※本稿は『ゼノブレイド2』本編および『黄金の国イーラ』のネタバレを含みます。
「これは我々人間が 越えなければならない試練だ」
「でなければ 君達と共に歩む資格はない」
概要
CV.半田裕典
本編より500年前、聖杯大戦の時代を生きた人物で、天の聖杯・ヒカリのかつてのドライバー。
インヴィディア烈王国のカラム劇場にて、ヒカリと初めて同調し抵抗軍を決起した。
本編では回想シーンや本人が遺したホログラムの映像、幻影のような存在としてしか登場せず、それらも一貫してフードを目深に被ったで描かれ人相ははっきりとは分からない。
ヒカリを連れてメツと戦い撃破した英雄として語り継がれており、話題にのぼる機会は多い。
もっとも、故人となってから長い年月が経過しているため、その内容は実態から乖離したものも多くなっている。
フルネームは「アデル・オルドー」。
欧米では「アデル」は女性名としてのイメージが強いためか、英語版では「アダム(Addam)」という名前になっている。
ルクスリア王国で代々王が継いできた聖杯大戦の伝説によれば、聖杯大戦時にアデルはヒカリの「天の聖杯・第3の剣」を制御できず、リベラリタス島嶼群にエルピス霊洞を作り第3の剣を封印したとされている。
また、聖杯大戦後の世界の動きは大方予見していたようだが、自身は表舞台に姿を見せることはなかったという。
その傍ら、親しい関係にあった巨神獣・セイリュウにリベラリタス島嶼群の防衛を任せていた。
聖杯大戦後にホムラを古代船に封印した理由を「現在の人間では天の聖杯を完全に制御することができない」とし、封印直前にホムラに「封印が解かれる時こそ、人間とブレイドの真の絆が示される。封印は人間とブレイドに対する試練」と告げていた。
そして、レックスがシン達に敗れホムラ・ヒカリを奪われ、ルクスリア王・ゼーリッヒとセイリュウの導きでエルピス霊洞の最深部「英霊の間」に辿り着くと、アデルの魂がレックスと共鳴。
アデル曰く、レックスが夢で見ていたホムラの記憶=楽園を見たことがないとのことで、可能性のあるレックスに「ホムラとヒカリは自分の大きすぎる力に恐怖を抱いている」「自分一人にできることは限られている。自分ができることをすればいい」という大きな助言を与えていった。
助言の1つ目はレックスがホムラとヒカリの真の姿を覚醒させ天の聖杯第3の剣の制御を成功させた。
さらに助言の2つ目は、レックスの「答え」の大きなヒントになる。
それは、「自分達の想いを次の世代の"誰か"に託し、世界を前へ進めていく」という強い答えで、シンやメツだけでなく、次作のキャラクター達にまで影響を及ぼした。この点でも、アデルは間違いなく「影の英雄」だろう。
実態
「いやぁ嬉しいよ 僕ぁ」
「大好きだぞ僕は 君達が」
DLC『黄金の国イーラ』にて、生前の姿が詳細に描かれている。
このストーリーではラウラとシンが主人公であるため脇役にはなるが、プレイアブルキャラとして登場する。
ただし一人称が本編の「私」から「僕」に変わるなど、設定変更というメタ的な理由によって回想シーンと矛盾する点が生じている。
イーラ国王の実子で、辺境の小規模な範囲ながら自身の領地も有する王子様。
王位継承権が4位という事もあって継承には興味を示しておらず、慈善事業のような事を多く行っている。それがかえってカリスマ的な人望を生んでおり、領地を越えた支持が広がっている。
自らを「放蕩王子」と自嘲するほどフットワークが軽く、他国との間にも独自のコネクションを形成している模様。ゲーム中にも以前命を救ったグーラ人の少年・ミルトを従者扱いで連れた状態で現れ、一途に慕われている様子が描写されている。
他方で叔父にあたる王弟ゼッタ公からは疎んじられており、既に「反アデル派」というものも形成されているなど、決して順風満帆な人生ではなかった事も仄めかされている。
ヒカリとは、ストーリー開始の1年ほど前に、暴走したメツを討伐するためアーケディアの仲介で同調したとの事である。なお、この時ゼッタ公も同調を試みたものの失敗している。
ラウラ・シンとはイーラ王国のリサリア地方で偶然出会い、シンがかつて宝物庫から盗み出されたイーラの秘宝であった事から(主にシンとヒカリの勇み足で)戦闘沙汰になるが、すぐに和解し仲間となる。
旅の中で旧知であるスペルビア帝国の皇帝・ユーゴや、マルベーニのブレイドだったマンイーター・ミノチとも再会し、彼らと共にメツの討伐を目指す。
直接の描写が無いため詳細は不明だが、母親は国王が遠征中に出会った現地の女性で、メツから「妾腹」と煽られた際も否定はしていない。その点がゼッタ公らから疎まれる一因になっている事を把握しており、意識的に辺境に身を引いている節もある。
