「こいつはモンスター………俺の中で沸き立つ、怒り、哀しみ、そして憎しみ……つまり、俺そのものだ」
概要
竜を彷彿とさせる姿を持ち、通常のブロウラーフレームよりもさらに一回り大きな体躯と、燃え盛る炎を思わせるカラーリングが特徴。
攻撃力・機動力共に、既存のLBXを遥かに凌駕しており、無印の本編開始前に開発された機体でありながら、「伝説のLBXプレイヤー」とも称されるレックスの操作技術も相まって、当時の最新型LBXであるオーディーンをも圧倒する程の力を見せつけていた。
さらに、一時的に機体性能を上昇させる特殊モード「I(インフェルノ)モード」が搭載されており、発動中は機体が炎に包まれ、アニメ版では口が開閉する様になる(アニメでの音声読み上げはゲーム版と比べてかなり力を込めた発声となっている)。
ゲーム版での性能は、自身の攻撃力上昇+自身の攻撃への火属性付与+相手の火属性攻撃無効であり、『W』以降の作品では、コアパーツやチップの装着によって自機使用が可能となっている。
山野博士の助手を務めた経験があり、尚且つシーカーの設備を利用していたとはいえ、これ程までの力を持ったLBXを、レックスが如何に開発するに至ったのかは不明であり、後述の作中での展開も含め、本機自体にも未だ不可解な点は多い。
基本装備は存在せず、固定武装である赤熱した拳を利用して攻撃する(ゲーム版での自機使用は不可)。
ただし、ゲーム版では、3連戦の内の1戦目のみ、バズーカ系装備の「レッドバズーカ改」を装備している。
自機使用する場合、素手では火力が貧弱!貧弱ゥ!すぎてレックス機のように高火力で戦うことは不可能(それっぽい武器としてラグナナックルがある為、そちらで代用するといいさろう)。
必殺ファンクションは、炎を纏いながら相手に体当たりをする「ヴァルゾダース」と、空中へ飛び上がった後に全身から無数の熱線を放つ「プロミネンスレイド」(威力はそれぞれ、400と640と破格)。
また、当時発売されていたTCG『ダンボール戦機 LBXバトルカードゲーム』では、文字通り憎しみを力へと変える「ファイタースピリット」や、アルテミス編でレックスがバンに伝授していた「超プラズマバースト」も、本機の必殺ファンクションとして登場した。
劇中での活躍
サターンのコクピット内でバンを待ち構えていたレックスのLBXとして登場。オーディーンの攻撃を難なく受け流し、必殺ファンクション「ヴァルゾダース」でビームガーダーを破壊。さらにインフェルノモードを起動したイフリートはサターン外壁を突き破り、エクストリームモードを起動したオーディーンと甲板上で激しい戦いを繰り広げるが、次第にバンとオーディーンの猛攻に圧され、胸部を貫かれたイフリートはあえなく機能を停止した。
しかし…
「バカな…イフリートが負けるだと……?」
「……ふざけるなァ!!」
「お前の力はそんなものではない!イフリート、その身を焦がすほど、絶望の炎を滾らせろ!!」
機能を停止していたイフリートのCPUに自我が芽生えて復活、暴走を始める。(レックス曰く「CPUが俺の感情を完全に理解した」「俺の憎しみが完全にイフリートに宿った」)
その様相はレックス本人をして「あれが本物のモンスターだ」と言わしめるほど。
暴走したイフリートはオーディーンを掴んでグラビティポンプ内へと侵入し、憎しみに身を任せんとオーディーンを攻撃し続けるが、一瞬の隙を突いたオーディーンが放った「ライトニングランス」とリタリエイターの一撃に怯み、最後はレックスが伝授した必殺ファンクション「超プラズマバースト」によって胴体を貫かれ、咆哮を上げながら爆散した。レックスの憎しみの権化ともいえるイフリートは、弟子であるバンによって、その野望と共に砕かれることとなった。
派生機体
イフリート改
『BOOST』以降のゲーム版にのみ登場する、謎に包まれた漆黒のイフリート。
色や性能だけでなく、角や尻尾の形状を始め、通常のイフリートとはデザイン状の差異が多く見られる。
特に、口元に関しては、通常のイフリートが歯を食いしばった怒りの感情を表すかの様なものになっているのに対し、こちらはより歯を剥き出しにして、まるで歪んだ笑みを浮かべている様な造形へと変化している。
『BOOST』『爆ブースト』では、裏ランキングバトル制覇後の最後の裏ボスバトルの相手として、レックスが使用。
初回撃破時のみ、特典として本機のアーマーフレーム一式を獲得する事が出来る。
イフリート・アポロ
『W』以降のゲーム版にのみ登場した、マスターキング専用のアポロカイザーカラーのイフリート改。
ゲーム版『ウォーズ』の裏ランキングバトルでは、ヘブンズ・アーサーと共に、1位の大空ヒロの僚機として登場している。
『装甲娘』において
ミゼレムクライシス版のみの登場であり、初のラスボス機のLBCSである。
適合者の詳細は個別記事参照。
ACCM
『装甲娘 ミゼレムクライシス』のACCM(アシストファンクション)としてイフリートが登場している。
2020年9月24日から始まった連合クエスト「ACCM開発協力 イフリート編」で先行実装され、2020年10月19日に探索で入手できるようになった。
ウェポンタイプが「ダガー/ナックル」の装甲娘に装備できる。
必殺ファンクションは「プロミネンスレイド」を使用。
効果は、敵全体に120%の格闘ダメージを与え、高確率でヒートを付与する。
「ダガー/ナックル」専用のACCMは他にもクノイチとジル・グレイブがある。
2つのACCMに比べて、全体攻撃を得意とした性能だが、ダメージ自体は低いため、敵単体に使用するには不向きである。
余談
モチーフは、東洋の伝説に登場する魔人(或いは精霊・魔獣とも)「イフリート」。
獰猛な性格で様々な魔法を使い、特に炎を操る事が得意だとされているが、炎属性のイメージが強くなったのは、TRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』や、ゲーム『ファイナルファンタジー』シリーズによる影響が大きく、本来は炎以外の属性も操れると言う。
その為か、ゲーム版では火属性攻撃のみならず、グラビティポンプのエネルギーを利用した落雷攻撃も行っている。
アニメ版『W』では、ミゼルトラウザー内のヴァーチャルLBXの中にイフリートが存在していたり、ホビージャパンの外伝『LBX烈伝』では、エンペラーM5の模擬戦の相手としてイフリートが登場していたが、いつ何処でイフリートの設計図が流出したのかは不明(ゲーム版では、『爆ブースト』にてイフリートの関連データはシーカー職員によって全て削除された事が判明している)。
可能性があるとすれば、旧シーカー本部に設置されていたコンピューター内の残存データと思われる。旧本部はイノベーターによる襲撃後そのまま放置されており、また『W』にてディテクターによるトキオシティのブレインジャックに使用されたため、その際にアダムとイブによってデータを回収されたものと思われる。神谷重工がデータを所持していた件についても、イノベーター時代に本部を襲撃した際にデータも回収したと考えれば矛盾はない。
関連タグ
ダンボール戦機 LBX ブロウラーフレーム 檜山蓮 モンスター
ダンボール戦機シリーズの歴代ラスボス:イフリート / キラードロイド・ペガサス(ゼウス) / ミゼルオーレギオン / ディ・エゼルディ