概要
ゴルゴンあるいはゴルゴーンとも。「恐ろしいもの」の意味がある。
ポルキュースとその妻ケートーの子。長女はステンノ(『強い女』の意)、次女はエウリュアレ(『広く彷徨う』、『遠くに飛ぶ女』の意)、末妹がメデューサ(『女支配者』、『女王』の意)。
元々は月の女神の呼称であったといわれている。
メデューサが女神・アテナの怒りを買った際、姉二人がそのことに対して抗議をしたがために、三人とも怪物に変えられたとされる。
髪の毛の代わりに生きている蛇が生えているとあるが、姿形は、しばしば黄金の翼、青銅の手、イノシシのような牙を持つとして描かれていたり、とある壷絵には下半身が馬の腹から下になっている姿で描かれる事もある。神話によると、ゴルゴーンの顔を見たものは石になってしまうとある。
オーケアノスの流れや「ヘスペリデスの園」の近くの世界の西の果ての島に住んでおり、グライアイ3姉妹の姉でもある。
上の二人とは不死身だが、メデューサはペルセウスに首を刈られ、そのとき吹き出た血からペガサスが生まれた。
三姉妹以外のゴーゴン
上記の通り特定の人物をさす名前ではあるが、近年の創作物、特にゲームの類に登場する際は種族名として扱われる場合が多い。この場合はゴーゴンとメデューサはほぼ同義に扱われるか、一方が他方の上位種(色違い)とされる。また語感が力強いためか、三姉妹とは無関係のキャラクター等にゴーゴンの名が用いられる事例は少なくない。
水木しげる作品
主にゲゲゲの鬼太郎で登場。ゴルゴーンなどの名義でも登場するが、多くの場合、『ゴーゴン』または『妖女ゴーゴン』と表記される。
神話の怪物ではなく、単なる妖怪としての扱いが多いが、5期鬼太郎ではアレクサンドリアに言及するなど神話要素が拾われる事もなくは無い。デザインもバラバラで大抵は蛇髪の猪の牙を持つ醜女として描かれる。(一応、『水木しげる妖怪クイズ百科』など、美人に描かれる事もなくは無い。)
尚、『水木しげるの世界の妖怪大百科』では伝承通り、ギリシャの妖怪で対象を石に変える蛇髪の女と解説されているものの、こちらでのデザインでは老婆に描かれていたり、古城に出現するという解説が見られる辺り、1964年のイギリス映画『The_GORGON』(邦題:妖女ゴーゴン)の影響が随所に見られる。
D&D
よく知られているメデューサも設定されているが、それとは別個に設定されている。
姿形は牡牛に近いが、全身が黒味がかった金属の鱗に覆われ、頭には銀の角を持ち、口からは石化のブレスを吐く獰猛なモンスターである。
wizardryをはじめ、いくつかのゲームでこのD&D版ゴーゴンが踏襲されており、背中に翼が描き込まれる場合もある。元ネタに関しては諸説あるが、ギリシャ神話のカルコタウルス説と、博物学の幻獣・カトブレパス説が有力。
カルコタウルス(Khalkotaur=青銅の牡牛)はコルキス王アイエテスがアレスから授かったもので、元々はヘパイストスの作品であったとも言われる。
ドラゴンクエスト
DQ2にはメドーサボールの上位種としてゴーゴンヘッドが、DQ7にはヌーデビルの上位種としてデスゴーゴンが出現する。
ファイナルファンタジー
FF3にはなぜかオケラのようなゴルゴーンが出現。FF4ではメデューサの上位種として、ギリシャ神話の伝承に準ずる容姿のゴルゴーンが出現する。
MARVEL
ファンタスティックフォーやアベンジャーズと協力関係にある超人種族・インヒューマンズの一員としてゴーゴンが登場する。ちなみに男性。
脚力に秀でている、というとスピード型に聞こえるが、足で地面を踏み鳴らすことで地震を起こすというパワフルな能力の持ち主である。
また彼とは別に、ウルヴァリンシリーズのヴィランにもゴーゴンを名乗る人物がいる。こちらは日本出身のミュータントで、本名はトミ・シシド。
見た相手を石化させる能力を持つ。
魔法戦隊マジレンジャー
終盤に戦うことになった冥府十神三賢神の1人、大蛇の冥府神ゴーゴンとして登場。盾から放たれる蛇は噛みついた相手を石化させる能力を持つ。
メタルマックス2
防衛システムである、蛇のような銃口を持つゴーゴンホールが登場。
LUNAR
2作目「エターナルブルー」のラストダンジョン開口部に出現する、蛇の三つ首が頭頂にある深海魚のようなゴーゴンギドラが登場した。また1作目リメイクの「シルバーストーリー」で魔法使いの少女ミア・オーサの大切なものであるぬいぐるみ「ゴンちゃん」としてマスコット化された。