アイちゃん(プリキュア)
あいちゃん
※この記事には作品の核心に触れるネタバレがあります。
CV:今井由香
概要
ドキドキ!プリキュアのキャラクター。キュアエース/円亜久里のパートナー。
外見から判別しづらいが女の子。泣き虫で有る。
本作の他のプリキュアのパートナー妖精たちよりも謎に包まれた存在で、ストーリー上のキーパーソン。
その誕生と秘められた力
相田マナたちが、剣崎真琴にジョー岡田を紹介するのを兼ねて彼の経営する雑貨屋「ソリティア」に赴いた時、何故かテーブルの上に置いてあった大きな卵から孵化。
さらには羽根が生えて空を飛ぶという、常識人の菱川六花の視点からすればツッコミが追いつかないほどの存在であった。が、マイペースなマナと四葉ありすは全くお構いなし。
「アイ、アイ」と片言でしゃべったことから「アイちゃん」と名づけられた(命名はありす)。「アイちゃん」は一人称でもある。
名前は「アイちゃん」で正式名称という扱いらしく、「アイ」と呼び捨てにはされない。後にパートナーとなる亜久里も「アイちゃん」と呼んでいる。
ベール達は1度「きゅぴらっぱ~」と呼んだが、超能力を恐れてかそれ以降きちんと名を呼ぶようになった。
ありす曰く「産まれて最初に目にしたのがマナだった」ことから、マナを母親として認識しているようである。
性格は、良くも悪くも一般的な善悪のついていない赤ん坊そのもの。
人懐っこいので誰に対しても笑顔を向ける(ジコチュー関連者は除く。が、レジーナに関しては事情が事情という事もあり敵視せず仲良く遊んでいた)。亜久里(キュアエース)や岡田ことジョナサン・クロンダイクなど、トランプ王国のマリー・アンジュ(アン)王女に関わりのある人物には自ら飛びついていく。イーラの失敗を見て笑ったこともある。
生まれたばかりなので何にでも興味を示すのか、妖精たちをおもちゃにしたり、純の顔を引っ張ったり、岡田のラビーズを取ったりなど、色んなものに手を出す癖がある。後述する超能力でイタズラをして学校を大混乱させたり、機関車の煙をピンク色にして運行を一時停止させてしまうなど、周囲に迷惑をかけることも少なくない。さらにイタズラが遠因となりジコチューが発生したことも。
また、お気に入りなのかランスの耳をよくしゃぶる。
第35話で歯が生えたため、ランスにとっては最早噛みつかれているようなものである。実際、彼は涙目になりながら痛がっていた。………ランスは泣いていい。
「きゅぴらっぱ~!」と呪文のような言葉を発すると超能力が使える(その際前掛けのハートが光る)。プリキュアを強化したり、新しい技を使用できるキュアラビーズを生み出したり、念動力で物体を宙に浮かせ彫刻や文字の形を変えたり、相田家の一員になるなど効果は様々。最早何でもアリ。
戦闘でも効果を発揮しピンチを脱出したり突破口を開いたりと、その力はプリキュア達にとって大きな一助となっていた。なおかつキュアエースの変身にも彼女の存在が必要不可欠なため、お助けキャラのような立ち位置となっている。
彼女が生み出すラビーズは多種多様であり、プリキュアを戦闘でパワーアップさせる効果の他に、自分に必要な衣食住環境を作り出す「おせわラビーズ」を生み出すことができる。
(例)お腹がすく⇒ベビービスケットを作り出すラビーズ など。
しかし本人一人では「使用」できないので、プリキュアとパートナー妖精達の世話が必要となる。人間の赤ん坊が口にするものも食べられるので、「ソリティア」では市販の粉ミルクを飲んでいる。
羽があり飛べる事と超能力を除けば普通の赤ちゃんとあまり変わりなく、普通にマナや岡田、セバスチャンに抱かれて外出している。アイちゃんの羽根は一般人の目から見ればファッションと取れなくもないので、その辺りは怪しまれていない模様。
アイちゃんの日常
誕生してからしばらくは岡田の拠点である「ソリティア」に住んでおり育児をしてもらっていたようだが、彼は自分の仕事(商品の仕入れとアン王女の捜索)のために、アイちゃんの世話をマナたちに世話を任せることが多々あった。
