概要
2005年に公開されたONE PIECEの映画シリーズの第6作目。
監督は後に『サマーウォーズ』『おおかみこどもの雨と雪』『バケモノの子』などで知られることとなる細田守が担当。また、細田自身としては初の長編アニメ映画となった。
細田作品特有の細い線と薄い色彩、更には愉快なタイトルなどから期待は高く、ポスターには「史上最大の笑劇!」とデカデカと書かれていた。
しかし蓋を開けてみれば細田の独特の最小限の影やCGの駆使、カメラワークのアングルなどが本作で散りばめられ、さらに、終盤のトラウマ級の展開と描写によって、ファンに強い印象と与えた。
それにより、『ONE PIECE』シリーズの異色作となったため、前掲のポスターとの落差も相まって現在でもかなりの賛否両論となっている(まぁこれには、細田監督自身が、シリーズの事をほとんど知らない状態でオファーを受けたという理由もあるのだが・・・)。
興行収入は12億円。当時の最高記録である『ねじまき島の冒険』(30億円)の半分以下であった。それ以来、4年後に公開された『STRONG WORLDが、48億円という大ヒットを記録するまで、映画シリーズの新作の興行収入は、10億円以上を記録する事はなかった。
この映画の作風が『ONE PIECE』の雰囲気からかけ離れたものとなった理由は、細田監督自身の苦い過去が大きく影響している。この数年前に彼は『ハウルの動く城』の監督に内定されるも最終的に降板されており(制作での人事問題の失敗からと言われている)、その挫折と絶望の中、新たな仲間が集まり希望を取り戻せたという経験を本作に反映させたのだという。
現在においては、細田監督の個性が良くも悪くも最大限に凝縮された作品として、(『ONE PIECE』ファンの評価とは別の次元で)日本アニメ史の研究資料としてよく話題に上がる作品となっている。
ストーリー
グランドラインを進む麦わらの一味。彼らはパラダイスのような島「オマツリ島」の存在記した地図を手に入れ、永久指針をその島に向け進路を定めた。
着いてみるとその島の主と名乗るオマツリ男爵から、勝利すれば宝物をやると言って無茶苦茶な試練を次々に出され、男爵の手下たちと戦う羽目になり、パラダイスとは名ばかりのとんでもない島だった。しかも次第にウソップやナミ、ゾロやサンジの間に軋みが生じ、仲間割れが起こってしまう。
一方、ルフィは男爵に抵抗するチョビヒゲ海賊団船長・ブリーフと出会い、彼から男爵は仲間を壊そうとしていると忠告を受ける。ロビンはこの島の固有種の花・リリー・カーネーションの存在を知る。チョッパーはお茶の間海賊団船長・お茶の間パパとその子供たちと出会い、この島の違和感に気付くことができた。
果たしてオマツリ男爵の真の目的とは?島に隠された秘密とは?次々とバラバラになる仲間達にルフィはどうするのか?
ゲストキャラクター
オマツリ男爵とその一味
リリー・カーネーション(CV.渡辺美佐)
ムチゴロウ(CV.草尾毅)
ケロジイ(CV.青野武)
ケロショット(CV.佐藤正治)
ケロデーク(CV.八奈見乗児)
ケロコ(CV.山本圭子)
DJガッパ(CV.池松壮亮)
お茶の間海賊団
お茶の間パパ(CV.国本武春)
ローザ(CV.大本眞基子)
リック(CV.阪口大助)
デイジー(CV.永井杏)
チョビヒゲ海賊団
ブリーフ(CV.安原義人)
関連タグ
ONEPIECE 劇場版ONEPIECE 細田守 仲間割れ 賛否両論
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