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ヘック・オーロックの編集履歴

2021-11-13 17:48:14 バージョン

ヘック・オーロック

へっくおーろっく

川口勇貴の漫画「レッドフード」に登場する人物(キャラクター)で実は・・・。

概要

CV.拝真之介(ボイスコミック)


川口勇貴の漫画「レッドフード」に登場する人物。主人公の少年・ベローが住んでいたカソカ村の村長。

名前の由来はの原種オーロックスと思われる。



物語序盤で、カソカ村の老婆で人狼のミャイリに喰われ死亡したかに見えたが……?

実は物語の重要人物(キーパーソン)。


容姿

寒村で暮らしていたため、帽子など所々に動物の皮と思われる装飾がある防寒着を着た大柄の老人。


老体だが、後述の狩猟などで労働を続けていたからか、老齢とは裏腹に背筋はしっかりとした偉丈夫。口まわりは立派な髭が生えており、ニカッと笑えば快活、微笑みからは熟年特有の深みも併せた雰囲気を醸し出す。


人物

寒村田舎・カソカ村で長を務めていた老人。

村の人狼被害に対処する為、村長の自宅売却をして資金を工面するなど、大胆な決断力を持っていた人格者。そして、宿無しの身から「誰か家に泊めてくれ」と言い出す等と豪快な人物でもあった。


主人公の少年・ベローにとって、自身の両親を殺した人狼を退治してくれた恩人孤児となった彼を世話する後見人でもあった。


好物は鹿肉。

狩猟で鹿を仕留めるなど、高齢ながら活発さは健在だった模様。ベローへは狩りの仕方などを伝授していた狩人である。



物語序盤で、何処からか村長の悲鳴が響いたのを最後に、彼の骨だけが見つかり消息が絶たれた。後にカソカ村の老婆で人狼のミャイリに喰われた事が判明して死亡したと思われたが……?

















実は『物事を書き換える「加筆」の能力』を使う魔術を扱える。


関連項目

レッドフード(漫画) 村長

キーパーソン



ベロー(レッドフード)




































































⚠以下、本作の根幹に関わる『ページ』が「加筆」されます。⚠

⚠本誌未読の『読む者たち』は閲覧注意⚠











































『物語(せかい)』の根幹に関わる「加筆」を行使して、ある目的を達成するため、狩人組合と敵対する「目録(魔物人外たち)」と密かに結託していたヘック・オーロック。

いわゆる本作『レッドフード(漫画)』の最難関(ラスボス)な立ち位置にる人物。




ヘック・オーロックの正体は、狩人組合に所属していた元狩人で、2代目『赤ずきん』の肩書きを有していた魔術師。本名はルートヴィッヒ・ゼペット。


500年前に


大昔 空には竜(ドラゴン)が翔(と)んでいた しかし狩人が滅ぼした


という、お伽話を書いた人物。


物語冒頭から13年前に、狩人組合が管理していた世界を構築する最高機密の重要書物『真実の本(トゥルーブック)』から「2ページ」を奪ったルートヴィッヒは、この『ページ』の力を介して世界の物事へ「加筆」を行い暗躍していた。



魔術師としては、浮遊の他に転送(ワープ)など多彩で高い実力を秘めている。例として、ルートヴィッヒの魔術と「目録」の力と『ページ』の力を合成して、生きる人形を創るほどの高等技術を扱える(また作中世界では、人工生命の創造は「禁忌(タブー)」とされている)。



これらの策略は



『赤ずきん(グリム)』を主役の座から引き摺り下ろし

『狩人(ベロー)』を主人公に擁立するため



の目的を達成するために、何十年もかけて「目録」と密かに計画を進めていた。生きる人形である『ベロー』という特異存在を狩人組合に入らせ、狩人組合の支配【真実の本(トゥルーブック)の管理という名の現実改変を解くという、利害の一致から協力関係が「目録」と結ばれていた。




だが甘い。

「目録」の協力者・カソカ村長「ヘック・オーロック」こと、元『赤ずきん』の2代目であった「ルードヴィヒ・ゼペット」が望んだ結末は違った。


「目録」が望む完結(エンディング)(めでたしめでたし)は、例えるなら誠実な老人星に切なる願いを祈った事で、魔法の「奇跡」から誕生した生き人形を通じて、幸福な生活を手にしたお伽話のようなご都合主義の起承転結(しっぴつ)をルードヴィヒは望んでいなかった。彼は大鯨が獲物だけでなく何でも飲み込んで存在ごと消し去るが如く、この『世界(物語)』を一篇たりとも残さず、本もろとも消し去るつもりでいるのだった……。





