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一様多面体

いちようためんたい

正多角形または星型正多角形で構成され、頂点が全て対等であるような多面体。
目次 [非表示]

概要

有限枚の正多角形(または星型正多角形)で構成され、かつ頂点推移的(単なる頂点の形の合同ではなく、どの頂点に目印を付けても結果が変わらないような性質)である多面体

正多面体の他、半正多面体星型正多面体もこれに含まれる。

英語名はUniform polyhedron。


一様多面体という名ではあるが、定義は未だあまり一様ではなく、以下の1~4はまず含まれるが、5~6は含む立場と含まない立場が存在。

  1. 正多面体(5種)
  2. 星型正多面体(4種)
  3. 半正多面体(13種)
  4. 半正多面体の凸でない版(53種) … 正式名称不明。詳細は後述。
  5. アルキメデス角柱(∞種) … 底面が星型のものも含む。
  6. アルキメデスの反角柱(∞種) … 底面が星型のものや、交差反角柱になってるものも含む。

1~4のみを含むとする場合、計75種となる(鏡像の別は除いている)。

並べる順番は幾つか定義されている。


凸型でないものは特に星型一様多面体(Uniform star polyhedron)あるいは非凸一様多面体(Nonconvex uniform polyhedron、非凸型一様多面体)と呼ばれる。

星型一様多面体とは言っても、星型化(を伸ばして行く操作)によって作られるタイプではないものが多く、いわゆる星型多面体には含め難い所がある(Star polyhedronとStellated polyhedronの違い)。


