概要
CV:中村悠一
物語最序盤、アヴァリティア商会会長のバーンを通して主人公レックスに高額な報酬と引き換えに沈没船をサルベージする仕事を依頼した集団の一人。
屈強な体格の男で言動は荒々しく、ほぼ初対面のレックスに対しても"頼りになるかどうかを確かめる"ために不意に斬りかかったほどである。
ザンテツという名のブレイドを従えたドライバーであり、独特な形状の刃を展開する剣を逆手に持って戦う。
古代船の奥で"天の聖杯"と呼ばれる少女型ブレイド・ホムラとその剣を発見し、ホムラを船外へ運び出し残りのサルベージャー達も口封じの為に殺害しようとするが、レックスがホムラと同調しセイリュウの助けを得てホムラと共に逃げ去った事から天の聖杯を回収するという目的は失敗に終わってしまう。
メツらは何処の国にも属さない謎の秘密結社「イーラ」であり、その後レックス達の行く手に度々立ちはだかることとなる。
経緯(ネタバレ有)
第3話ではインヴィディア烈王国の首都フォンス・マイムにて少女を人質にホムラ一人を首都近郊の遺跡へと呼び出し、イーラのメンバー・ヨシツネと共に彼女を襲う。
駆けつけたレックス一行との戦闘の末に自らを囮にレックス達を逃がそうとしたヴァンダムを殺害、一行を圧倒するが目覚めたヒカリの力によってザンテツ及びヨシツネのブレイド・カムイを倒され、退却した。
ここでブレイドを失った為武器が消滅するが、後にメツ自身がヒカリ(ホムラ)と対をなすもう一人の天の聖杯であることが判明。
ある意味では彼女らの兄とも言え、コアクリスタルの形状もホムラと同じで紫色である。
序盤にホムラを手に入れようとしていたのは、過去のヒカリとの戦いで欠損したコアクリスタルを補完し聖杯としての力を取り戻す為であった。
第6話ラストでシンがホムラを連れ去るとその力と記憶を奪い取り、完全なる天の聖杯として復活を遂げる(以後、胸元のデザインが金色の枠に紫のコアクリスタルが輝くものに変化する)。
そして第7話では、世界樹を守っていたサーペント・デバイスを使役しようとするが本能で襲い掛かるように設定されていたため失敗する。そこで力尽くでプログラムを書き換えるべく激闘を繰り広げる。
その戦闘後、モルスの断崖にて自らの剣を手にレックス一行の前に立ちふさがるが、この時の武器は前々作で主人公シュルクが振るったモナドに酷似している(ムービーではモナドイーターを表す「喰」の字が浮かぶ)。
特にこの剣がモナドという名前かどうかの明言はセリフの上では無いが、戦闘時のアーツ名がそのまんま「モナドイーター(喰)」「モナドサイクロン(轟)」「モナドアーマー(鎧)」そして「モナドバスター(斬)」であるためほぼ間違いない。なお、前々作にはない新規のモナドアーツとしてパーティ全体に対するブレイド封鎖効果を持つ「モナドジェイル(封)」も使用する。
この時、ニアの能力に敗れて崖から落下するが、ただの演出でありすぐに復活してシンと合流する。主にメレフ、ジークを相手取りながらレックスの「無駄な努力」を嘲笑っていた。しかしホムラ/ヒカリがレックスと再同調して真の力と姿となったことで形勢逆転される。そこで事前に使役していたサーペント・デバイスをけしかけるが、ホムラ/ヒカリもまたセイレーン・デバイスを呼び寄せ、激しい戦闘に足場が崩壊してしまう。
シンとは離れ離れになってしまったが、ヨシツネたちと合流して世界樹へと近づきシンを回収。そのままシンと共に最上層を目指す。
実はドライバーは法王庁のマルベーニであり、メツが世界を滅ぼそうとする原因もドライバーである彼の精神の影響を受けたものだと判明する。本人にもその自覚がある。
世界樹の頂上に登り神に会ったメツは、問答無用で手に掛けようとするが攻撃を無効化される。しかし神の寿命がいずれ尽きることを告げられ、世界を壊す方を優先してその場を立ち去った。
「来いよ、小僧! 来いよ、相棒! 全身全霊で、全てでもって示して見せろ! お前たちの意志を! この世界に立っている意味を!!」
そしてホムラの記憶から得た情報を基にアイオーン・デバイスを探し出し、起動・搭乗する。彼の兵器は星を破壊するために造られた存在であった。そこへレックスたちが駆け付け、星の命運を賭けた最終決戦を繰り広げることとなる。最後は勝機を掴んだレックスとプネウマの同時攻撃によってアイオーン・デバイスを大破させられ敗北する。
