勝ったらおとめ座のペンを譲るが、負けたらそちらが持ってるペンを全て貰うと言う勝負を持ち掛けた。
斯くして最初の赤外線(?)に反応するレーザーのセキュリティーをえれなとプルンスの両名と連携したブルーキャットに突破され、続くドラゴン兵団もプリキュア達は正面から戦わずにその巨体の股下を潜ってそのままスルー。更にドラムスに化けたブルーキャットが騙す形で退散させられる。その後、5人が偶然宇宙ケルベロスの部屋に迷い込んだ際には家で犬を飼っているひかるが持ち前の馴らしスキルで手なづけた為に第3の関門もクリアされてしまう。
漸くひかる達がペンの保管された宝物庫に辿り着くと、本人自ら登場。ブルーキャットの「惑星レインボーの宝のみを狙い、それ以外の宝は貧しい人々に与えてしまう」という行動原理(金にものを言わせた捜査で明らかにした)を看破した上で「宝の価値がわからない君や貧乏人に渡すぐらいなら壊した方がマシ!また新しく買い直せば良い」という言い分で宝物庫備え付けのロボットアームを起動し、自ら宝を粉砕し始める。
「泥棒にとられるぐらいなら」まではまだ理解できる価値観だが、ブルーキャットや貧しい人々を「宝の価値がわからない」と決めつけ、相手(ブルーキャット)の気持ちを1ミリも考えようとしないその姿勢は傲慢以外の何物でもない。
また、ドラムスにとって宝は自分の都合で手放したり買い戻したりできる程度のものでしかないと判明。これでは「宝の価値がわか」っていないのはどちらか、と言い返されても仕方ないであろう。
(彼は財宝の文化的・歴史的な価値に興味は持たず金銭的な価値しか見ていないが、財宝を「経済上の資産」としてだけで捉えた場合はドラムスの考え方はむしろ筋が通っていることも留意しておきたい。意地悪な言い方になるがあえて現実的に考えると、貧しい人々に流通の容易な現金でなく、換金も難しいであろう億単位の宝を直接配るなんて乱暴なブルーキャットのやり方は「宝の価値がわかってない」と言われても仕方ないところはある。また、資産は流動するべきものなので、所有という概念にこだわりすぎない点で言えば彼はただの成金ではなく、形こそ褒められないものの経済的教養がそれなりにある本物の超富裕層だということなのだろう。)
ともあれ、ドラムスの暴走で宝物庫の宝は次々と砕かれ、惑星レインボーの宝を積んだブルーキャットのコンテナも奪われて粉砕寸前となってしまう。
この暴挙を止めるべく、それまで変身しなかった4人は遂にプリキュアになって応戦。リモコンを奪うべく、キュアスターとブルーキャットがドラムスの前に躍り出る。だがそこへカッパードが乱入し、彼によってイマジネーションを塗り潰されたドラムスは再びノットレイダーの力の素体にされてしまう。
危うくペンを奪われそうになるが、ブルーキャットのカードの投擲の援護を受けて妨害したキュアスターの手でペンはキュアソレイユに渡り、おとめ座・ソレイユシュートに次ぐサザンクロスショットでプリキュア達はカッパード達を撃退。
ペンの為に踏んだり蹴ったりな目に遭って懲り懲りなドラムスはひかる達が勝負に勝った事もあり、プリキュアにおとめ座のスターカラーペンを譲渡。おとめ座のプリンセスも復活してめでたしめでたし……となるわけでもなかった。
ドラムスが財宝を譲ったのはあくまで今回の勝負に関しての話。15話のオークションでドラムスが競り落とした財宝をブルーキャットが奪った件は彼からしてもスルーはできなかったのである。
しかしブルーキャットはプリキュア4人をドラゴン兵団に入れても良いからその件はチャラにしろとひかる達抜きに勝手に取引をしてしまう。ドラムスはそれを承諾して大喜びで彼女達を兵団に引き入れようとするが、当然のごとく本人達からは断られて、ドラムスはまたまた貧乏くじを引かされることに。(ひかるだけは乗り気だったが…)
ただ、まどかは「何か困ったことがあったらお助けします」とは言い残しており、さらにそこで「お金はいりませんから」と断りを入れている。ドラムスはその言葉に非常に困惑しており、どうやら金抜きの関係性というものを経験したことがないようだ。
余談
声を演じる木村はプリキュアシリーズ初出演。本人曰く「台本を頂くまでの数日間、もしやと思い変身の練習をいっぱいしました(笑) 」との事。
何気に作中でノットレイダー以外相手に変身させたのは彼が初となり、試練用のエネミー扱いで言えば先代プリンセスプリキュアの精神世界が生み出したディスピア以来となる。
関連タグ
七瀬ゆい、剣城みく、千瀬ふみと:繰り返し敵から素体にされた不憫な一般人繋がり。
五星麗奈:二度目の登場でプリキュアの正体を知ることになったお金持ち繋がり。プリキュアに助けてもらった自覚がないままだったのも共通。
ショウ・ロンポー:『宇宙戦隊キュウレンジャー』に登場した竜人型の宇宙人。木村氏も当作品にナレーションで出ていた。
サウザン星人ギネーカ:『特捜戦隊デカレンジャー』に登場したセレブな宇宙人。ただし、こちらはドラムスと違って極悪非道の犯罪者。