全て双対も存在している。

正多面体と星型正多面体については、双対も正多面体・星型正多面体であるため、一様多面体であると同時に、一様多面体の双対でもあると言える。


半正多面体の凸でない版

正多面体の凸でない版として星型正多面体が存在するのに対して、半正多面体にも凸でない版が存在しており、それは以下の53種である。

名称枠の形備考
四面半六面体正八面体Hemipolyhedron。別名:半立方八面体、Crossed triangular cuploid(交差三角コップ型?)
立方半八面体立方八面体Hemipolyhedron
八面半八面体Hemipolyhedron。別名:Allelotetratetrahedron
小立方立方八面体斜方立方八面体
小斜方六面体
星型切頂六面体立方体正方形を4/3角形と見た場合の切頂。ここでの「星型」は「星型化」を意味しており、厳密な切頂六面体の星型にはなってないものの、その辺の比を調整したような形となっている。別名:擬切頂六面体
大立方立方八面体切頂立方体
一様大斜方立方八面体立方体または正八面体の正三角形(立方体の場合は頂点)を3/2角形と見た場合のCantellate。別名:擬斜方立方八面体、大斜方立方八面体
大斜方六面体
立方切頂立方八面体切頂立方八面体の辺の比が異なる版(その1)別名:立方八面切頂立方八面体
大切頂立方八面体切頂立方八面体の辺の比が異なる版(その2)立方八面体の正方形を4/3角形と見た場合の切頂。別名:擬切頂立方八面体
小二重三角二十・十二面体正十二面体準正多面体の凸でない版。双対:小三角六辺形二十面体
大二重三角二十・十二面体準正多面体の凸でない版
二重三角十二・十二面体準正多面体の凸でない版。別名:二重三角十二面体
小十二面半十二面体二十・十二面体Hemipolyhedron
小二十面半十二面体Hemipolyhedron
十二・十二面体準正多面体の凸でない版。小星型十二面体または大十二面体のRectify
小十二面半二十面体Hemipolyhedron
大十二面半二十面体Hemipolyhedron
大二十・十二面体準正多面体の凸でない版。大星型十二面体または大二十面体のRectify
大十二面半十二面体Hemipolyhedron
大二十面半十二面体Hemipolyhedron
小十二・二十・十二面体斜方二十・十二面体
小斜方十二面体
小星型切頂十二面体小星型十二面体の五芒星を5/3角形と見た場合の切頂。別名:擬切頂小星型十二面体
切頂大二十面体斜方二十・十二面体の辺の比が異なる版(その1)大二十面体の切頂
小二十・二十・十二面体斜方二十・十二面体の辺の比が異なる版(その2)
小二重三角十二・二十・十二面体
小十二・二十面体
大星型切頂十二面体大星型十二面体の五芒星を5/3角形と見た場合の切頂。別名:擬切頂大星型十二面体
大変形十二・二十・十二面体斜方二十・十二面体の辺の比が異なる版(その3)鏡像の別有り
大二重斜方二十・十二面体
大二重三角十二・二十・十二面体切頂十二面体
大二十・二十・十二面体
大十二・二十面体
小反屈変形二十・二十・十二面体切頂十二面体の辺の比が異なる版別名:小逆反屈変形二十・二十・十二面体
切頂大十二面体切頂二十面体の辺の比が異なる版(その1)大十二面体の切頂
大十二・二十・十二面体
一様大斜方二十・十二面体大星型十二面体または大二十面体の五芒星を5/3角形と見た場合のCantellate。別名:擬斜方二十・十二面体、大斜方二十・十二面体
大斜方十二面体
斜方十二・十二面体切頂二十面体の辺の比が異なる版(その2)小星型十二面体または大十二面体のCantellate
二十・十二・十二面体
斜方二十面体
小変形二十・二十・十二面体切頂二十面体の辺の比が異なる版(その3)別名:変形二重二十・十二面体
二十面切頂十二・十二面体切頂二十・十二面体の辺の比が異なる版(その1)別名:二十・十二面切頂二十・十二面体
切頂十二・十二面体切頂二十・十二面体の辺の比が異なる版(その2)十二・十二面体の切頂。別名:擬切頂十二面体
大切頂二十・十二面体切頂二十・十二面体の辺の比が異なる版(その3)大二十・十二面体の五芒星を5/3角形と見た場合の切頂。別名:大擬切頂二十・十二面体
変形十二・十二面体変形二十・十二面体の辺の比が異なる版(その1)小星型十二面体または大十二面体のSnub。鏡像の別有り
変形二十・十二・十二面体変形二十・十二面体の辺の比が異なる版(その2)鏡像の別有り
大変形二十・十二面体変形二十・十二面体の辺の比が異なる版(その3)大星型十二面体または大二十面体のSnub。鏡像の別有り
逆変形十二・十二面体変形二十・十二面体の辺の比が異なる版(その4)小星型十二面体または大十二面体の五芒星を5/3角形と見た場合のSnub。鏡像の別有り
大逆変形二十・十二面体変形二十・十二面体の辺の比が異なる版(その5)大星型十二面体または大二十面体の五芒星を5/3角形と見た場合のSnub。鏡像の別有り
大反屈変形二十・十二面体変形二十・十二面体の辺の比が異なる版(その6)大星型十二面体または大二十面体の五芒星を5/3角形、三角形を3/2角形と見た場合のSnub。鏡像の別有り。別名:大逆反屈変形二十・十二面体

※この並びは特に正式のものではなく、枠を共有するもの同士、双対体面体が似てるもの同士で隣接させているのみで、後は適当となっています。


一様多面体の内、このグループのみちゃんとした名称が不明であり、そのためか「一様多面体」と言うとこれを指す事が多めであるが、一様多面体は正多面体なども含んでいるので注意。

星型一様多面体の一種ではあるため、流れ的には「星型半正多面体」(Semiregular star polyhedron)あるいは「非凸半正多面体」(Nonconvex semiregular polyhedron)と呼べる。


1878~1932という期間に、複数の人物によって発見されたとの事。


内26種は、正多面体か半正多面体の頂点を繋ぎ替えたような形(正五角形の頂点を1つ飛ばしで結んで五芒星を作る要領)となっている。

残りの27種は、半正多面体の辺の長さ比を変えたものに対して同様の事をした形となっている。

上記の「枠」というのは、その繋ぎ替える元の(凸)多面体の事であり、ここでは辺の比が全く同じもの同士を「その1」のような仮称でまとめて区別している。


明らかな鏡像の別(掌性、カイラリティ)の存在するものが7種存在。


全てワイソフ記号による表現が存在しているが、シュレーフリ記号での表現は不明なものが多い。


半正多面体にカタランの立体という双対が存在するように、これらにも双対が存在している(詳細は「一様多面体の双対」を参照)。


準正多面体の凸でない版

半正多面体の内、辺近傍の形状も合同であるものが特に準正多面体と呼ばれているように、半正多面体の凸でない版の中にもそういう性質を持つもの(つまり準正多面体の凸でない版、流れ的には星型準正多面体)が存在しており、小二重三角二十・十二面体、大二重三角二十・十二面体、二重三角十二・十二面体、十二・十二面体、大二十・十二面体の5種が該当している。


