立方八面体
りっぽうはちめんたい
概要
半正多面体の中でも、より正多面体に近いグループである準正多面体に属している多面体の一つ。
その名の通り、面において「立方体+正八面体」という感じとなっている。
英名はキュボクタヘドロン(Cuboctahedron)。
立方体(or正八面体)の各面の中心同士を結ぶと正八面体(or立方体)になるが、対して各辺の中心同士を結ぶとこれになる。
この操作は「各頂点を深く切り込む」と見ることも出来、Rectificationと呼ばれる。
切り込む深さを変えて行く事で「立方体⇔切頂立方体⇔立方八面体⇔切頂八面体⇔正八面体」のように変化する。
正四面体を膨らませたような形(CantellationあるいはExpansion)でもある。
2つの正三角台塔(ジョンソンの立体の一種)を、正六角形の部分で一角分ずらして張り合わせた形でもあり、そのため「異相双三角台塔」とも呼ばれる。
ずらさなければ同相双三角台塔となり、角度によっては区別が難しい。
正六角形や正二十四胞体と同様、頂点と「立体の中心」との間の距離が、辺の長さに等しいという性質も持つ(以降「頂点と中心との間の距離=辺の長さ」と表現)。
ただしこれらとは異なり、単独での空間充填はできないし自己双対でも無い。
ただ、双対である菱形十二面体は、単独での空間充填が可能であり、一方で「頂点と中心との間の距離=辺の長さ」という性質は持たない。
丁度、正六角形や正二十四胞体の性質が、双対多面体と半分ずつ分けられたような形となっている。
名称について
上記の「異相双三角台塔」という別名は、ジョンソンの立体に倣ったものとなっている。
ただ、ジョンソンの立体の場合と同様、面が正多角形の場合に限られるのかどうかが曖昧な部分が無くも無い。
「ベクトル平衡体」という意味深な名前もあり、これは上記の「頂点と中心との間の距離=辺の長さ」という性質からバックミンスター・フラーが命名したと言われている。
ただ、この名前で検索した結果は疑似科学的な内容で溢れており、ベクトルや平衡がここでは何を意味しているのかは説明が見当たらない。
立方体は正六面体とも呼ばれ、同様に「~立方体」は「~六面体」とも呼ばれる。
するとこれは、もう1つの準正多面体である二十・十二面体に対して「八・六面体」となるが、なぜか正式名としては未だ見当たらない。
Wikipediaにおいては正六面体および「~六面体」表記が優先されているが、これについては立方八面体のままである。
派生となる半正多面体等
操作の詳細は「半正多面体」を参照。
関連外部リンク
- 立方八面体 - Wikipedia…詳しくは英語版を参照。