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逸男の編集履歴

2022-10-11 21:06:26 バージョン

逸男

いつお

福岡ソフトバンクホークスの「リーグ優勝逃し」から生まれたなんJ語。阪神タイガースの「Vやねん!」のホークスバージョンとも言われる。

概要

2015年及び2016年の福岡ソフトバンクホークスは、チームスローガンに「熱男」を採用。

チームの主軸である松田宣浩内野手は、本塁打(ホームラン)を打つたびにパフォーマンスとして取り入れる位、このスローガンはソフトバンクファンにも受け入れられていった。


しかし2016年は後述の通りシーズン後半戦でソフトバンクが失速により首位から陥落、リーグ優勝を逃してしまい、「V逸」と「熱男」を掛け合わせた造語「逸男」が誕生。以降、福岡ソフトバンクホークスがリーグ優勝を逃す度に、なんJ語「逸男」が蒸し返されるのであった。


発端となった2016年福岡ソフトバンクホークス

開幕直後こそあまり調子が出なかったが、4月中盤から8連勝していくと6月までに8連勝を3回記録するなどの快進撃。

投手陣は千賀滉大東浜巨リック・バンデンハークなどが活躍。打線では前シーズンに続き松田宣浩が活躍、交流戦からは城所龍磨も台頭。接戦に勝った試合が多いが、それでもソフトバンクが得意な交流戦は首位で通過した(そもそもソフトバンクに限らず、交流戦はパリーグ勢が勝ち越すことが多い。)。


その勝率は、6月終了した時点で貯金29、何と勝率7割(いわゆる100勝ペース)

2位の千葉ロッテマリーンズにも7.5ゲーム差をつけるなど前年以上の完全な独走体制。

一部では「優勝はホークスで決まった」「史上最速のマジック点灯もあるのでは(過去にプロ野球史上最速で優勝マジックを点灯させたのは前身の南海ホークス)」という話も流れ、このまま爆進Vロード一直線…と思われていた。


ところが、7月に入ると状況は一変。

最大11.5ゲーム差をつけられていた北海道日本ハムファイターズの怒涛の追撃が始まった。最初の3連戦、7連勝中の日本ハムを迎え撃ったが3連敗(しかも最後の1戦は大谷翔平ひとりにやられている)。実は前述の6月終了時点でも、他11球団の中で日本ハムにだけは唯一勝ち越せなかったのである

この対戦以降は打線が機能しなくなってしまい、投手陣もリリーフが救援失敗したりとソフトバンクはなかなか勝てなくなっていく。


そして対する日本ハムが球団新となる15連勝を記録し、射程圏内にまで迫る。あちらは不調のクローザーである増井浩俊を先発転向させたり、マメがつぶれて投げられない大谷を暫く打者に専念させたりと采配が悉く的中していた。またこの時に「週刊ベースボール」がソフトバンクを特集したが、発売時点で既に失速していた。


8月に入り、追撃していた日本ハムの勢いが衰える………わけがなかった。中盤で貯金の数で抜かれ、一時は-0.5ゲーム差の首位という珍事まで発生。そして25日の福岡ヤフオク!ドームでの楽天戦、9回表バッター茂木栄五郎の浅いフライ性の打球を柳田悠岐後逸。

ボールに触れなかったためエラーにはならなかったが、結果としてランニング3ラン本塁打を献上し逆転負け。首位を日本ハムに明け渡し、柳田は一部界隈で「逸男」と呼ばれるようになってしまった。


9月は日本ハムもソフトバンクも勝ったり負けたりの繰り返しで首位が目まぐるしく入れ替わるマッチレースに発展。前半でマジックも点灯したが、2日後にはあっけなく消滅した。

そして9月後半、日本ハムとの最後の直接対決2連戦(ソフトバンクのホーム試合)、1勝でもすれば優勝マジックが点灯する。2014年・2015年とVを決め、この年3連覇も懸かっていたソフトバンクはここで落とすわけにはいかない大事な一戦であった。

…だったが、接戦の末に日本ハムにまさかの2連敗。この試合でソフトバンクは遂に力尽き、逆に日本ハムに優勝マジックが点灯。その後、9月28日に日本ハムが西武に勝って優勝マジックが0になり、実に最大11.5ゲーム差からの大逆転優勝を果たした。なお、11.5ゲーム差は「メークドラマ」と言われた1996年の読売ジャイアンツ以来20年振りの快挙である。


一方のソフトバンクは歴史的V逸が決定。前半戦は超圧倒的ムードで勝ち進むも、後半戦から徐々に失速してのV逸どこかで見たような流れなのは多分気のせいである。


その後

2016年のV逸後

CSシリーズではファーストステージで3位ロッテの下剋上を阻止したが、ファイナルステージの日本ハム戦では第2戦と第4戦を取った。だが、2勝3敗で迎えた(優勝した日本ハムには1勝のアドバンテージが前もって与えられていた)第5戦の最後に抑えで出てきた大谷翔平に最高球速165kmのストレートと150km台の変化球の前に止めを刺され、ソフトバンクはこの年のCSのファイナルステージで敗退した。


