タラスク
たらすく
もしかして→カチーナ・タラスク
概要
ローヌ川近辺の森に住んでいた六つの足と亀の甲羅を持つドラゴン。
頭部はライオン(山猫)の頭や人頭に形容されることが多い。
中世のキリスト教説話集『黄金伝説』では「半獣半魚の竜」と記される。
レヴィアタンがガラティア(現在のトルコ中央部)にいた獣オナクス(ボナコン)との間にもうけた子供で、海を渡ってはるばるフランスまでやってきた。
人肉を喰らい、狩りの場合は水中に身を隠し、川辺を歩く人々を襲ったり船を沈めていた。
逃走する時は灼熱の糞を広範囲に撒き散らす。『黄金伝説』では「投石器のように」と形容されており、
シャワー状ではなく一塊の粘るような糞を発射するのを繰り返す戦法を用いていたと考えられる。
新約聖書の登場人物でフランスにキリスト教布教に来ていた聖女ベタニアのマルタは、困った住民の頼みを聞き入れると、住処の森にドラゴン退治に出た。
人間を食っていたタラスクに対し、彼女は聖水と十字架を用いて降参させ、腰帯で縛って無力化した。
人々は動けなくなったタラスクを石と槍でフルボッコにして殺したという。
このエピソードは多数ある話のうちの一つで、「人を襲わないおとなしい龍だったが人々に虐められ死んでしまった」という話も伝わっている。
タラスコサウルスという獣脚類の恐竜は、タラスクから名付けられた。
水木しげるの妖怪画は二つ確認されており、「タラスキュ」名義で描かれたバージョンは地図らしきものをくわえたひょうきんな顔付きのドラゴン、もう一つは伝承通りの人間を加えたデザインの二種。
ちなみに、前者が掲載された『世界の妖怪大百科』では聖女マルタを勇者セント・マルタと表記しており、印象が大幅に変わっている。
創作におけるタラスク
『ドラゴンズドグマオンライン』のタラスク
亀のような大型ドラゴン。
『ファイナルファンタジーシリーズ』のタラスク
初出は『FF11』の「イフリートの釜」に出現するノートリアスモンスター。『FF12』ではチェイン数21以上の状態で「ツィッタ大草原」と「終焉と旅立ちの庭」に訪れると出現するレアモンスター。『FF14』 では「高地ドラヴァニア」でレアF.A.T.E「爆着の甲竜タラスク」として空から回転しながら出現する。
『サンサーラ・ナーガ2』のタラスク
タラスクスとして登場。第四階層「マハルローカ」の海中に出現する六本足の古代魚のような竜。