基本的には好奇心の赴くままに日常を過ごしているが、プリキュアやジコチューに関することに関しては、マナたちとは無関係に独自の行動をとる場合がある。
それが顕著に見えたのは第23話。第22話で封印されたアン王女を秘匿するために岡田が「ソリティア」を去ることになり、その際アイちゃんも一緒に連れて行ったのだが、なぜか同話でアイちゃんが一人だけ戻ってきた。
第23話以降は表向きは相田邸で暮らすようになった。第38話ではマナのベッドの隣で就寝しており、その後もマナと生活を共にしていることが分かる。
キュアエースのパートナーなのにも関わらず、亜久里とは生活を共にしておらず亜久里自身も行動を縛ろうとはしていない(但し亜久里には複雑な事情があった)。
エースへの変身には必要不可欠な存在だが、変身が必要なタイミングになるとアイちゃんは急いで現場にかけつけてくれる。合流までのタイムラグは一切感じられないが、そこはアニメ的なご都合主義というものだろう(超能力があるとはいえさすがにテレポートのような能力は持ってない様子)。
その後、第44話にて岡田がマナ達の元へ帰還した際、アイちゃんだけ勝手に先に戻ってきたことに関してお世話を怠っていたのではないかと立花から攻められたりもしたが、岡田から言い訳……もとい、真相が明かされた。
旅に出た彼がある洞窟の小屋で一息付いていると、ロイヤルクリスタルが生成する結界内で眠っていたアイちゃんが、そのまま洞窟の天井に穿たれた穴から飛び去った。同時にアン王女の声が、「愛の切り札となる少女」が覚醒し、アイちゃんはそのためにその少女の近くにいなければならない事を岡田に告げていたのである。
キュアエースとの関係
23話でキュアエース=亜久里のパートナー妖精であったことが判明。
かつてキュアエースと共にジコチューに敗れて一度卵に戻っていたらしい(実際は諸事情による亜久里の事実誤認だった。詳細は後述)。
彼女が力を発揮することによって、5つのロイヤルクリスタルが組み込まれた変身アイテムであるラブアイズパレットが出現、それによって亜久里がキュアエースへと変身する。
プリキュアのパートナー妖精としてはシフォン以来の赤ちゃん妖精ということになる。更に「妖精の方が先に登場して人間のパートナーが後から登場する」パターンはポルン以来で「アイテムを与える形で変身させる妖精」はハートキャッチプリキュア!の3妖精以来となり、「外見が(小動物系ではなく)人間の赤ちゃんに似ているパートナー妖精」としてはシリーズ初である。
イヤイヤ期
第34話からアイちゃんがぐずる機会が増えた。これは前述した通り、自己主張が強くなる「イヤイヤ期」を迎えたからである。この時期に入るとワガママが多くなり、夜泣きでメンバーが睡眠不足になったり、亜久里がキュアエースに変身出来なくなるなど、プリキュア達の行動に支障が出てしまった。
また大泣きしている間はジコチューが大幅にパワーアップするなど、それまでのお助けキャラが一転、プリキュア達をピンチにさせる非常に厄介な存在になってしまった。
第35話ではアン王女の口から、アイちゃんは二つの使命が伝えられた。
・「妖精として、プリキュアたちに力を与える」
・「闇の力(ジャネジー)に対するシールドとしての役割を果たす」
この二つである。
ジャネジーはジコチューたちの力の源となる精神エネルギーだが、アイちゃんはただそこに存在するだけでジャネジーの闇の力を減衰させることができる。仮にこのシールドがなくなった場合、ジコチューたちは何倍にも強化される。
実際に、彼女が不機嫌になって泣きだすと、ジコチューは強化される。この状態の時、前掛けのハートマークが黒く染まる。
なお、卵から誕生した以前(第8話以前)のジコチューが、それ以降より強かったというわけでもないので、卵の状態でもシールドの効果は発揮されていたと推測される。
この時期自体は成長には必然のプロセスだが、同時にこの時期に育て方を誤ってワガママで愛を知らない子に成長してしまうと、ジャネジーに対するシールドが完全に消滅してしまい、ジコチューを止められなくなる可能性もある。そのような事情から、「アイちゃんはこの世界の最後の希望」とアン王女は告げている。
