ピクシブ百科事典は2023年6月13日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

ドーナツ化現象の編集履歴

2021-09-11 08:58:46 バージョン

ドーナツ化現象

どーなつかげんしょう

ドーナツ化現象は郊外の居住人口の増加と中心市街地の人口減を表す用語。

概要

中心市街地人口が減少し、郊外の人口が増加する都市問題。決してメインイラストのような事例ではない


人口分布図で見ると中心部に穴が空き、その見た目が菓子ドーナツに似ていることからこの名前がついた。


日本では大都市で顕著であるが、この現象が深刻な問題になるのは、地方都市にしばしばみられる都心の荒廃である。


大都市のドーナツ化

ドーナツ化現象は三大都市で顕著で、例えば東京23区で比較的郊外に位置する世田谷区の人口は2015年9月現在の推計でおよそ90万人政令指定都市に匹敵するレベルなのに対し、都心の千代田区の人口は2011年9月現在の推計でおよそ5万8千人と小規模な地方都市レベルとなっている。 そりゃあ都心の学校でも情け容赦なく廃校問題とか出るわな。


一方で、大都市の都心は毎日公共交通機関で膨大な通勤者や買い物客らを郊外から集めており、千代田区に昼間に滞在している人は居住者の15倍の約85万人にまでふくれ上がる。通勤ラッシュの激化(満員電車)や地域コミュニティの空洞化などの問題が生じる。


地方都市のドーナツ化

日本でドーナツ化現象が深刻な問題になるのは主に車社会の地方都市である。都心部の古い市街地は地価が高く、かつ道路が狭く混雑するため、自動車でのアクセスが不便である。さらに、土地が狭く権利者が細分化されているので大規模な施設を作るのはなかなか困難であった。一方で郊外部のバイパス沿いは自動車でのアプローチが容易で、しかも(農地転用の問題さえ解決すれば)広大な土地が取れるから、商業施設を作るにせよ公共施設を作るにせよ、郊外にばかり立地するということになる。


一方それまでの中心市街地は取り残され、人が集まらなくなった商店街シャッター通りとなってしまう。すなわち都市の内部に過疎地域が発生することになる。ひどくなると都心部に廃墟更地駐車場が連なるようになり、治安問題や居住環境の劣悪化をまねく。また、新たな郊外市街地は車でのアクセスを前提としていることから、車を持たない若年層や自動車免許を返納した高齢者にとって不便であったり、無秩序な郊外開発(スプロール現象)は自然破壊インフラ整備費の高騰などの問題を抱えており、空洞化した中心市街地の再開発が求められるようになった(コンパクトシティ)。


近況

2000年代以降の大都市は環境規制で都心部の環境が改善されたこと、高層マンションの供給が増えたこと、郊外の「庭付き一戸建て」のニーズが減少したことなどから郊外化の流れは反転し、都心回帰の流れに向かっている。1990年代には居住人口3万人台にまで減少していた千代田区は、2021年には6万6000人にまで増加。中央区に至っては1997年の7万人から2016年の14万人に倍増している。


このため、むしろ近年は 「限界ニュータウン」と呼ばれるアクセスの悪い郊外の過疎化・高齢化郊外の荒廃限界集落化)が問題となっている。


地方都市でも、過去の郊外化の反省から「コンパクトシティ」のかけ声のもと新しい公共施設は中心市街地につくられるようになり、地権者の世代交代などを背景にシャッター通りがタワーマンションに建て替えられるなどの再開発が進められ、一定の都心回帰現象が観察されている。もっとも郊外のロードサイドに移転した商業機能は都心部に(あまり)戻ってきておらず、地方の街づくりは車社会を前提とせざるを得ないのが現状である。


関連項目

社会問題 シャッター通り ゴーストタウン 車社会 スプロール現象

外部リンク

wikipedia:同項目

問題を報告

0/3000

編集可能な部分に問題がある場合について 記事本文などに問題がある場合、ご自身での調整をお願いいたします。
問題のある行動が繰り返される場合、対象ユーザーのプロフィールページ内の「問題を報告」からご連絡ください。

報告を送信しました