概要
『三国志演義』の登場人物と『ガンダムシリーズ』の機動兵器を組み合わせたキャラクターが登場する、SDガンダムの1シリーズ。
同じく「『三国志演義』を元にした物語を展開していた『BB戦士三国伝』とはまったくの別物であり、当シリーズとは直接的なにはまったく関連性がなく、こちらは『SDガンダムワールド』シリーズという新たなシリーズの一節となっている。
SDガンダムワールド 三国創傑伝 プロジェクトPV
日本国内でのメディア展開及び商業展開について
当初は主に香港、台湾、韓国をはじめとした日本を除いた世界14か国以上において商業展開が繰り広げられ、かつては「漫画やアニメなどのWebメディア展開は日本語版公式サイトからは閲覧不能だったり動画サイトでの公式配信が日本では地域制限によるブロックとなっているため視聴困難」、「日本での商業展開はガンプラがガンダムベース東京及びガンダムベース福岡限定販売」による実質先行販売となっていたなど、日本在住のSDガンダムファンには基本的に展開されていなかったが、2021年に遂に日本での本格展開が決定、一月のプラモデル一般販売を皮切りに、2月にアニメがYoutube公式チャンネル「ガンダムチャンネル」やTOKYO MX、BS11にて公開・放送が決定。
(TOKYOMXでは1話辺りの時間の関係上、2話セットで3月より放送)
すでに海外で連載されていた、曹操と孫堅をそれぞれ主人公としたコミックシリーズ「SDガンダムワールド 三国創傑伝 蒼翔記」、「SDガンダムワールド 三国創傑伝 焔虎譚」が『SDガンダムワールド 三国創傑伝』公式サイト上において公開される(蒼翔記は後述の通りYoutube「ガンダムチャンネル」においてモーションコミックが公開されており、公式サイトコミックシリーズ紹介ページよりリンクが貼られる形となっている)。
『SDガンダムワールド 三国創傑伝』スピンオフコミックPV
そして同年4月より、本作品と世界観を同じくする直接の続編『SDガンダムワールド ヒーローズ』の展開開始とアニメ放送が決定。劉備ユニコーンら同作のキャラクターも主要人物として登場する。
物語
プロローグ
幾度となく繰り返された大戦争により、
かつて栄華を誇った国々は滅び、大地は瓦礫の山と化した時代。
ようやく復興の兆しが見え始めた矢先、
「黄化トリニティ」と呼ばれる謎のトリニティが全土に蔓延し、
自我を失ったBUGが次々に人々を襲い始めた。
残された人々は襲い来るBUGから身を守るため、
城塞都市での中での生活を余儀なくされていた。
しかし城壁の中では、前領主の死後、領主の董卓が傍若無人の限りを尽くしていた。
運命に導かれるように、関羽ニューガンダム、張飛ゴッドガンダムと出会った劉備ユニコーンガンダムは、
世界を救うことを決意する。
やがて世界は、三人の若者達の情熱によって、大きく動き始めることとなる。
新たな英傑たちが新時代を創り出す!
(以上、「SDガンダムワールド 三国創傑伝」日本語版公式サイトより引用)
世界観設定
黄化トリニティの蔓延により、
人々はBUGから逃れるために高い城壁で領土を囲った。
その限られた大地の中で、
人々は「トリニティ」とよばれる
エネルギーだけを頼りに暮らしている。
だが「トリニティ」は無限のものではなく、
貧富の差を生み出し、争いの火種にもなっていた。
それぞれの城塞都市は城壁によって隔てられており、
各国は領主によって統治されている。
(以上、「SDガンダムワールド 三国創傑伝」日本語版公式サイトより引用)
用語説明
トリニティ
『三国創傑伝』の世界において人々の営みの根幹を成すエネルギー。
また、いずれの勢力においても「トリニティバイク」と呼ばれるトリニティを動力源とする汎用型バイクが主な乗騎として用いられている。
史実において「国力に乏しい」とされた国家に対応するエリアは「トリニティの保有量が少ない」とされているなど、トリニティの保有量は国力に相当する概念として用いられているようである
黄化トリニティ
突如発生した謎のトリニティで媒体によっては黄化とも呼ばれる。