この時点からプリキュアたちの使命に「アイちゃんを良い子に育てること」が追加されることになり、母親として彼女を導く役目を負うことになった。
プリキュアたちの教育によりイヤイヤ期のアイちゃんは少しずつ良い子へと落ち着いていった。第38話ではジコチュートリオが彼女を悪い子に育てようと企んだが、成功寸前でマナの言葉と抱擁を受けて元の鞘に収まり完全にイヤイヤ期から卒業した。
正体と結末(ネタバレ注意)
アイちゃんの正体は「プシュケーを分断し自決したアン王女の肉体が転生した存在」であることとが第46話で判明した。
ただし、現在のアイちゃんはかつてのアン王女とは異なる別個の人格。なぜならアン王女の魂そのものは、アイちゃんとは異なる存在にすでに転生しているからである。
46話で描かれた過去シーンでは、アン王女の亡骸が光に包まれアイちゃんが閉じ込められていた卵へと変化していく様子が描かれていた。
アン王女の亡骸になぜこういう変化が起こったのかは最後まで不明であったが、トランプ王国の人間が地球の人間と生態が同じとは限らないので、死ぬと卵になって別の生命を生むのがデフォルトという可能性もある。
アン王女は「アイちゃんの力を借りる」ことで鏡ラビーズを通じてプリキュアたちに声を伝えていたが、これは前世の記憶が一時的に蘇っていたと考えられる。マナたちにも内緒で独自の行動をとっていたのは、彼女の中に残る王女の記憶の導きのためなのだろう。
(彼女の心や人格が未成熟であるがゆえにイヤイヤ期が発生しており、そしてそのことをアン王女が危惧していたことからも、アイちゃんとアン王女はそれぞれ別の人格だとわかる)
亜久里の「かつてパ-トナーだった」という発言も、実は亜久里の「前世の記憶」を現在の記憶と錯誤した結果である(詳細は円亜久里の項目を参照)。
彼女はアン王女の自決後に生まれたため、それ以前の(崩壊前の)トランプ王国に「闇を抑えるシールド」が存在してたかどうかは不明。
もしなかった場合、ジコチューたちは何倍にも強化されていたため、トランプ王国にプリキュアが複数いながらすべて敗れたのはそれ故かもしれない。
(※ソード以外のプリキュアは未登場のジコチュー幹部「ルスト」&「ゴーマ」と相打ちで倒れたという裏設定があり、実力は不明)
ただし、トランプ王国には闇に対抗するための神器やアン王女がいたため、この面々がシールドを張っていた可能性も存在する。
『コンプリートブック』にて、アイちゃんも人間同様成長するとの旨が語られている。
しかし彼女が成長したらアン王女のような容姿になるのかはわからない。
ただ前述のとおり、人格に関しては既に別個のものであるため育てればアン王女のようになるとは考えづらく、おそらく容姿や成長後に関してもこれからの成長の仕方が大きく関わってくると思われる。
マナの言うとおり「どんな女の子になるのか」はこれからなのである。
成長後の姿を想像したイラストも存在する。
このようにアイちゃんは作中では+にも-にも傾くキャラクターとなっており、まるでシーソーのようにストーリー中では良いことも悪いことも引き起こしている。
赤ちゃんには無限の可能性があると言われるが、アイちゃんはその可能性を良い方向にも悪い方向にも示しており、愛にも自己中にもなる、ある意味この作品の人間の可能性の縮図のようなものを内包したキャラクターとなっている。
最終回後は、ジョー岡田とともにトランプ共和国で生活するようになった模様。但し引き続き亜久里がキュアエースとして変身するようになったので、(推測の域を出ないが)どうやら人間界とトランプ共和国を行き来して生活している様子。
余談
関連タグ
きゅぴらっぱ~キャラソンのタイトル。
シフォン(プリキュア)・はーちゃん(プリキュア)・はぐたん:赤ちゃん妖精繋がり。いずれも重大なネタバレに関わる存在である。
アイちゃん(仮面ライダーゼロワン):ニチアサにおける同名のキャラ繋がり。こちらも物語に於いて重要な役目を担う点が共通している。