装甲騎兵ボトムズ
そうこうきへいぼとむず
概要
『装甲騎兵ボトムズ』は1983年から放映されたロボットアニメ。監督は高橋良輔。
高橋が『太陽の牙ダグラム』を経て作り上げ、ファンからは「リアルロボットアニメの頂点」とも呼ばれた人気作であり、TV放映が終わった後もOVAで続編、派生作品が制作された。
同様に続編が制作され続けている他のロボットアニメ作品とは異なり、外伝作品を除けば一貫してキリコ・キュービィーが主役を務め、「キリコの物語」として描かれ続けている作品である。
作品名のボトムズとは、泥水をすすり地べたを這いつくばりながらも戦い続けるキリコたちのような存在を象徴した単語であり、作中にボトムズという名のロボットが登場するわけでは無い。言ってしまえば、地獄のようなアストラギウス世界を意地汚くも逞しく生きる最低野郎(ボトムズ)ども全てがボトムズなのである。
市街を舞台に戦う「ウド編」、ベトナム戦争を彷彿とさせるジャングル戦が展開される「クメン編」、宇宙空間と砂塵吹く荒野で戦いを繰り広げる「サンサ編」、かつての『ダグラム』の如く砂漠が舞台となる「クエント編」など、戦いの舞台をクールごとに改めることで視聴者を飽きさせない工夫がなされている。
また主役メカに相当する「スコープドッグ」についても、すぐ乗り捨てられたり、カラーリングは違えど敵役も同じ機体を使っていたりと、それまでのロボットアニメとは一線を画した演出がなされていた。
「監督はそれしか考えていなかった」と噂されるほど秀逸な独特のテンポの次回予告など、特筆すべき点を数え上げればキリがない。
ロボットアニメとしては有名な作品ではあるが、『スーパーロボット大戦』への参戦には『第2次Z』を待たねばならなかった。
これはスポンサーがバンダイグループのライバル会社であるタカラ(現・タカラトミー)である事(但しOVA2000年代以降はバンダイビジュアル)と、メカニックが他のロボ作品と比べて全体的に貧弱である事などが原因と噂されている。
ストーリー
アストラギウス銀河を真っ二つに分ける勢力、ギルガメスとバララントは原因も定かではない戦争を100年以上も続けていた。最初は局地戦が続いていたが、アーマードトルーパー(AT)の登場によって戦線は拡大し、両陣営の疲弊は極みに達しようとしていた。人々は疲れていた、疲れ切っていた。
そんな百年戦争の末期、一介のギルガメス兵士であるキリコ・キュービィーは味方の基地を攻撃するという不可解な作戦に参加させられる。そこでキリコは、己の運命を一変させる者を目撃する。
関連イラスト
登場人物
※本項はTVシリーズを中心にしており、小説、OAVは別に記載。これはメカも同様である。
キリコ・キュービィー フィアナ ブールーズ・ゴウト バニラ・バートラー ココナ ル・シャッコ ブリ・キデーラ ポル・ポタリア ゴン・ヌー カン・ユー ジャン・ポール・ロッチナ ボロー イプシロン バッテンタインアルベルト・キリィ インゲ・リーマン バージル・カースン ゴディバ ヒロラム・カンジェルマン
外伝シリーズ
リンク先を参照
装甲騎兵ボトムズ Case;IRVINE
デュアルマガジン誌に連載され、その後刊行先を朝日ソノラマに移して完結した外伝作品。
原作ではウド編で触れられたに留まった世界観、特にバトリング関連の描写に多大なる影響を残した一方
後半の(超兵器化しているATなどに代表される)世界観を逸脱しているとも評される荒唐無稽な描写が賛否両論分かれている。
チャンピオンRED掲載。
ATを操縦する少女が主人公になっているなど掲載誌のカラーを反映している一方、上記「青の騎士」を思わせるハードな世界観を持つ作品となっている
世界観を共有しない「崖の底の地ボトムズ」を舞台とするスピンオフ作品。
ATに代わりAt(アルトロ)が登場する。
余談
キリコ役の郷田氏はボトムズの収録台本やオーディション時の資料などが残っていた(物置を整理時に発見)ことを自身のYouTubeチャンネルの動画にて公開した。