これに感染(リンク)した者はBUG(バグ)と言う怪人に変貌し、他の者も襲い、襲われた者もBUGと化してしまう。
どうやら董卓がこれに絡んでいる模様。
当初は黄化ウイルスという名称だったがコロナウイルスの件から名称を変更。それに伴い、感染もリンク。ワクチンも修正パッチに変更。
オープニング映像のウイルス変異シーンも炎上シーンに変更された。
勢力
ショク・エリア
劉備ユニコーンガンダムたちが住んでいるエリア。
トリニティは比較的少ないエリアだが、自警団「ドラゴンズ・ウォッチ」の活躍で争いごとも少なく、平和な日々が続いている。
劉備ユニコーンガンダムが所属する「ドラゴンズ・ウォッチ」がBUGの襲撃から守っている。
(以上、「SDガンダムワールド 三国創傑伝」日本語版公式サイトの勢力紹介ページより引用)
作品タイトルロゴの向かって左側を飾る「緑色の龍の紋章」がシンボルマーク。
大きな壁で囲んでおり「伝統的な中華風家屋が建ち並ぶ山がちな町」の風景が公式サイト紹介で描かれている。
自警団「ドラゴンズ・ウォッチ」
- 劉備ユニコーンガンダム(CV:梶原岳人)
ショク・エリアの自警団「ドラゴンズ・ウォッチ」に所属する青年。
詳細は当該記事にて。
ちなみに名乗りについて、三国伝シリーズでは基本的にあくまで『三国志』の登場人物として劉備ガンダムは「劉備」と名乗っていたが、当シリーズでは「劉備ユニコーン」は「劉備ユニコーンガンダム」と名乗るという明確な違いがある。
劉備に限らず、今作においては各登場人物は基本的に互いのことはモチーフとなった『三国志』の人物の名前で呼び合うが(例:「関羽のアニキ」)、初対面の相手に名乗るとき(例:「劉備、ユニコーンガンダム!」)など、「(モチーフとなった『三国志』の人物の名前)+(モチーフとなった『ガンダムシリーズ』の機動兵器の名前)』」が作中における正式なフルネームとして扱われているようである。
以前はラクヨウで前の領主に仕えていたが董卓プロヴィデンスの横暴に反発し、出奔した。
黄化トリニティから世界を救う為、張飛と共にデータセンターで存在を知った諸葛亮フリーダムを探していた途中にBUGの襲撃に会うも、劉備達ドラゴンズ・ウォッチの救援で助かった。
以降は劉備と共に行動する。
プラモデルなどでの単独の商品名としては「関羽雲長νガンダム」と表記されているが、キャラクター名はあくまで「関羽νガンダム」である。
関羽と共に前の領主に仕えたが新たに領主に就任した董卓プロヴィデンスの横暴に反発して同じく出奔した。
思った事をすぐに口にする。
- 趙雲ダブルオーガンダム(CV:池田恭祐)
ドラゴンズ・ウォッチのメンバー。
ドラゴンズ・ウォッチのメンバー。
自称「火の玉ボーイ」
バイクの整備をする。
- 諸葛亮フリーダムガンダム(CV:内山昂輝)
世界を救うカギと言われる優秀な研究者。
かつては張角デビルガンダムに弟子入りしていた。
ガシャポン戦士が好きなようで研究所に来た劉備達にガシャポンでドム3体(黒い三連星)を取りに行かせた(モチーフであるストライクフリーダムガンダムの仲間にドムトルーパーがいた)。
ギ・エリア
独占企業「ブルーウイングコーポレーション」が治めるエリア。
トリニティの保有量は、他のエリアに比べて一番多く、城塞都市の中では一番発展している。
(以上、「SDガンダムワールド 三国創傑伝」日本語版公式サイトの勢力紹介ページより引用)
作品タイトルロゴの中央を飾る「青色の鳳の紋章」がシンボルマーク。
「夜を照らし出すような眩い夜景の高層ビル街」の風景が公式サイト紹介で描かれている。
「SDガンダムワールド 三国創傑伝 蒼翔記」第1話において第1話プロローグにおいて描かれた曹操ウイングガンダムの勢力と袁紹レッドウォーリアの勢力によるギ・エリアの支配権を巡る戦が起こる8年前の時代、曹操ウイングガンダムによって統一される前のギ・エリアは多くの会社が並び立ち貴重なエネルギーであるトリニティの保有を巡り血を血で争う経済戦争が繰り広げられている最中の経済地区であったことが描かれている。
