「皆さん、ボンヌ・レクチュール! 僕はタッセル。突然ですが、本って本当に凄いですよね!」
概要
『仮面ライダーセイバー』で毎話の冒頭(もしくは最後)に登場する人物で、TVの前の視聴者に対して本作の物語の概要を解説してくれる案内人。
異世界ワンダーワールドのどこかにあるファンシーな外観の家に住んでおり、そこから神山飛羽真達の活躍を見守っている。
蓄えられた立派な口髭を持ち、緑色のロングヘアーにピンクのハット、赤や黒で彩られて銀の肩当てのあるジャケットをピンクのスーツの上から羽織り、その左肩には鳥の巣が乗った木の飾りを乗せていて、ファンシーな傘を差すと言う、何とも独特過ぎる格好の人物。
毎回の挨拶の「ボンヌ・レクチュール」とは、フランス語で「よい読書を」という意味。
人間なのか、人間ではないのか、はたまた現在に生きているのか、或いは過去の存在なのか、それすらも不明。しかし少なくとも、後述の項目からも分かる通り現在に干渉できる存在ではある。
キャストが発表された際の公式サイトの人物紹介文では、「彼が飛羽真たちと関わる時、多くの謎が明らかになり、物語が大きく動いていく」とあり、単なる傍観者ではなく、やがて飛羽真達と出会うであろう事が示唆されている。
人物
名前の由来は本につけられている紐状の栞「スピン」の別名であり、演者のTOBI氏自身がTwitterで解説している。
第4章冒頭では尾上亮に対し「濃いキャラ来たぁぁぁぁぁっ!!」と叫ぶが、視聴者からは当然の如く「お前が言うな!!」とのツッコミが入った。
その後キャストブログにおいても、尾上亮役の生島勇輝氏からも、「タッセルさん自身も十分濃いキャラだと思います。」と言われてしまっている。
作中の物語の「語り部」のようなスタンスで毎週の冒頭に登場しており、放映が始まったばかりの頃は作中のストーリー展開に関わるような存在ではないと視聴者からは思われていた。
当初は前回のあらすじを語る程度であったが、仮面ライダーカリバーが飛羽真達に干渉し出した辺りから、本編中に語られていない裏の事情や、その後の展開を知っているかのような話を視聴者に開帳するようになった。
そして、第10章ラストでは真顔になって「僕もそろそろ、彼に会わなければ…」と不穏につぶやいており、物語の舞台への登場をほのめかしていた。
そして、第12章にて飛羽真のすぐ近くに、アヴァロンに居た謎の男と共に現れる。
この事から、少なくとも現在進行形で物語に関わっており、(つまり、冒頭のやりとりは第四の壁を超えたやりとりである事が明確になった)少なくとも現在に来る事ができる存在である事が明示されている。
第16章では今まで共に過ごしていた謎の男がその正体を現して飛羽真の前に現れたことで、彼の正体について視聴者に対して解説してくれた。同時に飛羽真とノーザンベースの仮面ライダーたちの絆が壊れたことを憂いてみせた。
無論、今までの言動から彼が謎の男がどういう存在であるのかを知らないわけがないと思われるが。
その為、どういう思惑で飛羽真たちを見守っているのか、ますます謎が深まっている。
エックスソードマン登場回では、ユーリがタッセルの家にやってきたことで、タッセルが住んでいる家はワンダーワールドのどこかにあり、本作の本編の世界と繋がっていることが明らかになる。そして同時にタッセルがワンダーワールド物語ワンダーライドブック(おそらくすべて)を所持していることが判明(但し管理に関しては全くと言っていい程皆無であり、ユーリから光剛剣最光ブックの返却を求められた際、如何にも『何処にあるか忘れた』という表情を見せた。当然ユーリ本人からは「まさか失くしたのか?!」と聞かれる始末だった)。
タッセルは(帽子の中から取り出した)光剛剣最光ブックを「これで彼らを導いてください」という意味深なセリフとともにユーリに渡し、ブックはエックスソードマンワンダーライドブックへと変化した。
第24章では突然何処かへ出かけて行った。同章にて仮面ライダーカリバーが復活した事から「タッセル本人がカリバーに変身していたのではないか?」と思われていたが第25章にてカリバーの正体が死んだはずのあの男であったためその予想は外れた。
尚、プリミティブドラゴンの事についても知っていた模様。
正体についての謎
タッセルが単なるナレーター代わりの案内人ではなさそうということが明らかになってくると、ネットでは「こいつは何者なのか」について様々な議論が巻き起こった。
- ラスボス
- 変身しないウォズ
- DJサガラのような狂言回し
- 『大いなる本』の意識体
- 仮面ライダーカリバーの正体(但し、富加宮隼人が登場した事で、その可能性が低くなったと思われたが……第9章ラストのソフィアの発言及び第10章の展開により、カリバーの正体は複数いるという説も浮上)
