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南阿蘇鉄道の編集履歴

2020-02-05 16:59:50 バージョン

南阿蘇鉄道

みなみあそてつどう

南阿蘇鉄道とは、熊本県の第三セクター鉄道である。

概要

日本国有鉄道高森線を引き継いだ第三セクターの鉄道会社である。1986年4月1日開業。熊本県阿蘇郡南阿蘇村にあるJR豊肥本線立野駅から熊本県阿蘇郡高森町の高森駅までの17.7kmの路線、高森線を営業している。


定期運行の普通列車はすべて立野~高森間の通し運転でワンマン運転を実施。1時間あたり1本程度運行。また、3月から11月までの土日祝日にトロッコ列車「ゆうすげ号」を運転。

なお、平成28年熊本地震において鉄道施設に甚大な被害を受けたことにより、現在では暫定ダイヤという形で運転状況が大幅に変更されている。(詳しくは後述)


高森線は阿蘇カルデラの南部を走り、車窓からは阿蘇山と外輪山を一望できるローカル線である。元々は立野駅から高森・高千穂を経由して延岡駅に至る路線の一部として建設されたもので、立野〜高森駅間は高森線、高千穂〜延岡間は高千穂線(後の高千穂鉄道高千穂線)として営業していた。その後1973年に高森〜高千穂間の工事が始まったが、高森トンネルの掘削中に出水事故が発生。1980年になって同区間の工事は中止となった。なお、出水事故を起こしたトンネルは後に高森町によって"高森湧水トンネル公園"として整備され、現在は町を代表する観光地の1つとなっている。


被災、そして復旧へ

平成28年熊本地震では震源域に近いこともあり、激震による土砂崩れで線路の一部が土砂で埋まったほか、鉄橋の梁や橋脚、トンネルの坑道が歪み変形するなどの甚大な被害を受け、全線で運休。

完全復旧には第一白川橋梁の架け替えや立野橋梁の補修、犀角山トンネルの撤去等で60億~70億円に上る復旧資金が必要と見積もられ、また仮に資金が確保できても現場は急峻なカルデラの谷や深い山の中という地形であり、長期の難工事が予想される。そのため復旧までには5年近くかかる見通しだという。とりあえず被害の少なかった中松駅~高森駅間、7.1kmは同年7月31日に運転を再開した。


東日本大震災時の鉄道復旧における経験から、赤字の鉄道事業者が大規模な災害で被災した場合に、実質的に国が復旧費のほとんどを負担して、鉄道事業者の負担をなくす新制度が成立しており、南阿蘇鉄道はこの特例を適用して再建する事となった。


2018年3月に不通区間の本格的な復旧工事に着工、2022年の全線復旧を目指している。


現時点での運行

※(2020年1月現在)

平日は高森⇔中松間において午前中、お昼、午後の3往復の普通列車(レールバス)のみ運行となっている。

土休日はお昼と午後の便が観光用トロッコ列車に置き換わる。

なお2020年3月から土休日の季節増発も含めたダイヤ変更を予定しており、詳細は公式ホームページを参照のこと。


在籍車両

MT-2000形(MT-2000A形)

三セク転換時に導入された新潟鉄工製のいわゆるNDCシリーズの最初期のタイプ。3両が在籍。

車内はセミクロスシート、経年に伴い変速機や台車交換、2軸駆動化などの更新工事を受け、形式もMT-2000A形に変更された。

下回りこそ更新されているものの、地震災害により走行距離が減少したこともあり、不本意な理由ながらも1980年代に製造されたNDCシリーズ初期車の貴重な現役車両となっている。


MT-3000形

MT-3001・MT-3010の2両が在籍する。

下回りこそ共通であるが車両形状が大きく異なっており、MT-3001は非貫通のデザイン(しいて言えばDMVを完全に両運転台の大型鉄道車両にしたような感じ)に対して、MT-3010はレトロ調の貫通型箱型車体となった。前車は1993年、後者は1998年の製造である。

MT-3001はセミクロスであったがロングシート化(本鉄道で唯一のロングシート車でもある)、MT-3010はクロスシート車である。


DB16形

トロッコ列車の牽引機である北陸重機製小型DL、2両が在籍。基本的に客車を挟んだプッシュプルで運用する。


トラ700形・TORA200形

トロッコ列車に使用される客車。元々はトラ700形2両の編成であったがDLの更新による牽引力増加に伴いTORA200形が増備され現在は3両で運行されている。


なおDB16形の導入前はDB10形という元国鉄の貨車移動機が運用されていたが、性能不足や経年などの問題もあり2006年にDB16形と交代、引退したDB10形は門司港レトロ観光線へ売却された。


日本一長い駅名

「南阿蘇水の生まれる里白水高原」

みなみあそ みずのうまれるさと はくすいこうげん


読み仮名が22文字あり、鹿島臨海鉄道「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前」駅と並んで日本一長い名である。あまりの駅名の長さのため、案内やきっぷなどでは「白水高原」駅と省略されて表記。

なお、2001年から2007年までの間は一畑電車にその座を譲り渡していた(「古江」⇒「ルイス・C・ティファニー庭園美術館前」⇒「松江イングリッシュガーデン前」)。


見晴台駅の自販機

熊本地震の復興支援も兼ねて、2016〜2017年に見晴台駅や沿線で「午後の紅茶」のCMが撮影された。出演は上白石萌歌井之脇海など。CM撮影時は見晴台駅ホームに自動販売機が設置されたが、駅が名所になったことから後に一般販売用の自販機が置かれた。


駅一覧

前述のとおり立野〜中松間は運休中。


なお高森駅は周辺の再開発により駅舎が建替え中であり、現在は仮設プレハブ駅舎で営業している。

完成後は本社が入居する予定。

また熊本市出身の漫画家・尾田栄一郎氏が寄贈した災害復興用寄付金を元にした「ONE PIECE熊本復興プロジェクト」により「麦わらの一味」のフランキー像が駅前に設置される事が決定している。



関連項目

鉄道 第三セクター(第3セクター) 高森線 熊本県 気動車(ディーゼルカー)

2000形 3000形 3010形


外部リンク

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