概要
原則として鏡像は実体とシンメトリーの関係となるが、創作の世界では、そうとも限らない。
人間以外で鏡像が自分が写っている姿と認識できる動物として
チンパンジー、ゾウ、イルカ、シャチ、ブタ、カササギ、ヨウム、鳩(訓練した場合のみ)、オニイトマキエイ、ホンソメワケベラ、イカ(アオリイカ)が挙げられる。
知能が高そうな動物が必ずしも認識できるとは限らず(犬や猫、ゴリラ)、生態上群れて生活しない動物は鏡自体に興味を持たず鏡像を認識できるかどうか不明なもの(タコ等)もある。
人間は外見的にはだいたい左右対称なので、鏡像との目立った区別が現れないが、内臓は左右非対称なので、鏡像とは大きく異なる事となり、四次元空間の上で反転させなければ合同にはならない。
鏡像との間にこのような違いが出来るような性質は、掌性(カイラリティー、キラリティー)と呼ばれ、掌性を持つものは「カイラル(キラル)である」と表現される。
物理現象は、鏡像の世界においても変わらないように見えるが、弱い力においては決定的な違いが観測されており、「パリティ対称性の破れ」と呼ばれている。
磁力やトルクにも、鏡像で向きが逆転するという性質があり、こういう性質のあるベクトルは「擬ベクトル」あるいは「軸性ベクトル」と呼ばれているが、決定的な物理現象の違いには現れない。