と言った風に、大きく分けて「完全なる第三者か、ラスボスのどちらかではないのか?」と言う形で、大きな意見がまとまっていた。
第10章の最後にて、カリバーの正体が明らかになったとともに、彼の持つ邪剣カリバードライバーが、「世界で最初に作られた2つの聖剣の内の1つである」事を視聴者に明かすとともに、ついに自らも物語に関わる事を宣言する。
正体
マスターロゴス「現れたか…ビクトール。」
ビクトール「今はタッセルと呼んで欲しいなぁ」
第26章において、実は最初にワンダーワールドに降り立った「始まりの5人」の1人であり、ワンダーワールドを守るために同世界に留まった人物であることが判明。その為、初代マスターロゴスやメギドの3幹部とは面識があった。また、タッセルという名もあくまで現在名乗っている呼び名であり、本名はビクトールである事が明かされた。
世界支配を目論む現在のマスターロゴスを非難し、彼の攻撃で消滅するが、第27章で生きていた事が発覚。同話で飛羽真の前に初めてその姿を現す。
「世界は今、最悪の方向へ向かっている。君は、早くあの子に会わなければダメだ」
そして、プリミティブドラゴンを救った飛羽真に、ルナに一刻も早く会うようにと告げた。
第33章において、失った体を再生中であることがユーリの口から明かされた。
(前述の「飛羽真の前に姿を現した」というのも、飛羽真とプリミティブドラゴンの化身の少年が会う飛羽真の脳裏の世界での出来事)
「始まりの5人」の1人であること、第36章でのユーリと富加宮賢人の会話での「ワンダーワールドの力を手にした者はワンダーワールドの守護者となり、この世界から消える」という発言を合わせて考えると、タッセルはワンダーワールドの力を手にし、守護者としてワンダーワールドの住人となった可能性が高い。聖剣や物語の裏設定に精通していること、飛羽真らの存在を知っていたことも、目次録によって全てを知っていたから、と考えれば説明がつく。
第39章冒頭でようやく身体の再生が済み、久々の登場。
何時もの自室で視聴者に語り掛けつつ、光の鳥に労いの言葉をかけた。
直後、世界を繋ぐ少女が再び現れた事を察知し、ラストでも探し回る様子が見られた。
余談
演者のTOBI氏は海外で活動する音楽ユニット「レ・ロマネスク」の片割れである。
調べてもらうと分かるが、普段の仕事着も大概ド派手な装いであり、「タッセルとしての姿の方が控え目に見える」と言う意見すら出ている。
関連タグ
仮面ライダーセイバー ワンダーワールド(仮面ライダーセイバー)
DJサガラ、ウォズ:過去作のストーリーテラーにして狂言回し、そして物語の核心を知る人物。彼らは共に善意ある(ウォズの方は微妙だが)存在だったが、タッセルの場合は…?
講釈師(カクレンジャー):同じ東映特撮におけるストーリーテラーにして狂言回し。但し、こちらは途中から大人の事情で降板している。
飛電或人:第1話の冒頭から「本って 本当に凄いですよね!」という彼を彷彿とさせるギャグめいた台詞を飛ばした為、ネット上では各地で「はいっ!アルトじゃないとー!」と言ってしまったと言う人を続出させた。
始まりの5人
ネタバレ注意!!
「全知全能の書とは何か、ワンダーワールドとは何か……全ての始まりは、2000年前……」
第41章にて、ノーザンベースで束の間の休息を謳歌していた飛羽真たちの前に現れる。そして、上記の台詞と共に語り始めた。
当時、ビクトールは4人の仲間たちと共に人が持つ閃きや神の啓示……その起源とも呼べる知識の源を探していた。それは決して単純な好奇心でも私利私欲のためでもなく、貧困や疫病で苦しむ人々の暮らしを豊かにするという目的のためだった。
やがて彼は「世界を繋ぐ存在」と出会い、彼女から託された知識の源は一冊の本へと変わった。後に全知全能の書と呼ばれるその本はワンダーワールドを創り出し、広大な景色に感動した仲間たちも、その力を人類の繁栄のために尽力する……はずだったのだ。
だが、レジエル・ズオス・ストリウスの3人はビクトールから全知全能の書を奪うと、あろうことか断片を自身の肉体に取り込んでしまった。「知識の源から生まれた魔物」・「一冊の本から誕生した魔人」とも呼ぶべき悍ましい怪人へと変貌してしまった彼らは今度は全知全能の書その物とワンダーワールドを手中に収めるべく、争いを引き起こしてしまう。
その身を犠牲にした「世界を繋ぐ存在」である女性の消滅と、かつての仲間たちの暴走に心を痛めたビクトールと初代マスターロゴスは残った全知全能の書を二つに分け、世界の均衡を守ることにしたのがメギドと剣士の長い戦いの始まりである。
争いを止めようにも、力を手に入れた代償として既に現実に干渉することが出来ず、繰り返される悲劇を観ることしか出来なかったのが彼の真相だった。同時に、最初の聖剣である闇黒剣月闇を創り出したのも彼であることが判明した。