いつの間にか僕は夜中に1人でトイレに行けるようになった、1人で電車に乗って会社に通うようになった。でも本当に僕は変わったのかな?ねぇドラえもん、僕は明日結婚するよ…
(劇場版の予告映像より)
概要
物語の初出はてんとう虫コミックス25巻の「のび太の結婚前夜」。副主人公・野比のび太とヒロイン・源静香が結婚の過程を描くストーリーであり、時系列的によれば「雪山のロマンス」のすぐ後の話となる。(14年後の未来で10月25日以降の話)
サザエさん時空の作品にしては珍しく主要キャラの結婚を描いた作品。登場回数が少ないキャラ・源義雄(しずかちゃんのパパ)がキーパーソンとなっており、彼がのび太に対して「他人の幸せを共に喜び、他人の不幸を共に悲しむことのできる人」と人徳の良さを挙げているシーンは名場面となっている。
のぶドラ時代に「のび太の結婚式?!」のタイトルで初めて映像化され、後に「のび太の宇宙漂流記」と同時上映で映画化された。わさドラ版でも放映されており、こちらの成人のび太の容姿は原作に基づいた容姿となっている。
2014年に上映された3D映画「STAND BY ME ドラえもん」でもこのストーリーが描かれており、成長したのび太の未来を表すエピソードの一つとしても名高い。
あらすじ
出木杉としずかちゃんとの学芸会の芝居の練習を見て将来が不安になるのび太。見かねたドラえもんはのび太を連れて、タイムマシンでのび太としずかの結婚式の日に行こうとするが、設定を間違えて前日に来てしまった。そこには人生の最大のイベントを控えた大人ののび太としずかが心の準備をしていた。
主な登場人物
- ドラえもん
過去から現代ののび太と一緒に様子を見にきたドラえもんは登場するが、のび太達が成人している時代の彼は登場していない。また、当日ののび太としずかの結婚式に出席している様子もない。劇場版ではのび太がドラえもんを懐かしむ描写が終盤で見られた。
原作では、ドラえもんはのび太達の高校生時代~大学生時代までは現代に滞在しているらしい(「ガッコー仮面登場」で、高校生ののび太がタイムマシンで現代に来ていたり、「ぼく、桃太郎のなんなのさ」で、現代のび太に連れて来られた大学生ののび太が、ドラえもんを見ても特に懐かしむ様子が無かったことから)。
その為、単に話の都合上登場出来なかっただけか、のび太が大人になったことでセワシやドラミがいる22世紀に帰ってしまったのか、いずれにしても真相は不明である。
- 野比のび太
原作&わさドラ版と劇場版とでは成人した姿の髪型が微妙に異なる。
結婚式の前日に式場に来てしまいその後もドジばかりやらかすが、劇場版では迷い猫を飼い主を届けるため、わさドラ版ではしずかの無くしたイヤリングを探すために奮闘する。ちなみに彼の家は建て替えたようでマンションに移住していた。
わさドラ版では現代のエピソードが追加されており、白雪姫の劇でわざとミスをしたらしく、セリフを忘れたしずかをはぐらかそうと劇を意図的にメチャクチャにした。終盤では、イヤリングをしずかに渡した後「きっと、きっと、君を!幸せにしてみせるからね!!」と告白した(元々は原作のオチで現代のび太が現代しずかを困惑させた台詞だが、リメイクに当たり未来の描写で告白に昇華させた)。
- 源静香
彼女も原作&わさドラ版と劇場版では微妙に髪型が異なり、前者はポニーテールだが後者はショートヘアーとなっている。
のび太との結婚生活をうまくやってのけるか心配したり、親が寂しがってしまうのではないかと両親と別れるのを拒み、結婚をするのをやめようとするが、父親の説得で結婚を改めて決意する。分かりづらいが、彼女の家も建て替えられているのが分かる。
わさドラ版では冒頭でイヤリングをなくすが、夜の間ずっと探し回っていたのび太に届けられた。上記の彼の告白の後「うん…ありがとう…!!」と返し、彼女の抱いた迷いを更にぶっ切れさせた。
なお、彼女が自身の思いを父親に話した場面では、原作とわさドラ版ではひみつ道具「正直電波」の効果で話したが、劇場版では父親が咳き込んでいたのを機に自ら話した。
- 出木杉英才
のび太・ジャイアン・スネ夫共にバチェラー・パーティー(新郎を迎えるための結婚前夜のパーティ)に参加する。のび太同様、35歳の頃はふくよかな体型をしていたが、24歳の時点では彼も華奢な体型をしている。
わさドラ版では「昔からしずかちゃんのことで、野比くんに勝てる人はいない」と彼を称賛しており、スネ夫に上記の劇の真相を話した。実は彼も静香との結婚願望は合ったらしく、一度静香にも伝えた事があったらしいが、静香からは「あなたは一人でも充分やっていける」という理由で断られている。
- 剛田武
未来世界でも健在な剛田商店(ジャイアンの家)でパーティを企画する。のび太に対して「しずかちゃんを泣かせたらボッコボコにする」とエールを送り、同様に「なんでしずかちゃんがお前を選んだのかわかったぜ」と称賛している。
未来の彼の歌は、下手なのは相変わらずだが現代に比べてある程度改善しているようで、少しヤジを飛ばされる程度で本気で嫌がっているシーンは無かった。
わさドラ版では酔ったジャイアンが泣き上戸であったというシーンが描かれたが、実は原作エピソード「ホンワカキャップ」でも描かれた設定である。
- 骨川スネ夫
原作ではスネ吉と同じくパンチパーマだったが、その他メディアでは現代と同じ髪型をしている。パーティではのび太と出木杉が平気でジャイアンの歌を聴いているのに対し、スネ夫のみかなり嫌がっていた模様。
劇場版では猫を飼い主を届けようと頑張るのび太の為にスポーツカーを使ってアシストした。
- 源義雄
静香の父。現代では非常に出番の少ないキャラだが本映画では重要なキーパーソン。上記のようにのび太の人間性を評価し娘の結婚を決意させるきっかけを作った。『君は、僕たちにたくさんの贈り物をしてくれたんだよ』と娘の成長と共に娘と一緒に過ごした時間を想い出しながら、静香が生まれたことを感謝していた。
わさドラ版では冒頭にも現代のパパが登場し、娘に送り届けられる途中でショーウィンドウに飾ってあったウェディングドレスを一緒に見ていた。
劇場版のみ登場。ジャイアンにスピーチを短く話すよう言われたがのび太の事に関しては一晩以上かかるという。のび太が去る際には「野比!明日は遅刻するんじゃないぞ!!」と昔さながらの注意が施された。もしかすると、自分の教え子達が結婚する事(のび太に対して一番苦労してきた経歴もあって)を一番喜んでるのはこの人かも知れない。
STAND BY MEのみ登場。彼女ものび太に好意を抱いていたらしく、しずかと結婚するのび太に「しずかさんを幸せにしないと許さないからね」とのび太に激励を送っている。
関連イラスト
関連タグ
ドラれおん:トヨタのCMで「ドラえもん」のキャラが採用されたもの。未来世界を舞台とする共通点は存在しているが、のび太&しずかが独身で彼が車に乗れない等、「のび太の結婚前夜」のアンチテーゼとなる描写も多い。