また、既に結婚しており妻は出産が近いとも語られる。本編ではあまり登場しなかったタイプのドライバーであり、生まれたばかりで力の加減や人との付き合い方に慣れないヒカリを保護者のような立場で見守っている。
容姿について
銀髪で、髪質や体格は本編のジークに似ている。
ただしアレな要素は無く、見るからに好青年といった出で立ちである。
また、先方が青色の瞳であるのに対し、こちらは金色の瞳をしている。
イーラ人(および、その流れを汲むルクスリア人)の瞳は通常青色であり、これは母親の血が現れた結果である。先述のメツもこれを見て妾腹と判断した。
ちなみにラウラや本編のレックス、ドライバー以外ではミノチが本編で保護していた難民の少女イオンも金色の瞳である。
特にレックスは本編の冒頭でメツ直々に「その瞳の色 もっと注意しておくべきだったな」と言及した事から何らかの関係を持っているようではあるが、終始敵対し続けたため発言の意味が語られる機会は無かった。
真実に関しては「妊娠した妻がいる」「メツの意味深な発言」というワードからユーザーの推測に任せると言ったところだろう。
また、アデルは天の聖杯第3の剣とホムラを2か所に分けて封印するにあたり、そのどちらにも「アデルの封印」を設けている。
これはリベラリタスの人間にしか解除できないとされているが、リベラリタス出身ではないレックスがどちらも解除できている。
この点からも、レックスとアデルに血縁関係があるのではないか、という推察がなされる。
さらに、『ゼノブレイド3』ではEDにアデルの年齢くらいに成長したレックスが写真で登場したのだが、その容姿がアデルそっくり。
加えて、『3』設定資料集の「アイオニオン・モーメント」では『新たなる未来』のレックスの初期デザインは「アデル似にする予定だった」と記述されている。
ここまででもかなりレックスとアデルの関係性が示唆されているが、真相は未だ不明のままである。
ちなみにだが、仮にレックスがアデルの子孫だった場合、ジークとは遠い親戚のような関係になる。
アデルの父がイーラ国王であり、ルクスリアを興した反アデル派のゼッタはイーラ国王の弟だからである。
能力
属性 | 武器の属性に依存 |
---|---|
武器 | クレイモア |
物理防御 | 15% |
エーテル防御 | 10% |
アタッカーアーツ |
|
サポーターアーツ |
|
必殺技 |
|
チーム・アデルのドライバー。全体的に攻撃的で、ライジング、正面特効、両手剣、大振りでスピード感に欠けるモーション・・・と、戦法もどことなく本編のジークを彷彿とさせる。
武器の属性がデフォルトでは雷なのも、ジークから逆算で設定されているのかもしれない。
チーム・アデルは他のチームよりもドライバーコンボを連続して繋げやすく、HPと引き換えにドライバーコンボの受付時間を延長するタレントアーツと相性が良い。アデルのソードフリックによるライジングからのヒカリのスイッチアーツ・フラッシュリングによるスマッシュは、序盤から終盤まで通用する鉄板コンボである。
関連イラスト
関連項目
ラウラ(ゼノブレイド2) シン(ゼノブレイド2) カスミ(ゼノブレイド2)
ユーゴ(ゼノブレイド2) カグツチ(ゼノブレイド2) ワダツミ(ゼノブレイド2)
ゼノギアス:フードと仮面で素顔を隠したワイズマンという人物が登場する。強敵に敗れて心を折られた主人公を諭すなどアデルと似た役回り。
バルトロメイ・ファティマ:ゼノギアスの登場人物。彼の祖先「ロニ・ファティマ」は、500年前の戦いで人類を滅亡の危機に陥れたORヴェルトールを倒して世界を救っている。
ダンバン:モナドの不適合者でありながら英雄と称されたという点でかなり酷似している。ダンバンの場合はアルヴィースが管理者として君臨しザンザ、メイナス、シュルクらをトリニティ・プロセッサーの「裁定者」の立場として天秤にかけていたため、ダンバンはトリニティ・プロセッサーに認められておらずモナドを扱う資格が無かった。同じく、アデルもトリニティ・プロセッサーのヒカリの全てを受け入れられなかったために第3の剣を制御できなかった。ダンバンは片腕を損傷し、アデルはイーラ王国とイーラの巨神獣や親友ユーゴなど多くのものを失った。
ザンザ:天の聖杯第3の剣とホムラを別々に封印した点が、ザンザの封印された手段と酷似。ザンザの場合は肉体を監獄塔へ、魂をモナドと共にヴァラク雪山のオセの塔へ、それぞれ封印されていた。アデルは未来の人間への試練のため、天の聖杯第3の剣をリベラリタス島嶼群のエルピス霊洞に、ホムラを古代船に、それぞれ封印している。