「他の奴等が温いだけだ。死なない程度に追い詰めれば、過去ともサッサと繋がるんだよ!」
CV:中尾隆聖
概要
ボクサーを目指していた男・天野晃平と契約した敵イマジン。身長194cm、体重120㎏。
タイムカプセルを埋めたり掘り出したりしているあらゆる場所を襲撃し、契約者に無理矢理カプセルを掘らせていた。
中々過去への扉が開かない事に苛立ち契約者を暴行する、電王の決め台詞も待たずに殴り倒す、過去へやってきた時にその場に居合わせた人々を「面倒くさい」という理由で無差別に甚振るなど、せっかちな上にドSで外道な性格だが、デネブのトンチンカンな決め台詞にツッコんだり、呆気にとられるなど、コミカルな一面も見せる。
電撃を帯びた身体の触手を鞭のように振るって攻撃し、束ねた触手をドリル状にして鉄骨すらも貫く。また、身体をゲル化させて敵の攻撃を回避できる。
外見
昔話「くらげのお使い」(「くらげ骨なし」などとも呼ばれる)からクラゲのイメージで実体化した。
移動する時は常に身体から粘液を垂らしており、モモタロスから「気持ち悪い」と言われていた。
契約者の願い
願い事:「亡き婚約者・遥香が埋めたタイムカプセルを掘り出したい」
上記の日付の日、天野の恋人・遥香はとある木の下にタイムカプセルを埋めた。
天野は遥香との結婚のために、ボクシングを捨て安定した職につく道を選ぶほどであったが、カプセルを埋めて丁度1年後、遥香は病に罹り手術を受け、そして二度と目を覚ますことはなかった。
自身の余命が僅かである可能性を悟っていた上で彼女がタイムカプセルを埋めたと理解した天野は、忘れ形見同然となったタイムカプセルを探そうとするも、埋めた当時彼はボクシングしか眼中になく「遥香は物好きで変なことをする」程度の認識しかなかった。
そのため埋めた場所を覚えておらず、工事予定地に許可を得て入ってまで各所を探し回るもタイムカプセルは見つからず、途方に暮れていたのだった。
なお、天野は遥香との未来を考えあくまで彼自身の意思でボクシングの道を捨てたものの、天野の回想ではトレーニングを精力的にサポートする遥香の姿があり、遥香自体は天野の夢を否定するどころか応援する姿勢だったようである。
活躍
願いを聞いたことで、手始めに偶々公園の砂場にタイムカプセルを埋めていた母娘を襲撃。そこに天野を呼び出し、当人が必死で否定する中無理やり掘らせようとした。
その行動が尾崎正義を経由してハナに伝わり、M良太郎に電王ソードフォームで対峙されるが、「てめえには特に前振りはねえ。最初から最後まで…あ痛っ!」と台詞の途中に(ご丁寧にBGM「Double-Action」も一時停止して)攻撃するという、ヒーロー物のお約束の破壊ぶりを見せた。
電王(モモ)「バカ野郎!今大事なとこ喋ってんだよ!」
「俺も前振りは嫌いなんだよ。さっさと始めろ!」
デンガッシャー・ソードモードで切りつけられるも触手による攻撃で翻弄し、「気持ち悪いな!キリが無ェ!!」と言う電王の隙を突いて電撃を浴びせ、触手を切られるも一時的に行動不能にすることに成功。
良太郎の指示で電王が建物に逃げたことで、室内の柱が邪魔をして触手が届かず苦戦。触手を束ね、柱をぶち抜いて攻撃しようとするが触手の上に乗られて一気に間合いを詰められてしまい、怒涛の連打の前に分が悪いと判断し、地面に潜って撤退した。
その後も小学校等を襲い続け、天野が横たわっていた病室(戦闘直前に気絶した天野は、戦闘終了後良太郎が呼んだ救急車で病院に搬送されていた)の窓を触手でぶち破って襲撃。
その少し前に天野の元に出向いて事情を聞いていた良太郎は電王ソードフォームに変身して追走する。
その後も天野に無理やりタイムカプセルを掘らせていき、亡き想い人への想いと苦痛に涙した天野の姿を感涙と勝手に解釈して過去へ移動。
2006年にて遥香を襲い昏倒させ、公園を襲撃するが、電王が桜井に気を取られた隙を突いて樹上から攻撃。
そこに到着した侑斗がゼロノスに変身。触手を切りつけられ回避された後、デネブを呼び出され触手を固定、彼を踏み台にして跳躍したゼロノスの猛攻を受け続けるが、「こんな戦い方は卑怯すぎる」とやたら礼儀を弁えたがるデネブが触手を放してしまう。
飛びかかったゼロノスはクラゲイマジンそっちのけでデネブに説教し、「じゃあお前やれ!」と指示を受けたデネブが憑依しゼロノスがベガフォームに変身。
ゼロノス(デネブ)「さっきの攻撃はこっちが悪かった!」
「はぁ!?」
ゼロノス(デネブ)「謝る。侑斗も心ではそう思ってるから」
ゼロノス(侑斗)「思ってねぇ!勝手なこと言うな!」
とまぁ色々な意味で置いてけぼりな状況に「バカにしてんのか!」と激昂し猛攻を繰り出すが、触手でゼロガッシャーを掴み貰ったとばかりに残りの触手を一斉に放つも、ベガフォームの光弾『ゼロノスノヴァ』で返り討ちに遭う。ゼロガッシャー・ボウガンモードのグランドストライクで撃破された。
戦闘修了後、良太郎がハナの協力も得てタイムカプセルを掘り出し(過去へ飛んだ直後、良太郎がモモタロスを制して変身解除し、遥香と天野の無事を確認した後タイムカプセル付近の木に布を巻きつけておいた)、タイムカプセルは無事病室の天野の元に渡る。
中にはかつて彼が捨てたボクシング用のグローブが入っていた。
グローブを愛おしげに取り出し慟哭する彼の視界には、ボクシングウェアを纏った天野の写真に「晃ちゃん 夢を!!」と記された、今は亡き遥香からの時を超えたエールがあったのだった。
備考
モチーフとなった「くらげのお使い」は、ウラタロスのモチーフである「浦島太郎」のように亀が出る作品とする地域が多い。
この話が放送された日の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』の話にもクラゲの敵幹部が登場していた。
声を演じた中尾氏は今作が平成ライダーシリーズ初出演となった。次回作『仮面ライダーキバ』でもレディバグファンガイアの声も演じた。