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ヒヨケムシの編集履歴

2023-04-21 16:09:00 バージョン

ヒヨケムシ

ひよけむし

ヒヨケムシ目に属する節足動物のこと。口元に強大なハサミを持つ俊敏な捕食者。

概要

鋏角亜目クモガタ綱のうちヒヨケムシ目に属する節足動物のこと。1,100以上の種が知られている。

学名は「Solifugae」、ラテン語で「太陽(sol)から逃げる(fugere)者」を意味する。

英語では様々な俗称があり、主に「camel spider」("ラクダクモ")や「wind scorpion>蠍」("サソリ")と呼ばれるが、同じクモガタ類とはいえクモとサソリのどちらにも属さず、特に近縁でもない。


多くの種類はが長く、全身がクリーム色でが生えている。なお、脚の短い種類や、黒・赤・白など派手な色を持つ種類もいる。種類によっては1cmの小型から肢を伸ばすと10cm以上に達する大型のものがいる。


強大なハサミに発達し、顔の正面から突き出した1対の鋏角が特に目立つ。このハサミは左右が密着して刃の部分が上下に配置され、脊椎動物くちばしを彷彿とさせる。その直後の甲羅には1対の小さな単眼が生えている。

8本脚であるが、先頭1対の触肢が脚のように発達したため、一見して脚10本と見間違われやすい。第4脚の付け根腹面には類が見られない扇子状の感覚器(ラケット器官)が並ぶ。

また、多くのクモガタ類の前体(「頭胸部」ともいうが、実際は頭部そのもの)は1枚の甲羅だけに覆われるのに対して、ヒヨケムシのそれはある程度節に分かれるのも特徴である。


腹部は節に分れた袋のように柔らかく、色素が薄い種ではそこから内臓(主に気管と盲腸の粒々の末端)が透けて見える。


生態

触肢と第1脚は感覚用で、残り6本の脚だけで歩く。全てが陸棲で、全身を行き渡るほど発達した気管で呼吸する。

ほとんどの種類は砂漠などの乾燥地帯に住む。昼行性の種類もいるが、多くのものは夜行性で、日中で不意に日当たりに晒されるとすぐのある場所へ向かって走り出す。名前通りの「日避け虫」である。


しかしその臆病な側面に反し、ヒヨケムシは立派な捕食者である。

はないが、苛酷な環境に適した獰猛さを持っており、早送りの如く動きは素早い(英語名 wind scorpion がこの風のような早さを表している)。昆虫・クモサソリの他、大型種だとネズミ等の小型の脊椎動物をも捕食することがある。強大な鋏角は勿論、その長い触肢の先にある吸盤も獲物を確保する強力な武器である。

しかしながら体のほとんどが無防備で柔らかく(おまけに毒もなく)、ヒヨケムシ自身も鳥類哺乳類爬虫類などの獲物にもなり得る。


多くのクモガタ類と同様、獲物の体液しか呑めないので食事の最後は必ず遺骸が残されるが、ヒヨケムシはその体液を搾り出すため、食事中は大きな鋏角で獲物をぐしゃぐしゃな肉塊になるまで咀嚼するというエグイ絵面になる。


繁殖交尾ではなく交接で、雄が鋏角で精包を掴んで雌の生殖孔へぶち込む。しかしその行動は乱暴で、交接直前に雄が雌の腹部や生殖孔を噛むようにマッサージする行動が確認される。


なお、ヒヨケムシに関する研究は非常に少なく、その生態は未だに多くの謎に包まれている。


人間との関わり

あらゆる噂や迷信で誇張されてきたが、基本的には無害な動物である。

人間を自発的に襲うことはしないが、活発な捕食者であるため、下手に手を出すと防衛行動として噛まれる危険性があるため、注意すべし。


上述の日当りを避ける習性から由来する速い動きと人の影を追い掛ける事態から「襲い掛かる」と勘違いされることもある。


一時期、巨大ヒヨケムシの写真がネットに出回ったことで一躍有名になって、それから「人喰い」や「猛毒グモ」など様々なデマがネットで広く流された。

屈強な兵士が宿舎内でヒヨケムシと遭遇し、悲鳴を上げて逃げるという微笑ましい(?)映像とかもあったりする。


稀にペットとして流通するが、不明点の多い生態により飼育が困難である。


その奇怪な姿から、日本ではウデムシサソリモドキと並んで「世界三大奇虫」と呼ばれるが、両者とは近縁ではない。


関連タグ

節足動物 クモガタ類 蜘蛛  ウデムシ サソリモドキ

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