概要
太古の昔、大いなる闇を封じホープキングダムを建国したとされる3人の神姫たち。
“強さ”、“優しさ”、“美しさ”の3つ全てを兼ね備えたグランプリンセスになったと言われる存在。
今作のプリキュアであるプリンセスプリキュアの初期メンバー3名は、彼女たちの力を受け継いだ後継者である。
現代においてはすでに故人であるが、物語の要所においてホープキングダムの霊廟やドレスアップキーの「記憶の世界」において現代のプリンセスプリキュア達の前に魂として現れる。
4つ目のプリンセスパフューム
いつの日か自分達が封印した闇が力を増した状態で復活することを予見し、先代達はその時に備え生前に4つ目のプリンセスパフュームを作り、とある古城に安置していた。そのパフュームの存在は王族も把握しておらず「秘密兵器」として長らく秘匿されていた。
しかし第19話で、その4つ目のパフュームは王国を乗っ取った闇の組織ディスダークの首魁ディスピアの娘・トワイライトが手に入れてしまう。
そしてディスピアはそのパフュームを闇の力で制御することができるブラックキーを生み出し、4つ目のパフュームはトワイライトのパワーアップアイテムと化してしまった。
第20話ではこの危機を察知したドレスアップキーがはるかたちをホープキングダムへと強制転送し、先代プリンセスプリキュアを祀ったそれぞれの霊廟に導く。その中ではるかたちは先代の魂と邂逅し、4つ目のプリンセスパフュームが存在する事を知る。そしてそのパフュームがブラックキーの魔力で闇に染まり切らないうちにそれを取り戻してほしいと、先代の魂は現代のプリキュアたちに願いを託すのであった。このときは声のみで姿は現さなかった。
4つ目のパフュームは一時闇に染まりロストパフュームと化し、ブラックプリンセスの変身へと利用されてしまう。敵に利用されてしまったことは対策が裏目に出てしまったともいえるが、このパフュームを手にしたトワイライトは後に紅城トワとしての本来の人格を取り戻しキュアスカーレットとして4人目のプリンセスプリキュアとなった。
このキュアスカーレットはディスピアを一時戦線離脱に追い込むほどの戦果をあげたりしているため、先代の対策は結果として功を奏したといえよう。その後も、新世代のプリキュアという関係上彼女のイレギュラーな立ち位置が30話等で活かされている。
トワは建国者である先代の子孫という可能性も高いので、トワと4つ目のパフュームとの邂逅はある意味運命的なものともいえる。
第29話
第29話では、はるか、みなみ、きららの三人が先代たちの残した「記憶の世界」で、先代たちの残留思念と邂逅しこれからの戦いを乗り越えるための諭しを受ける。この29話については先代をメインに扱ったエピソードであったため、話全体の詳細を記述する。
29話時点のはるか、みなみ、きららの三人は9本のドレスアップキーをロックに奪われプリキュアに変身できなくなっていた。しかしパフが感知したドレスアップキーの気配を探りノーブル学園の森を一同で散策する最中、3人だけが「先代の記憶の世界」へ誘われることになった。
この記憶の世界は、この時点で未発見だった残り3本のプレミアムドレスアップキー(サクラキー・サンゴキー・ギンガキー)が作り出した一種の精神世界であり、ドレスアップキーに残されていた先代の夢の想いによって成り立っている。
そして、この世界の中では先代プリンセスプリキュアの残留思念が生前の姿をとって登場した。
「記憶の世界」はただ静かな森が広がるだけの空間だが、森の中のある区域に小さな庭園のようなものがポツンと作られている。そこには石作りの柱や東屋がたちならび、花壇や果樹園なども添えられた優雅な場所。大いなる闇と戦っていた先代プリンセスプリキュアたちの憩いの場が再現されたもののようだ。
だが、ここに誘われたはるかたちはまさかここが一種の夢の世界であるとは知る由もなく学園の森の中の知らない場所にやってきたと思い込んでいた(実際ノーブル学園の敷地内には、卒業式のときにしか招待されないローズガーデンが厳重に隠されているくらいなので謎の庭園くらい隠されていてもそう考え的には不思議ではない)。
この庭園にいた少女たち、すなわち先代の幻影は、自分たちの素性は一切語らずただ迷い込んできたはるかたちにお茶をもてなす。はじめは不審がっていたはるか達だが、もてなしを断るのは失礼とそれを受け自分たちの夢を話しながらつかの間の交流を楽しむ。
だがそこに突然、ディスピアとゼツボーグが現れ庭園を破壊し出す。プリキュアに変身できないはるかたちはなすすべもなく逃げ惑うだけで今にも絶望に打ちひしがれるところであったが、「何もできないまま夢を奪われるのは絶対に嫌」となんと生身でゼツボーグに立ち向かうことを決意し、少女たちには自分たちが囮になっている間に逃げろと促した。
