日本における代表種は区別のためにシロザケとも呼ばれる。
概要
硬骨魚綱サケ目サケ科に属する魚の標準和名で、サケ科の魚類の総称としても用いられる。
淡水魚として川の上流で誕生した稚魚は海に降り、数年を経て再び産卵の為に遡上する。 r /> 一度産卵すると寿命が尽きる種類も多いが、一生淡水域で過ごしたり数回産卵する個体や種類も存在する。
多くの種類が成長段階や海に降りるか淡水に残るかによって体色や体形が大きく変化する。
川と海両方で冷たい水域を好む魚である。
その日本産の代表種であるサケは、他のサケ類との区別からシロザケと呼ばれる事が多い。
分布域は北太平洋東西の両端部、ベーリング海、オホーツク海、日本海海域であり、アメリカ、カナダ、ロシア、日本の川で産卵する。
日本国内では千葉県以北の太平洋側と島根県以北の日本海側の川で産卵が確認されており、北海道や宮城県、岩手県などが大きな漁獲産地となっている。
全国で産卵遡上期に河口で捕獲した親魚から採取した卵を人工授精・孵化させ、ある程度幼魚を育ててから川に放流するという水産資源保護活動が行われているが、個体のほとんどが海に降りて成長も特に早くない事から完全養殖化はまだ進んでいない。
サケ科には、サケ(鮭)と呼ばれる種類とマス(鱒)と呼ばれる種類が混在しており、中には降海型のベニザケと陸封型のヒメマスのように同じ種類で呼称が分かれる場合もあるが、分類学上の違いはない。
わかりやすくいえば、マスと呼ばれる魚はサケ類の一つである。サケとマスの違いについてはマスの記事も参照していただきたい。
サケ類はギンザケやニジマスなど完全養殖化がされている種類が多く、食用やアウトドアレジャーの対象としても非常に重要な存在でもあり、日本人にとって最も身近な魚類の一つでもある。
食用として
サケ類身の色はサーモンピンクと呼ばれるが白身魚に分類される。
これは海に降りてエビやアミなどの甲殻類を食べ続けることによって摂取した栄養分の蓄積によるものである。
ただしマグロやカツオと同じ回遊魚でもあるので、タイやスズキ、カサゴ、ヒラメなどの沿岸性や底住性の白身魚とは風味が異なるとされる。
特に東日本では食用魚として最も重要な魚のひとつで、コンビニのおにぎりの具としてもメジャーである。
厳寒な環境から長い間作物に恵まれていなかった北海道のアイヌの人々にとっては、冬を前に捕獲・貯蔵できる貴重な食料だけでなく靴の原料としても必要不可欠であった。
アニサキスなどの寄生虫がいることが多いので基本的に生食は不可。
多くは冷凍か加工品の状態で流通しており、店頭では生の切り身も見かけられるがいったん冷凍して解凍したものである。 r /> 種類や養殖施設の環境によっては、人工の餌で育てられて本当の生の状態で食べられるものもある。
料理としては焼き魚(塩焼き、照り焼き、ちゃんちゃん焼き、アルミホイル焼き、ムニエルなど)、汁物（石狩鍋や三平汁など）、揚げ物(フライやからあげ)、煮付け、燻製、干物、クリームシチュー、チャーハン、おにぎり、茶漬けなど非常に多数である。
また頭の軟骨は「氷頭」（ひず）と呼ばれる珍味に、腎臓は「メフン」と呼ばれる塩辛に、卵巣はイクラや筋子（すじこ）に加工され、骨もよく煮込めば食べられるため正に捨てるところが無い魚の代名詞ともいえよう。
1970年代以降はシロザケやベニザケに代わって完全養殖化されたギンザケが食材として最も一般的となっている。
釣魚として
サケ科の魚には鋭いヒレや毒トゲなどがなく、口の奥に指さえ入れなければ取り扱いが非常に安全である。
基本的に雑食性でなんでもよく食べ、練り餌やイクラやトウモロコシの粒にも喰らいつく。
魚としては中型から大型化し、針にかかった時の引きの強さや陸地やバケツの中で活発に跳ねまくるなどの力強さがある。
野生種は水質が綺麗な淡水域を好むことから、アウトドアや観光の産業にされやすい。
そして養殖化が進んでいることもあり、一般の子供や女性から本格派のアングラーにも好まれている。
近年では有名な大型水族館に併設された釣り堀や、都市部の公園や遊園地内にある遊泳プールを冬季間だけ改装した特設釣り堀でギンザケやニジマス、イワナなどを手軽に釣ることができるようになった。
なおアングラー用語として、ターゲットとしての淡水のサケ類はトラウトと呼ばれる。
ちなみに日本国内の河川ではサケ・マス類の禁漁時期を設けている地域があり、産卵で川を上ってきたサケ類(特にシロザケ)の釣り・捕獲は水産資源保護法で禁止されているので十分注意されたし。
関連項目
表記揺れ
