概要
地方競馬全国協会(英称:National Association of Racing)の略称。
競馬法に基づく特殊法人として1962年8月1日に設立され、2008年1月1日からは競馬法の改正により、地方競馬主催者の共通の利益となる事業等を実施する公的な地方共同法人として、従前どおり「地方競馬の公正かつ円滑な実施の推進を図るとともに、馬の改良増殖その他畜産の振興に資すること」を目的とした業務を行う。
地方競馬の馬主・競走馬の登録、地方競馬の騎手・調教師・調教師補佐の資格試験ならびに免許の交付の他、地方競馬の公正化促進と運営改善、地方競馬で活躍した競走馬や調教師・騎手等の競馬関係者、地方競馬の発展に顕著な功績があった人や馬を表彰する「NARグランプリ」の授与、畜産振興事業及び競走馬生産振興事業に対する補助などを業務として行っている。
地方競馬主催者
- ばんえい競馬(ばんえい十勝)(帯広市(業務委託:株式会社コンピューター・ビジネスほか)
- ホッカイドウ競馬)北海道(業務委託:北海道軽種馬振興公社))
- 岩手県競馬組合(岩手県、盛岡市、奥州市)
南関東公営競馬
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- 埼玉県浦和競馬組合
- 千葉県競馬組合(千葉県、船橋市、習志野市)
- 特別区競馬組合(東京都特別区)
- 神奈川県川崎競馬組合(神奈川県、川崎市)
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- 金沢競馬(主催者:石川県競馬事業局(石川県)、石川市)
- 岐阜県地方競馬組合岐阜県、笠松町、岐南町)
- 愛知県競馬組合(愛知県、名古屋市、豊明市)
- 高知県競馬組合(高知県、高知市)
- 佐賀県競馬組合(佐賀県、鳥栖市)
主要レース
G1・Jpn1
- 川崎記念
- かしわ記念
- さきたま杯※2024年より
- 帝王賞
- 羽田盃※2024年より
- 東京ダービー※2024年より
- ジャパンダートダービー※2024年よりジャパンダートクラシック
- マイルチャンピオンシップ南部杯
- JBCスプリント
- JBCレディスクラシック
- JBCクラシック
- 全日本2歳優駿
- 東京大賞典※国際G1
その他
地方競馬におけるシリーズ競走等
GRANDAME-JAPAN(グランダム・ジャパン)
グランダム・ジャパンは、全国各地の牝馬重賞競走を世代別に体系づけ、着順に応じて付与されるポイント合計点の上位3頭にボーナス賞金を授与するもので、地方競馬の優れた牝馬が活躍する舞台を広げることとともに、有力馬の交流促進による魅力的な牝馬競走を提供することを目的に実施している。
ダービーシリーズ
各地のダービー競走をシリーズ化したダービーシリーズ。種牡馬所有者の協賛のもと、各競走の優勝馬のオーナーに種牡馬の種付け権利が付与される。地方競馬全国協会では、ダービーシリーズ優勝馬のジャパンダートダービー出走を促進する出走奨励金を競馬活性化事業の一環として拠出している。
スーパースプリントシリーズ(SSS)
競走距離1,000メートル以下のレースのみで構成されるスーパースプリントシリーズ。トライアル6戦およびファイナルの計7戦で実施され、超短距離戦で能力を発揮する異才の発掘と、各地方競馬場で実施可能な最短距離を極力活かすためのワンターン(コーナー通過が3〜4コーナーのみ)のスプリント戦によるシリーズとして2011年に創設された。なお、地方競馬全国協会では、トライアル優勝馬がファイナルでも優勝した場合の馬主褒賞金を競馬活性化事業の一環として拠出する。
3歳秋のチャンピオンシップ(3YO Autumn Championship)
3歳秋のチャンピオンシップは、各地の3歳主要重賞競走を戦った有力馬が10月に実施されるダービーグランプリへと集結し、地方競馬の3歳王者の座を競うもので、各対象競走に設定された3つのカテゴリに応じて優勝馬主に対するボーナス賞金が設けられている。
未来優駿
全国各地で行われる2歳競走をピックアップし、活躍馬が2歳ダートグレード競走(エーデルワイス賞・JBC2歳優駿・兵庫ジュニアグランプリ・全日本2歳優駿)、さらには3歳クラシック競走へ駒を進めることで、魅力ある競走の実施、競走体系の整備促進に資することを目指し、2008年に創設された。
地方競馬ジョッキーズチャンピオンシップ
各地のリーディングジョッキーが地方競馬No.1ジョッキーを目指す競走の一つとし、JRAで実施されるワールドオールスタージョッキーズ(国際騎手招待)に推薦する地方競馬代表騎手の選定競走で、地方競馬全国協会内に設置された「招待競走地方競馬代表騎手選定委員会」により概要を定め実施している。
ヤングジョッキーズシリーズ(YJS)