2017年

翌年は全般的にほぼ前年と真逆のようなシーズンとなった。この年の前半戦は逸男の全ての元凶となった試合での対戦相手だった楽天が異常なまでに打ちまくり、7月中にも優勝マジックが点灯するのでは、と思われていた。しかし、8月に入って、西武の山賊打線の基盤が出来上がるのと、楽天の急失速も相まって、気付けば三つ巴の展開を経てついに首位に浮上。9月16日の西武戦で勝利し、パ・リーグ史上最速でのリーグ優勝を果たし、CS(クライマックスシリーズ)では楽天を、日本シリーズではDeNAを破って日本一を達成した。


2018年

この年は開幕前に高谷、栗原が離脱、残る甲斐も侍ジャパンへ招集されるなど、主力のキャッチャーが不足する事態に。キャッチャー陣以外にも故障者が続出、オープン戦は12球団中10位という、最悪に近い状態でペナントレースを迎える事になった。開幕してからも状況は良好の兆しを見せないどころか、むしろ悪化の一途を辿り、先発陣にも故障者が出てくるように。結局西武の独走を許してしまい2位でシーズンを終えた。しかし、CSに入るとそれまでのスランプがまるで嘘のように躍進し、日本ハムと西武を下して日本シリーズに進出。その日本シリーズでは、甲斐キャノンの活躍で広島の機動力をとことん封じ込め、プロ野球史上初めてリーグ連覇を達成していない球団の日本一を飾った。


2019年

この年も開幕からグラシアル、森、中村、柳田などの故障者が続出。それでも松田、今宮や若手選手らの奮闘もあって勝ちを積み重ね、前半は全ての元凶となった相手の楽天に首位を奪われることもあったが(延長12回に及ぶ空中戦を制したり、最大7点差をひっくり返されたことがきっかけで2試合連続サヨナラ負けになったこともあった)、交流戦優勝に端を発する勢いに乗って首位の座を奪い返し、7月には2位に最大7ゲーム差を付けた。その後、オールスターが明けて7月末に0.5ゲーム差まで猛追した日ハムも直接対決で蹴散らしたことで再び独走態勢を築いた。

・・・かに思われたが首位に立ってからは投打でチームを支えていたグラシアルとモイネロが国際試合に出場する都合で一時離脱。その間に投打の助っ人二枚看板を(一時的ではあるが)失ったチームの勢いは落ち着き、思うように勝ち星の伸ばせない戦いが続いたことで2位以下を大きく突き放すことができなかった。その隙を突かれ8月終盤から西武の猛追が始まり、遂に首位を明け渡してしまう。ホークスは9月6日には千賀がノーヒットノーランを達成して再び勢いを付けて何とか食らいつこうとするものの、直接対決のカードが早々に終了してしまったためにホークス以上に勢いに乗った西武を止めることが出来なかった。


そして悪夢の再来は9月24日、楽天生命パークでのソフトバンク対楽天戦という、3年前と同じカード(試合球場は違っているが)において起こってしまう。

この日は優勝マジックを2としていた西武がロッテに勝利してソフトバンクが楽天に敗れれば西武の優勝と同時に楽天のCS出場が決まるという、西武と楽天にとっては一石二鳥のような状況であった。

ソフトバンクは楽天の先発の美馬から4回表、デスパイネのホームランで1点を先制した。

一方で西武対ロッテ戦はこの時点で西武が8-3と大量リードしているので、ソフトバンクは逆転優勝のためには絶対に勝たなければいけない試合だった。

しかし6回裏、ショートの今宮健太がブラッシュの放ったゴロをはじいて出塁を許すという痛恨のミスを犯す。

その後千賀は銀次藤田一也を抑え2アウトまでこぎつけたものの、続くウィーラーに2ランホームランを打たれて逆転を許してしまう。

さらに7回裏にはバッター浅村栄斗のところで一塁走者辰己と二塁走者オコエがダブルスチールを仕掛けた際にサードの松田宣浩がキャッチャー高谷裕亮からの送球を捕り損ねるという痛恨のミスで失点。さらにその浅村のタイムリーで合計2点を失い逆転優勝はほぼ風前の灯火と化す。それでも9回表に楽天の守護神松井裕樹からヒットと四球で満塁のチャンスを作り、一発が出れば逆転の場面を迎えるも、川島慶三の犠牲フライによる1点に留まり敗戦。西武が勝利したため、この今宮と松田のエラーが結果的に致命傷になってしまい(この試合でのホークスの守備は3失策だった)、西武のリーグ連覇が決まってしまった。当然のようにネット上では3年前の時と同様に「逸男おおおおお!!」という悲痛な叫びがまたも響き渡り、ホークスファンにとっては悪夢の再来となった。


