蛮神
ばんしん
概要
ファイナルファンタジー14における、従来シリーズの召喚獣に相当する存在。英語表記は「Primals」。
エオルゼア各地に住まう「蛮族」が信奉する神々の総称であり、「神降ろし」と呼ばれる儀式によって顕現する。
召喚には祈り(信仰または強いイメージ)とクリスタル(エーテル)が必要となり、祈りの強さとクリスタルの数によって力が増減する。
逆に祈りとクリスタルさえあれば、複雑な儀式など必要とせずとも召喚できる。
旧14では蛮族のみが召喚するものであったが、新生エオルゼア以降は人間が召喚するケースも出始めている。
また、神以外にも、神話の登場人物や歴史上の偉人などを蛮神として呼び出すケースも存在する。
第三星暦に栄えた古代アラグ帝国では蛮神を「闘神」と称し、これを拘束する技術を開発。敵対勢力が顕現させた神々を捕獲し、魔大陸アジス・ラーに封印していた。
蛮神の持つ強大な力を利用しようとしての事だったが、封印技術は不完全なもので、帝国滅亡後、長い歳月の末にほころびかけた封印から闘神は目覚めようとし、うち「バハムート」を封印し月の衛星とされた封印装置「ダラガブ」が破壊されたことは第七霊災の発生につながった。その後もアジス・ラーには多数の封印が残されており、世界の崩壊に繋がりかねない危機に対し、光の戦士達は討伐に挑む事となる。
テンパード
蛮神最大の特徴として、他者を洗脳して狂信者「テンパード」を生み出す能力が挙げられる。
その意味は「炎に焼かれ鍛えられたもの」で、最初にプレイヤーが相対する蛮神イフリートの特性になぞらえた表現である。その為、他の蛮神が作り出す狂信者は英語版では様々な呼び方が成されるが、日本語版では「テンパード」で統一されている。
この「テンパード」とは、対象の思考を蛮神のためにすべてを犠牲にできるよう書き換える。テンパード化されたものは攻撃的になるなど一部精神に異常をきたすが、それ以外は普段と変わらない姿のため、傍目からは判別が難しい。そこから更に強くテンパード化した場合は精神の均衡が崩れ、病み、エーテルのバランスが崩れて肉体が変質してしまう。
元々信奉していた蛮族のみならず、多種族や人間すらもテンパード化させることが出来、更に一度テンパードとなったものは現状元に戻すことは不可能。そのため、テンパードになってしまった人間は拘束、最悪の場合処刑するしか道がない。
しかし、ハイデリンの「光の加護」、または「超える力」を持つ者はテンパード化されることがなく、比較的安全に蛮神に対抗できる存在となる。
またそれらの特殊能力がなくとも、テンパード化攻撃を受けなければテンパード化しないため、少なくない犠牲を払いながらも一般兵が討伐する事例は多数存在する。
後に第一世界から帰還したアリゼーがポークシーによるテンパード治療法を確立したことで、テンパード化した者を元に戻すことが可能になった。
危険性
蛮神が顕現するとその土地のエーテル(世界共通のエネルギーリソース)を大量に吸収し続ける。召喚された蛮神を放置していると大地のエーテルの枯渇を招き、生物が住める土地ではなくなってしまう。
また長期間の顕現は蛮神の強力化、テンパード化被害の拡大にもつながる。しかし召喚された蛮神が消滅した場合、その吸収されたエーテルは大地に帰る。
そのためエオルゼアでは蛮神召喚の阻止または早期の撃滅が急務となっているが、テンパード化の恐れがあるため単純な武力では解決できず、ガレマール帝国の侵攻やそれぞれの国内固有の問題などもあるため、蛮神対策に手が回らないというのが現状である。
そのため中立組織である暁の血盟が、各都市の蛮神対策に積極的に乗り出している。
実は蛮族に「神降ろし」を教えていたのはアシエンであり、彼らは霊災を引き起こすことを目的に蛮族を唆すことで蛮神召喚が起きるよう影で暗躍してきた。
より強い祈りと大量のクリスタルによって呼び出された蛮神は通常の蛮神よりもはるかに強大な力を持つ(通称「真蛮神」)。
更に、蛮族の亡骸を用いて作られた「祭器」によって蛮族の怨念を取り込むことでより強大な力を持った蛮神を呼び出す方法も生み出されている(通称「極蛮神」)。
また召喚者が強力な信仰心を持っていなくても、その神に纏わる神器などを触媒にすることによっても召喚できる。
憑依型蛮神
人間や特定の物質を依代として呼び出されるタイプの蛮神。
通常の蛮神と違い、憑代本人の祈りだけでも召喚が可能なのが特徴(無論、多くの祈りやクリスタルがあればそれだけ強力になる)。
また、顕現した際は憑代となった者の姿が色濃く反映されるほか、召喚者の意思がある程度残っており、蛮神の力を個人的に行使することができる。
信仰心が薄い人間であっても、強い祈りが込められた神器などがあれば召喚が可能となる。
主な蛮神
蛮神の真実
蛮神召喚とは、神や偉人そのものが呼び降ろされたものではなく、願いの力によってそれらを模した存在を作り出しているだけの創造魔法である。
例えば、イゼルの呼び出すシヴァ(遥か過去の偉人)はあくまでイゼルが想像したシヴァを呼び出しているにすぎず、シヴァ本人を蘇らせているわけではないことが、シヴァ本人を知る夫のフレースヴェルグから語られている。
一見明確な意思を持っているように見えても、召喚した者達のイメージから生まれた人格が投影されているだけであり、実際ある少年一人の悲しみから呼ばれたタイタンは従来の威厳に満ちた言動ではなく、泣き叫ぶ子供のような言動を取っているなど、召喚者の精神状態に強い影響を受けている。
また、ガイウス・ヴァン・バエサルは、かつて賢人ルイゾワ・ルヴェユールが呼び出した「エオルゼア十二神」も蛮神に過ぎないとしており、ルイゾワ自身もその事を肯定している。
ただしラムウのように召喚した信者が知り得ない知識を有していたり、召喚者が違っても記憶が連続している・人格等が一定しているなど、その場で造られただけとは思えない連続性を有している部分もある。
また、一つの世界に召喚できる蛮神は一種類に対して一体のみという制限も存在する。例えば蛮神イフリートが召喚された場合、その世界では召喚したイフリートが消滅するまで、新たにイフリートを召喚することができない。
このことから蛮神はそれぞれ固有の魂を有していると推測されており、蛮神=信仰する神とは言えずとも、蛮神が完全に召喚者によって即興で創造されただけの存在ではないとも言える。
「漆黒のヴィランズ」によると、その原点は古代人達が創造魔法で生み出した魔法生物であり、イデアと呼ばれる概念設計図を核としてエーテルを注ぐことで何度でも創造する事が出来る。
ただしシヴァや善王モグル・モグXII世など、古代人が想像したとは思えない蛮神も存在するため、全てが古代人によって創造されたとは限らない、かも知れない。
ちなみに銀泪湖でミドガルズオルムが倒れるまで蛮神召喚は観測されていないとされるため、ミドガルズオルムが蛮神のイデアないし召喚の核となる魂を管理していた疑惑がある。
そして、漆黒のヴィランズのトレーラー映像では…
サンクレッド「それじゃあ、ゾディアークとハイデリンというのは…」
エメトセルク「お前たちにわかりやすいように言うとだな…」
「最古にして最強の、「蛮神」だ。」