大企業「ブルーウイングコーポレーション」
- 曹操ウイングガンダム(CV:武内駿輔)
(イラスト奥側の白い翼を広げた姿の人物)
城塞都市「ギ・エリア」における独占企業「ブルーウイングコーポレーション」のCEOとしてギ・エリアを治める指導者。
詳細は当該記事にて。
夏侯惇トールギスⅢと夏侯淵トールギスは共に曹操ウイングガンダムの従兄弟に当たる。
蒼翔記第1話(曹操の勢力と袁紹の勢力による戦が起こる8年前)の時代においては腕っぷしの強さと素行の悪さで知られる兄弟(夏侯淵曰く「街の不良でしかなかった俺ら」)であったが、力をもてあましていたところを曹操のスカウトを受け独自の自警団「ブルーウイング」を結成した事が明かされている。
年齢については蒼翔記第1話の時代では曹操ら3人共に本編より幼く思われる容姿で描かれており、トリニティバイクを「俺も大人になったら1台欲しい」と語るなど少年期らしき描写がある。
蒼翔記第1話の頃の夏侯淵は夏侯惇に袁紹の素性が「ギ・エリアにおいても一際目立つ大きなビルを構える大企業の御曹司」であることを聞かされて驚き「お前はまさかこんな常識も知らんのか、本当に無知な奴だな」と呆れられる描写があるなど、あまり頭はよくなかったようである。
ブルーウイングとしての活動に夏侯惇は「実は袁紹のやつが言ったことも一理あるな……」「エリートのお前がオレたちと一緒に自警団などをやる理由がわからん」。夏侯淵は「たしかにな。お前なら放っといても会社の社長なんだろ?成績優秀なんだし」など明晰な頭脳で知られる様とは裏腹に強盗団を捕まえるなど荒事に明け暮れる日々を送る曹操の思惑を図りかね疑問の声を挙げていたが、曹操が「ブルーウイングを結成し、自警団として夏侯惇達と共に戦ってきた理由たる『曹操が想定するギ・エリアに迫るトリニティ枯渇の危機とトリニティ枯渇を防ぐための企業群統一によるトリニティの正しい管理。企業群統一のための戦いに備え強さを得るための戦い』」といった自らの真意、“曹操の描く未来”を明かしたことにより二人は共に曹操への臣従を誓った。
当初は呂布シナンジュと徒党を組んでいたが、夏侯惇トールギスⅢに敗北してからはブルーウイングに入社。モノアイ仮面を外してガンダムフェイスに変わり、経営面でも才覚を現す。
アニメ版第3話においては董卓プロヴィデンスガンダムの家臣として登場しており、アニメ版第4話において諸葛亮フリーダムガンダムは自分と同じく張角デビルガンダムの弟子であった者として名前を挙げている。
・BUGの脅威やトリニティの枯渇の問題に対する対策を巡り董卓に詰問するも無責任な対応に憤る曹操ウイングガンダムを諫めるべく現れるも、曹操の目を覗き込んだ際司馬懿の目が僅かな間赤く輝いた後曹操の目も同じ色に僅かな間輝く
・ラクヨウ・エリアからギ・エリアに帰還した際曹操が司馬懿を訝る様子を見せている
・かつて張角が研究施設として用いていた素粒子研究所の跡を諸葛亮の案内の元劉備一行が訪れた際、何故か密かに司馬懿も物陰に隠れ潜み様子を伺っていた
など不審な言動も多い。
ノースフォックス
「SDガンダムワールド 三国創傑伝 蒼翔記」に登場する勢力。
蒼翔記の時代、ギ・エリアにおいて「指折りの大企業」と称されるほどの規模を築いていた企業であり、曹操ウイングガンダムの父親の会社であるトリニティ加工会社の親会社に当たる。
曹操の父親の会社の親会社であるノースフォックスの御曹司であり曹操の幼馴染。
父親同士の関係性同様曹操のことを部下扱いしており高圧的な態度で接する。
ゴ・エリア
孫堅ガンダムアストレイが率いる流通ギルド「レッドタイガー」の拠点。
「レッドタイガー」の空母内に住まう民衆たちのほとんどがこのギルドに所属している。
流通業をはじめとする様々な商売を営んでおり、その商いに害を及ぼすBUGと日々戦い続けている。
空母でもあるため、トリニティの保有量はショク・エリアに次いで少ない。
(以上、「SDガンダムワールド 三国創傑伝」日本語版公式サイトの勢力紹介ページより引用)