全国の若手騎手の注目度を一段と高め、騎乗数の増加および騎乗技術の向上を図るとともに、年末の地方および中央競馬双方を盛り上げるため、地方および中央所属の若手騎手による「ヤングジョッキーズシリーズ」を実施。本シリーズは、全国の地方競馬場で実施する「トライアルラウンド」と年末の「ファイナルラウンド」で構成され、ファイナルラウンドの出場騎手は、トライアルラウンドの成績上位の騎手から選定される。
レディースジョッキーズシリーズ
地方競馬における平地競走女性騎手を対象に行われる。3競馬場で2競走ずつ計6競走で行われ、各ラウンドごとでの順位を決定する。その順位を元にポイントを付け、合計ポイントで優勝を争う。
ファンファーレ
- ホッカイドウ競馬(門別競馬場) - 2020年度より本馬場入場曲とともに全曲リニューアル。北海道出身の作曲家である小鹿紡による作曲・東京佼成ウインドオーケストラによる演奏。
- ばんえい競馬(帯広競馬場) - 一般公募され、2007年4月より使用されている。また公式サイトで聴くことができる。ばんえい記念のみ、陸上自衛隊第5音楽隊による生演奏。
- 岩手県競馬(盛岡競馬場・水沢競馬場) - 2007年に全曲リニューアルされたが、2009年にJpnI競走ファンファーレが旧曲に戻され、玉突きで新JpnI競走ファンファーレがJpnIII競走に振り分けられた。また、JpnIII競走も一時期旧曲を併用するなど定まっていなかったが、2018年より新JpnI競走ファンファーレに統一された。押し出された新JpnIII競走ファンファーレは、ヤングジョッキーズシリーズなどの騎手交流競走に使用されている。作曲不明。
- 浦和競馬場
作曲は大宮吹奏楽団永薗喜章氏、音源演奏は東京トゥインクルファンファーレ(TTF)。
- 船橋競馬場
一般・特別競走 - アメリカ軍の信号ラッパ曲 "First Call"("Call to Post")
準重賞・重賞競走 - アメリカ海軍の信号ラッパ曲 "Issue"("Provision Call")
ダートグレード競走 - 2010年のJBC競走より使用開始。
- 大井競馬場 - 2011年に東京スカパラダイスオーケストラ作曲のファンファーレに変更された。東京ブラススタイルから選抜された「東京トゥインクルファンファーレ」が生演奏する。国際GI競走ファンファーレは現在東京大賞典のみで使用される。
- 川崎競馬場 - 2019年8月22日のスパーキングサマーカップより、昭和音楽大学出身者を中心に結成されたファンファーレ隊「川崎競馬ロジータブラス」が重賞競走において生演奏を行う。重賞競走・ダートグレード競走のファンファーレは、2010年1月27日(川崎記念当日)より東京交響楽団制作の新曲に変更された。それ以前のファンファーレはダートグレード競走を含む重賞競走すべてに一つのファンファーレであった。
- 金沢競馬場
一般・特別競走、選抜競走、重賞競走 作曲者不明。
- 笠松競馬場
一般・特別・準重賞競走
重賞競走(SP競走)- 旧広島市民球場の初代ホームランファンファーレとして使用されていた曲
- 名古屋競馬場 - 一般競走と特別競走のファンファーレは、2015年5月5日より公募により選ばれたものが使用されている。また公式サイトでファンファーレを聴くことができる。
一般競走 - 曲名「GLORIA」(作曲:関口孝明)
特別競走 - 曲名「PRIDE」(作曲:KyoMiura)
重賞競走(SP競走)
ダートグレード競走 - 曲名「VICTORY」。第5回JBC競走(2005年11月3日)に合わせて導入。
- 兵庫県競馬(園田競馬場・姫路競馬場)
重賞競走 - 兵庫チャンピオンシップ、兵庫ジュニアグランプリ、兵庫ゴールドトロフィー(いずれもダートグレード競走)を中心に、ブラスバンド(H.B.B.」が生演奏する。H.B.B.による生演奏はコロナ禍の影響で暫く取りやめていたが、2022年の兵庫ジュニアグランプリで3年ぶりに復活した。
- 高知競馬場 - 公式サイトで廃止になったアラブ系重賞を含む、ファンファーレを聴くことができる。ただし、2015年8月22日に導入された、特別競走と準重賞はまだ聞けない。作曲者不明
- 佐賀競馬場(廃止された荒尾競馬場も同様)
作曲者不明
- JBC競走専用
JBC競走 - 2019年までは持ち回り開催の各競馬場の重賞ファンファーレやダートグレード競走のファンファーレを使用。2018年の京都競馬場でのJBC開催時には西日本地区GIファンファーレ(JBCレディスクラシックのみ、東京トゥインクルファンファーレによる生演奏)が使用された。競走創設20周年となる2020年より、JBC競走専用ファンファーレを使用。JpnIIIのJBC2歳優駿を含めて全レースで同じファンファーレを使用する。JBC2歳優駿は、「東京トゥインクルファンファーレ」が門別競馬場で生演奏を実施するが、それ以外のJBC3競走については、開催競馬場によって「東京トゥインクルファンファーレ」もしくは開催競馬場の地元のファンファーレ隊が生演奏を実施する。
関連項目
NRAコラボ
ウマ娘プリティーダービー:各地方競馬がコラボするようになってきている。
:公式が病気系で、コラボ等を揶揄したスラング。ごくまれにある。