すると少女たちは何かを得心したように笑みを浮かべ、なんとロックに奪われたはずの変身ドレスアップキー(フローラキー・マーメイドキー・トゥインクルキー)を新たに生み出し、はるかたちに渡した。事情は後だと語りかけ、それによりはるか達はプリキュアに変身しディスピアとゼツボーグを撃退する。
そして少女たちもまたプリキュアに変身し、自らの正体を明かした。ここが記憶の世界であることを説明したうえで、あのディスピアとゼツボーグは、変身できなくなったはるか達の不安が精神世界であるこの場所で実体となって産み出されたものだったのだという。
しかし、「絶望に負けずに、自分とみんなの夢を守る」という気持ちを最後まで捨てなかったことでその希望の気持ちが精神世界であるこの場所で変身ドレスアップキーとなり、またプリキュアに変身することができたのだ。
ただ、これはあくまで精神世界であるこの世界での話のこと。本物の変身ドレスアップキーはいまだロックに奪われたままなのは変わらない。
しかし、この時にはるか達が感じた不安と恐怖、そしてそれを乗り越えた希望の感情は現実と同じものでもある。はるか達はプリキュアに変身できなくても決して諦めない勇気を、この世界で得ることはできたのだ。先代たちはそんなはるか達を祝福し、その気持ちがあれば大いなる闇に負けることはないと言って光の中へと消えていった。
現実世界に戻ったはるか達ははぐれた面々と合流し、自分たちがいつの間にかプレミアムドレスアップキーを手に握っていることに気づく(勿論変身キーとは別物)。
こうして、ロックに奪われたキーとあわせ伝説の12個のドレスアップキーが全て揃うことになった。
また、この記憶の世界の中では、先代が持っていた夢が「ホープキングダムが永遠に希望あふれる世界であること」ということが判明した。
容姿
先代の存在は本編の最初の頃から言及されているものの、その外見はシルエット(第2話)やボカシがかかった状態(第6話)でしか描かれず、長いこと謎に包まれていた。
しかし第29話の「記憶の世界」の物語で、先代の変身前の姿とプリキュアとしての姿が公開された。
(左:変身前 右:変身後)
ただし、プリキュアとしての姿はモードエレガントのみ。ドレスは二代目とほぼ同じ(色などがわずかに違う他、マーメイドは腕に半透明の布をかけている)が髪型は大きく異なり、二代目と同じわけではない。
なお、先代キュアフローラを初めて見たはるかは「トワちゃん?」と言い紅城トワと間違えているため、先代フローラの容姿はトワにどこか似ているらしい。
ホープキングダムは先代プリンセスプリキュアが建国したとあるから、現代のホープキングダムの王族と血縁関係があってもおかしくないため先代フローラはトワの先祖の可能性もある(但し耳はホープキングダム民のようなエルフ耳ではなく、人間界の者と同じ形)。
メンバー
先代キュアフローラ
ピンクの髪の女性。第20話で声のみ先行登場。
本名は「チエリ」。
(作中では変身前の本名に言及されていないのだが、実は第29話の文字放送の字幕でこの名前が確認できる。ほかの二人の本名も同様)
先代キュアマーメイド
CV:ゆきのさつき
青い髪の落ち着いた女性。
本名は「ユラ」
(間違ってもユナではない)
先代キュアトゥインクル
CV:清水香里
黄色い髪で褐色肌の女性。かなり男勝りな性格。
本名は「セイ」
上述の通りキュアスカーレットは当代が初代であり、先代は存在しない。
雑記
他作品の「先代プリキュア」との比較
過去作品にも、主人公チーム以前に活躍していたプリキュアは存在していた。
また、先輩プリキュアが行方不明になったり、変身能力を失ったために変身アイテムを引き継いだプリキュアも若干名存在する。例えばキュアブロッサムはキュアムーンライトのココロパフュームを、キュアフォーチュンは一時期キュアテンダーのプリチェンミラーを引き継いで変身していた。
しかし、彼女らはプリキュアという地位は引き継ぎながら、プリキュア名は独自のものを名乗っており、先代の名跡を継いだプリキュアはいなかった。
プリキュア名を襲名したのは、二代目プリンセスプリキュアの3名が史上初である。
中の人達について
先代フローラ役の藤田咲と先代トゥインクル役の清水香里は今回がプリキュアシリーズ初出演で、先代マーメイド役のゆきのさつきはYes!プリキュア5シリーズの夏木あい、スイートプリキュアの北条まりあ、スマイルプリキュアの日野正子に続き今回で4度目のシリーズ出演となる。
そして2年後、先代フローラは新たなるプリキュアへと転生し、再び旅立って行った。
関連タグ
キュアマジシャン キュアプリーステス … 「過去に存在したプリキュア」繋がり。
ルミエル … 「過去に存在したプリキュア」繋がりかつ先代フローラ同様に2年後中の人が新たなプリキュアとなった。
キュアネギ … 中の人+『プリキュア』ネタ。