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さようなら、水星のお上りさんの編集履歴

2023-05-15 09:18:00 バージョン

さようなら、水星のお上りさん

みおりねのうそ

TVアニメ『機動戦士ガンダム 水星の魔女』の登場人物、ミオリネ・レンブランの台詞。

以下、『機動戦士ガンダム水星の魔女』第17話「大切なもの」のネタバレ相当記事になります。未視聴の方は注意してください。




概要

第16話「罪禍の輪」終盤にて、スレッタが母親であるプロスペラの操り人形同然となっている状態に怒りを覚え、糾弾に向かったミオリネ。しかしながら、プロスペラからある事実を明かされた後に「ベネリットグループの次期総裁になる」のを条件に協力を要請される。


後日、スレッタから先日の発言について自分でもおかしいと気づいており、ミオリネに謝ってきた。そこで「私が言うなら、エアリアルを捨てられるか?」と問い掛けるもスレッタからは「エアリアルは家族なので捨てられない」と告げられる。



その後、温室にてスレッタとグエルの会話を陰ながら聞いていたミオリネは「あの子には幸せになってほしいの、ガンダムとか何にも縛られない世界で」とのスレッタへの想いで、彼女をエアリアルから降ろす為に〈決闘〉による強硬手段を決意。


ジェターク社の立て直しに自分がスポンサーになる」条件とプロスペラの本性とスレッタの現状を伝えた上で、グエルに「スレッタと〈決闘〉して勝利し、賭けとしてエアリアルを奪う」ように頼み込むのであった。


また、ミオリネはプロスペラに対しても同様に、エアリアルの緊急停止ソフトを受け取るなど根回しをしていた。


そして、ミオリネの誕生日当日にスレッタとグエルの〈決闘〉が行われ、スレッタのミオリネへの想いに呼応するかのようにエアリアルのパーメットスコアも上昇していき、勝利も秒読みかと思われた直後、突如エアリアルが機能停止(この時、停止ボタンが押される前にエアリアルの中にいる彼女の声をスレッタは聞いており、強制停止機能の追加を事前に知っていたと思われる)。その隙にエアリアルのアンテナがダリルバルデによって切断され、スレッタは敗北してしまった。


その直後、ミオリネはスレッタの前に姿を現しスレッタは自らの敗北を謝罪するも、当のミオリネは「グエルに〈決闘〉をするように仕向けた」「スレッタを負けさせる為にエアリアルを機能停止させた」等々、今回の〈決闘〉の真相を明かし冷たく言い放った。


貴方はいい弾除けだったわ。今日までご苦労さま。さようなら、水星のお上りさん。


花嫁もホルダーの地位も泡と消え、家族からも突き放されたスレッタは、生まれて初めて「進んだのに全て失う」現実に対してどうしたらいいのか解らず、玩具を取られた幼子のように泣くのであった。


ミオリネが押し殺している、本当の想いに気づきもせずに……。


備考

今回の一件はミオリネ、グエル、プロスペラの三者の思惑が一致した結果、スレッタ本人は正に蚊帳の外の状態で引き起こされた。ミオリネはスレッタと、グエルはジェターク社とそれぞれの「大切なもの」を守る為に、スレッタの「大切なもの」を手放される真逆な結果となった。


ミオリネは当然ながらスレッタを思ってこの計画(停止ソフトのボタンを押す時もスレッタへの思い故の躊躇いから指が震えている有様だった)を実行していたため、一連のスレッタに対する台詞はあくまで彼女を敢えて突き放す、本心からのものではない点にも留意したい。このようなやり方は奇しくも、娘を大切に思うも不器用故に忌み嫌われてしまった父と重なるところがある。


その一方でミオリネの行動自体は、何も知らないスレッタからしてみれば一方的な裏切りであり、一部の視聴者からはより一層母親への依存を悪化させたり、プロスペラの手法が不明瞭な中で手玉に取られている状況を助長させているのでは?」「この荒療治は悪手だった」などとする見方もある。

そして、スレッタにはミオリネもエアリアルもいなくなったこの状況で、更なる事実や「自らは何者なのか?」とする根源的問題を突きつけられる可能性がある点からも、彼女の今後が懸念されている。


またグエルもこの計画に賛同し実行したものの、ミオリネの「何にも縛られない世界」の思想に対しては地球での一件から否定的であり、自分の心からの好意を伝え初めて友人としてスレッタと交流を交わした直後に、それを踏みにじるような形で罠に嵌めた八百長的な勝利でもあったからか、〈決闘〉勝利後も彼女の再戦を乞う悲痛な声を聞きながら苦い表情を浮かべていた。