作品タイトルロゴの向かって左側を飾る「赤色の虎の横顔の紋章」がシンボルマーク。
「巨大な機械設備の柱が立ち並んだ整備ドックのような場所」の風景が公式サイト紹介で描かれている。
流通ギルド「レッドタイガー」
- 孫堅ガンダムアストレイ(CV:山口太郎)
(イラスト左側の左手を突き出した黒地に金と赤の装いの人物)
- 大喬ガンダムアルテミー
- 小喬GNアーチャー
- 因みに大喬と小喬は三国伝シリーズには名前すら登場していなかった。
ラクヨウ
董卓プロヴィデンスガンダムが領主として君臨している。
トリニティの保有に関しては、他のエリアなど比べものにならないほど潤沢ではあるが、董卓プロヴィデンスガンダムはそのエネルギーを独占し、BUGから身を守りながら贅沢の限りを尽くしている。
(以上、「SDガンダムワールド 三国創傑伝」日本語版公式サイトの勢力紹介ページより引用)
「軍旗を掲げる大軍勢の前に広がる果てしない荒野」の風景が公式サイト紹介で描かれている。
Youtubeにおけるアニメ版公式配信の説明文においては「ラクヨウ・エリア」とも表記されている。
(イラスト向かって左側、黒地に赤い紋様の走った姿の杯を自身の左腕の側に向けている人物)
ラクヨウの現領主。
詳細は当該記事にて。
董卓の用心棒である戦士。戦闘狂で彼の周りには戦いがあると言う理由で従っている。
蒼翔記の時代においては張遼サザビーを連れて各地を渡り歩く用心棒を行っており、呂布の武名は「金次第で何でも請け負う最強の用心棒」とすら称されるほど名高い。
貂蝉クシャトリヤのパーツと合体することで、ナイチンゲールをモチーフとした姿に変幻する。
(イラスト向かって右側の白い兜と鎧を身に纏ったような姿の人物)
呂布の側近。
その他
CV:うえだゆうじ
トリニティ研究の第一人者。トリニティ枯渇を危惧しており「人々が資源の枯渇に怯えることのない世界」作りのため、トリニティに代わる新たなエネルギー作りを研究している。
諸葛亮フリーダムガンダムと司馬懿デスティニーガンダムは彼の弟子であり、諸葛亮は「かつて高価なデバイスを『研究者に必要』という理由だけで快く買い与えてもらった」ことを挙げ恩師として今なお深く慕っていることを語っている。
アニメ版第3話において曹操ウイングガンダムの「トリニティに代わるエネルギーの開発」に関する詰問に対し董卓プロヴィデンスガンダムは「連絡が取れなくなっている」と答えており、アニメ版第4話において諸葛亮が弟子入りしていた時代に用いていた素粒子研究所は無人の廃墟と化しているなどその消息は不明となっている。
関連タグ
SDガンダム 三国志(三国志演義) SDガンダムワールド ヒーローズ 三国伝
トランスフォーマー:機械生命体や特殊エネルギーがテーマの1つである作品繫がり。
外部リンク
- 「SDガンダムワールド 三国創傑伝」公式サイト
- 『SDガンダムワールド 三国創傑伝』公式サイトにおけるコミックシリーズ公開ページ
- 三国創傑伝 − SD GUNDAM WORLD SANGOKU SOKETSUDEN 特設サイト|THE GUNDAM BASE TOKYO - ガンダムベース東京公式サイト
- 『SDガンダムワールド』シリーズ公式Twitterアカウント
アニメ版「SDガンダムワールド 三国創傑伝」
Youtube「ガンダムチャンネル」におけるアニメ版「SDガンダムワールド 三国創傑伝」の公式配信は、2021年2月25日より毎週木曜19:00から行われる
第1話
「SDガンダムワールド 三国創傑伝 蒼翔記」
「曹操ウイングガンダム」の生い立ちを描いてゆくモーションコミック。2020年12月21日よりYoutube「ガンダムチャンネル」において公式配信されている
第1話
「SDガンダムワールド 三国創傑伝 焔虎譚」
こちらは通常のコミック形式。『BB戦士三国伝 戦神決闘編』と同じ津島直人氏が描いている。「孫堅ガンダムアストレイ」と、その家族たちの物語。上述の蒼翔記よりも時系列が後の、黄化トリニティ蔓延寸前の話。2021年1月5日から毎週火曜公式サイトにて配信されている