「もう 無くそう ハッピーエンドも バッドエンドも すべて」


物語終盤。遂に本性を現したルードヴィヒは、リュカオンと灰の魔女(シンデレラ)達「目録」を出し抜いて、独自に行動を開始する。


狩人組合にある秘密の部屋【真実の本(トゥルーブック)の管理室】へ、計画の要である『ベロー』を導き、着々と『物語(せかい)』を終わらせる準備を進めていた。

また、この辺りの時点で『ページ』(世界改変を施す書物の欠片であり、超魔術の結晶みたいな存在)を自身へ取り込んでおり、より魔術の底上げをしていた。最早なんでもありな力=実現力を行使して、ルードヴィヒの最終計画へ感づいた端役たち(狩人組合の狩人たち)を圧倒していく。



次第に『物語(せかい)』の「設定」が崩壊し始め、ただのロープからが生えるなど不可思議な現象が起こり始めた事から、遂に最終章の終わりが始まった事を察するルートヴィッヒ。



だが今日じゃない。

ルートヴィッヒが人狼を召喚し時間稼ぎをするが、駆けつけた端役たち(狩人組合の狩人たち)により人狼達は悉く倒されていく中で、秘密の部屋で『真実の本(トゥルーブック)』と共に閉じ込めていたベローが、グリム灰の魔女の魔術により呪いを無効化する時計の力を無理やり増長して大人の姿へ戻った)の力を借りて脱出していた。そして『伝説の赤ずきん』によって変化した本の銃【真実の本(トゥルーブック)の銃形態】を携えてベローが現れ、特異な猟銃を大好きな村長であったルードヴィヒ・ゼペットへ向ける。



ルードヴィヒは、生きた操り人形でしかなかったベローの成長を見届けるように、彼の銃撃を受け入れ『運命(シナリオ)』を無効化させる弾丸を受けて消滅した…。




と、カソカ村の村長「ヘック・オーロック」こと、元『赤ずきん』の2代目であった「ルードヴィヒ・ゼペット」が辿ったあらすじを顧みると、彼は破滅願望から暴走をしたと受け取れる。





だが甘くない。

『物語(せかい)』の「設定」を鑑みて、ルードヴィヒの言動を見返すと、彼の求道者みたいな世界の在り方を望む姿勢が垣間見える。


まず、狩人組合で2代目『赤ずきん』となったルードヴィヒは、何とかして『物語(せかい)』を存続させようとする肩書を背負った者として、お伽話の執筆へ努めていたのかもしれない。この務めを怠れば、上位存在『読む者たち』からいともたやすくえげつない干渉が起きて、罰として『物語(せかい)』の破滅につながる現象が起きてしまうからだ。その例として、500年前に【大昔 空には竜(ドラゴン)が翔(と)んでいた しかし狩人が滅ぼした】というお伽話を書いたと彼は言っていた。だが、これらは一時しのぎでしかない。なぜならば、上位存在『読む者たち』のご機嫌を取り続ける「楽しませる運命(シナリオ)」を書いて―



といった、会議(ネーム作り)が何百年にも渡り続いている輪廻デスマーチ)のような状況…。



ルードヴィヒは、救いのない世界へ見切りをつけたのかもしれない。100年程度しか生きられない一般人には計り知れない情緒があったと察せられる。傍目からは破滅願望とみられても仕方ない、そんな思想に陥るのも無理はない『物語(せかい)』の真実があった……。


そんな推測に関連する事として、前述にある「もう 無くそう ハッピーエンドも バッドエンドも すべて」と、ルードヴィヒの台詞には、絶望視しているようにも、疲れて憑き物が染み込んでいるようにもみえる彼の一枚画が描かれている。



そしてルードヴィヒの最期には、主人公の少年(生き人形)である『ベロー』が「後の続きは任せろ」成長をみせた時には、何百年も生きてきた男は「安心した」と、自嘲めいたような、心からホッとしたような深みある微笑を浮かべて、光に包まれながら『物語(シナリオ)』から退場して逝ったのだった。


長い時を生きて筆を執り続けたは、ようやく筆を置いて、心置きなく引退する事ができたのだろう。

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