しかし、スレッタの母親への依存は最早言葉でどうにかなる程のものではない上、またスレッタ自身もこれまでの行動など、危うさを露呈してしまっていた。



更にミオリネの行為はスレッタのみならず、地球寮(=株式会社ガンダム)のメンバーもとばっちりの如く一方的に裏切られており、ただでさえ『優秀なメカニックが犯罪容疑で不在』『修理費が無い程に資金が不足』『テロ事件による風評被害』『もう1機のガンダムパイロットが行方不明』等々の不幸が重なる最中で『社長の裏切りによる敗北』で『会社の顔たる主要MSのエアリアルをジェタークに奪われる』結果となってしまった(ミオリネが事情を説明していれば良いのだが、エアリアル=スレッタの敗北にメンバー全員が驚愕していたので、何も知らされていないと思われる)。


株式会社ガンダム自体がミオリネのワンマン経営型なのだが、今回それが悪い形で暴走してしまったとも見える。


一応、今回の行動はミオリネの善意ではあるので、地球寮=株式会社ガンダムのメンバー達にもアフターケアは施されると思われるし、スレッタを下したグエルも彼女からの『地球寮への嫌がらせを一緒に止めて欲しい』との願いは、今回の〈決闘〉の勝敗とは別に受け入れる気ではいる。

しかし、〈決闘〉直後のスレッタとミオリネのやり取りを目撃してしまったので、納得し難い事実にはなってしまっただろう。


仮にミオリネが今後の株式会社ガンダムをジェターク社の庇護下に置く構想であったとしても、チュチュに命を救われたにもかかわらず、ラウダがまだ「地球寮をテロリストの一味」だと決めつけているように、ジェターク寮(のみならず他の寮)の生徒達の差別意識は根強く、グエル1人が嫌がらせを止めた程度でそれぞれの意識改革まではできない(一応、ジェターク社の立て直しの一環として「寮生の『アーシアンに対する差別意識』を無くす」のは良い課題ではあるが……)。

ジェターク側が本心から地球寮を受け入れるのは到底無理な話であり、一方で地球寮としてもそんな状況でジェターク傘下になったら、半永久的に飼い殺しにされるのが目に見えているので提案を受け入れるのは困難だろう。


いくらミオリネがアフターケアを配慮するとしても、一方的に夢を見させるだけ見させた挙句、身勝手にそれを潰された事実に変わりはない以上、地球寮メンバーの怒りと不信感が頂点に達しても何ら不思議ではなく、最悪の場合は社員の一斉退職による株式会社ガンダムの解散すらあり得る。


尤も、もう1機のガンダムの管理も必要なので、ミオリネからすれば地球寮のメンバー全員が退職しても、コネが出来たジェターク寮から何人か生徒を派遣して貰えば良い話であり、地球寮のメンバーも上述の不幸に加えて『株式会社ガンダムという後ろ盾を失う』『優秀なメカニックの行方調査をミオリネに任せているので、それが中止になる』『後ろ盾を失う事で、下手すると今以上にスペーシアンの生徒からの差別と迫害が酷くなる』など、寧ろ退職した際のデメリットの方が大きいので、どの道ミオリネに従わざるを得ない状況で、それでも退職するならば、かなりの覚悟が必須となる。


わざわざ通信回線をオープンにして会話を聞かせていた辺り、ミオリネは地球寮にすら憎まれる状況を望んでいる節があるが……。



いずれにせよ、ミオリネが採ったこの行動が正しかったのかどうかは、第18話「空っぽな私たち」以降で明かされるのだろう。


余談

  • 第1シーズン末期でミオリネは「半死半生に陥った父の真意を知り、独り立ちを余儀なくされた」のに対し、スレッタは「周囲に知己がいながら彼等の意図・思惑を知らされず否応なく孤立に追い込まれる」と、近似しつつも真逆の様相を見せている。
  • 上記の通り『「自らの意思で進んだ」にもかかわらず、不本意な結末を迎えた』スレッタだが、酷な指摘をすれば進むのは誰もがする至極当たり前の行いで、それを選んだだけで自分の望む結果を得られない方が当然であり、見方によっては今更になってスレッタは現実を思い知らされたようでもある。
  • ちなみに『お上りさん』とは「都会見物に来た田舎者」を指しており、日本では江戸時代から使われている言葉である。聞き慣れない単語から『お上がりさん』など誤字も多く、一部では死語扱いされている程の言葉であり、この点から「ロミジュリ」などシーンを問わずに放たれる、ミオリネの台詞からは独特なワードセンス(?)が窺える。
    • このミオリネの台詞は、『少女革命ウテナ』第11話「優雅に冷酷・その花を摘む者」にて『薔薇の花嫁』姫宮アンシーが決闘に敗北した天上ウテナに掛けた言葉である「ごきげんよう、天上さん」と引っかけた言葉である可能性がある。それぞれの花嫁の心の内は、まるで違うのだが…。
    • 視聴者からは『第1話での「よろしくね、花婿さん。」と台詞が対になっている』という声もある。

関連タグ

機動戦士ガンダム水星の魔女

スレッタ・マーキュリー ミオリネ・レンブラン グエル・ジェターク

プロスペラ ガンダム・エアリアル

結果のみが真実


ダブスタクソ娘:第17話のミオリネはまさにコレである。

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