Hemipolyhedronに属しているものも、見た目としては辺近傍の形状が合同であり、日本語版Wikipediaではそれらもこれに該当するとされているが、頂点形状が(a,b)^cという形にならないためか、英語版Wikipediaでは含められていない。

例えば、中心を通る面の表裏を区別すると、辺近傍の形状は2通りとなる。


Hemipolyhedron

四面半六面体など、名前に「半」の入っている全9種はHemipolyhedronと呼ばれている。

これらは、「立体の中心を通る面を持つ」という特徴を持っており、この特徴を持つ一様多面体は他には大二重斜方二十・十二面体のみである。

頂点形状の図(外部リンク先など参照)が、「4つの面が集まってるはずなのに2つの面しか描かれてない」という独特なものとなっているが、これは中心を通る面が画面に向かって垂直に存在している形となっているためである。

中心を通る面は、表裏を考える際にも特殊な扱いとなる。


名前は、例えば四面半六面体ならば、「正四面体の分の面の丸々」と「立方体の分の面の半数」によって成るといった感じとなっている。

これらの「半」は「Hemi-」の訳であるため、Hemipolyhedronは直訳すれば「半多面体」となるが、それでは半正多面体と紛らわしくなる点に注意が要る。

半正多面体の「半」は「Semi-」の訳であり、別々の意味合いで用いられている別々の語が同じ語に訳されてしまっている。


一様大斜方~の別名について

一様大斜方立方八面体の別名である「擬斜方立方八面体」は、ミラーの立体の別名でもあるため注意が要る。

両者は英語の段階では区別が存在し、前者の「擬」が「Quasi-」の訳であるのに対し、後者の「擬」は「Pseudo-」の訳となっている。

なお、「準正多面体」の場合においては「Quasi-」は「準」と訳されている。


同じく一様大斜方立方八面体の別名である「大斜方立方八面体」、および一様大斜方二十・十二面体の別名である「大斜方二十・十二面体」も、切頂立方八面体、切頂二十・十二面体の別名である「大菱形立方八面体」「大菱形二十・十二面体」の別訳であるため注意が要る。

こちらは英語の段階でも同じとなっており、「一様~」という名前自体も、元々一様なのに一様を付けている状態となっている(なお、英語版Wikipediaで現在記事名となっているNonconvex great rhombicuboctahedronおよびNonconvex great rhombicosidodecahedronは、その点理に叶ってそうな名前ではあるが、あくまでノート上で出された造語の可能性があるので注意)。


近縁なもの

Pseudo-uniform polyhedron

直訳すると「擬一様多面体」。頂点近傍は合同であるが、頂点推移的ではないものであり、以下2種が存在。


Degenerate uniform polyhedron

直訳すると「退化一様多面体」。多面体は通常、各辺に集まる面はきっかり2枚であるが、そこを4枚以上の偶数枚をも認める事によって導き出されるタイプ。

  • Small complex icosidodecahedron … 正二十面体と大十二面体の複合の形となる。外観は正二十面体。
  • Great complex icosidodecahedron … 小星型十二面体と大二十面体の複合の形となる。外観は小星型十二面体。Small complex icosidodecahedronと双対。
  • Small complex rhombicosidodecahedron … 小二重三角二十・十二面体と5個の立方体の複合の形となる。大星型十二面体または大二十面体のCantellate。
  • Great complex rhombicosidodecahedron … 大二重三角二十・十二面体と5個の立方体の複合の形となる。
  • Complex rhombidodecadodecahedron … 二重三角十二・十二面体と5個の立方体の複合の形となる。
  • 大二重変形二重斜方十二面体 … 大二重斜方二十・十二面体と20個の正八面体とをXOR的に複合させたような形となる。「スキリングの立体」とも。

関連タグ

星型多面体…星っぽい図形のまとめ有り


一様多面体の双対

多面体 立体 図形 三次元 幾何学 数学


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