またその過程で「V脱Sh!」(元ネタは2019シーズン終盤のスローガンの「V奪Sh!」)や「もう逸頂」(元ネタは2018シーズンのスローガンである「もう1頂!」)などのネタまで生まれてしまった。



再びおぞましい惨禍に見舞われたホークスであったが、一転してクライマックスシリーズでは前年とほぼ同じ勢いを見せる。本拠地で楽天を迎え撃ったファーストステージでは、いきなり初戦を落としてしまい、また3年前の二の舞になるのでは、と思われていたが、続く第2戦、第3戦を制して前年と同様、敵地で西武と相まみえる。

ファイナルステージでは予め覇者西武に1勝のアドバンテージが与えられていながらも、そのハンデを物ともせず4連勝で西武を粉砕。その後セリーグのCSも巨人が4勝2敗で阪神を下したため、この年の日本シリーズは巨人VSソフトバンクという顔触れとなった。なお、日本シリーズで両チームが顔を合わせるのは前身の南海、ダイエー時代も含めて19年振り11回目となる。


その日本シリーズでは対戦成績が1勝9敗(シリーズ内での通算の対戦成績は20勝36敗)と圧倒的に不利な状況であり、対する巨人もこの年限りで引退する阿部慎之助の為にも絶対に負けられない戦いとなるはずだった。

しかし、クライマックスシリーズで土壇場から6連勝と屈辱をバネに、まるで復讐の鬼(工藤監督のポストシーズンでの采配も、メディア各所で"鬼采配"と称していたほどだった)と化したホークスの勢いは日本シリーズでも止まることはなかった。

工藤監督の毎試合ごとの卓越した采配、巨人の選手の動きを分析・チェック、ホークスの選手の特徴を活かした攻撃と守備、圧倒的な信頼度を誇る救援陣、選手層や経験の差、巨人の拙守拙攻を尻目にした好プレーの連発などは、過去の対戦成績など霞んで見えるようなものだった。

グラシアルが3本塁打の活躍でMVP、モイネロや嘉弥真、甲斐野などのリリーフ陣の踏ん張り、周東の好走塁など、走攻守投の4拍子が完璧に噛み合い、4連勝のスウィープ勝ちで南海時代の1959年以来60年振りに巨人を撃破。奇しくも59年と同じく無傷の4連勝と敵地での日本一となり、球団初の日本シリーズ3連覇史上初となるレギュラーシーズン2位以下のチームの2年連続の日本一日本シリーズとしては2005年のロッテ以来14年振りとなる4連勝での日本一など、記録づくめの日本一となった。


2020年

この年は序盤に出遅れがあったものの、すぐに持ち直し楽天との首位争いを展開。その楽天が失速すると今度はロッテとの首位争いになったが、終盤に12連勝するなど一気に突き放し3年ぶりのリーグ優勝を達成。

クライマックスシリーズでもロッテ相手に連勝で突破すると前年と同じ巨人相手に4連勝のスウィープ勝ちで巨人以外では初の日本シリーズ4連覇を達成した。


2021年

この年も序盤から楽天との首位争いを繰り広げるなど順調な出だし、しかし得意としていた交流戦で借金4の12球団中11位に沈むと、故障者の多いチーム事情もあり徐々に後退。それでもAクラス入り争いに加わっていたが、終盤に8連敗を喫した結果4位に終わり、8年ぶりのBクラスとなった。また、7年間チームを率いた工藤公康監督がこの年限りで退任し、後任には藤本博史が就任した。


2022年

その2022年は三森大貴柳町達など若手の台頭、独立リーグからNPBへ復帰した藤井皓哉、FA移籍組の又吉克樹などの中継ぎ陣の充実で首位を走るも、大事な場面での得点力不足と主力の怪我離脱が付きまとい、首位を走るも独走状態に入れないまま最終盤までもつれてしまう。シーズン最終盤は優勝争いがオリックス・バファローズとの2チームに絞られる中、レギュラーシーズン最終日の10.2決戦にて……


10.2決戦



その他

  1. ホークスは南海時代の1963年に最大で14.5もあったゲーム差を西武の前身である西鉄ライオンズにひっくり返されたV逸のNPB記録を持っている。その他の年でも基本的にホークスは競ると弱い
  2. ソフトバンク対楽天戦ではこの逸男以外にもソフトバンク側にとって忌々しい出来事がよく起こっている(例:これは悪い夢です!、五十嵐の41球、など)。
  3. 近年ではシーズン終盤からポストシーズンにかけて上記のような光景がよく見られる。ネット上ではこの事を秋の風物詩と呼んでいるが、元々はリーグ戦ではなくCSで敗退し続けるホークスにつけられた蔑称だった。

関連タグ

プロ野球 Vやねん! なんJ語

福岡ソフトバンクホークス 北海道日本ハムファイターズ 埼玉西武ライオンズ

東北楽天ゴールデンイーグルス オリックス・バファローズ 千葉ロッテマリーンズ

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