メツ「楽しかったぜ――小僧。もっと早くお前に出会ってたなら――いろんな世界が見えたんだろうな――だが、それでも――」
レックス「オレが――あんたのドライバーだったら――そうすれば――」
メツ「気色悪ぃことを言うな――俺のドライバーは奴だ。それは、それで――悪か――ねぇ――」
メツはレックスに看取られながら消滅し、こうして500年も続いた狂気の宿命から解放されたのだった。
正体
その正体は旧世界にて、後の世界樹となる軌道ステーション・ラダマンティスに搭載されていた三基のコンピュータ「トリニティ・プロセッサー」の一つ「ロゴス」であり、後にヒカリ/ホムラとなる「プネウマ」、そして相転移の際に異世界へと消失した「ウーシア」と同列の存在である。このウーシアと同等の性能を持つと考えれば、メツがモナドを振るったのも頷ける話である。
黄金の国イーラ(ネタバレ有)
本編より500年前、聖杯大戦を描いたDLCシナリオ黄金の国イーラにももちろん登場する。
この時点でマルベーニの元から離れ単独で行動しており、デバイスを使役して様々な場所を襲撃しアルストを混乱に陥れていた。
イーラを襲撃した際にアデル、ヒカリ、ラウラ、そして後に味方となるシン達を含むパーティと対峙する。なおここでアデルと剣を交えた際に彼の目が金色(=レックスと同じ)であることに言及しており、本編序盤でレックスに言うセリフとの繋がりが示唆されているがそれ以上詳細な真意が明かされることは無かった。
本編以上に「自分自身の役目が世界を滅ぼすことだと考え、個人的な深い意図や目的なく世界を滅ぼそうとしている」ことが強調されており、「ただセイレーンを使って沈めるのはつまらないので飽きた」「退屈しのぎだよ、ただの」などゲーム感覚で世界の命運を弄ぶかのような発言が目立つ。
本編での振る舞いは、彼なりに自分を顧みる様になった結果だったのだろう。
使用するアーツは本編でのモナドを持った状態の時と基本的に同じだが、最終決戦では敵(メツ)・味方(ヒカリ)ともにデバイス攻撃を使えるという特殊なシステムが追加されている。
戦闘BGMは本編で使われた汎用ボス戦曲「Incoming!」とは異なるオリジナルのものに変更されているが、これは本編の神鎧マルベーニ戦BGMのアレンジである。最終決戦後半ではアイオーン・デバイス戦と同じものが流れる。
余談
メツを演じた中村悠一は『ゼノブレイドクロス』にも主人公アバターの仲間キャラクターの一人として出演していた。
作中では「もう一人の天の聖杯」としてレックスやヒカリ/ホムラ達の前に立ちはだかるが、巷ではメツとホムラの役割が入れ替わったメツブレイドなるネタも存在する。
実際、本編ではぶっきらぼうな物言いながらも言動の端々でシンを慮るような感情を覗かせており、本質的には決して邪悪ではないことが窺える。
決着後にレックスが言っていたように、マルベーニの終末思想に染められさえしなければ、人々や世界にとっての心強い味方に成り得たのかもしれない。
関連項目
アルベド・ピアソラ:ゼノサーガシリーズの悪役。「ショタを嘲って苦しめる」「サブヒロインの記憶に干渉する」「第三者の影響により精神が歪んでしまう」「巨大ロボットの繰り手」など共通点がある。
T-elos:同じくゼノサーガシリーズの登場人物。ヒロインの対存在という点が共通。
ツクヨミ(クロノクロス):クロノクロスの登場人物。「一時的に仲間になるが最終的な敵になる」「ヒロインの対になる役回り」「使命に縛られて人類抹殺を企てるが本心では仲間を思いやっている」など共通点がある。
ダークセルジュ:クロノクロスの悪役。「黒いカラーリング」「第三者の感情の影響を受け精神が歪んでしまう」「決着場所が研究施設でロボットに変身して戦う」「決戦の前口上が似ている」など共通点がある。
デウス:ゼノギアスに登場する巨大兵器。アイオーン・デバイスのオマージュ元。
時を喰らうもの:クロノクロスの元凶。デウスのオマージュキャラ。
シューイン:FF10-2の登場人物。「ある人物の負の感情が反映された存在」「ラストバトルで巨大ロボットに乗り込む」など類似点がある。
ガルザ(キラメイジャー):同じ中村悠一の悪役兼イメージカラーが黒繋がり。